二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 114章 先兵 ( No.234 )
- 日時: 2011/09/03 23:53
- 名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
プラズマ団の紋章が刻まれた巨大UFOはホワイトフォレストの木々をへし折りながら降下していき、じき着陸する。
空に浮いていた時はその巨大さがよく分からなかったが、こうして地面に降り立つとよく分かる。このUFOはかなり大きい。控えめに見て半径2m強。直径なら5mといったところか。
「こりゃあでけえな……なんだイリス、お前の友達とかがあの中にいんのか?」
「もしいたら、助けなきゃいけない状況だよ、それは。だから乗ってない事を願う……それと、これが夢だったらいいなあ、とも」
降り立ったUFOはしばらくは動かなかったが、少し経つとハッチと思しき部位が開き、中から人が出て来た。
と、いうか、蹴り出された。もしくは締め出された。しかも投げられて。
その人物は結構高く空を滞空して数秒後、落下した。見方を変えれば空から登場したという格好良い絵になるのだが、残念な事に最初から見ていたイリスとイリゼには無様に落下した人間が一人いる、という風にしか映らなかった。
「あいたたた……アシド様も人使い荒いな……先兵なんて嫌なのに皆して締め出して……」
しかもなんか愚痴りだした。最近思うのだが、プラズマ団は一体どういう基準で人を雇っているのだろう。とイリスは思う。
「えっと……お前、プラズマ団だよな。最初に出て来たって事は、お前が僕らと戦うのか?」
「えぇー……バトんのかったりぃ……やるなら早くしてくれ」
さらに戦う気はほぼ最低値。なんなんだこいつは。
「なんか、個性は揃いのプラズマ団だけど、また奇人度が増してきたな……」
もはやイリスは同情というか、心配してしまうほどプラズマ団の内情が気になってきた。
まあなにはともあれ、イリスと先ほど現れた男(ツユサと名乗った)とのバトルが始まった。ちなみにその直後にUFOから大量の下っ端が散開していき、イリゼはそれを討伐するためにどこかへ行った。
「さて、じゃあ行くぞ。出て来い、デンリュウ!」
イリスがまず繰り出したのはデンリュウ。電気タイプなので弱点が少なく、先鋒にはもってこいなポケモンだ。
「そんじゃこっちは、バオッキー☆」
ツユサが繰り出したのは炎タイプのバオッキーだ。イリスが最初のジム戦を行ったサンヨウジムのポッドが使っていたポケモンだ。
「バオッキー、火炎放射だぜ☆」
何故だかテンションが上がっているツユサ。バオッキーは口から灼熱の火炎を吐き出す。
「デンリュウ、かわしてパワージェム!」
デンリュウは直進する火炎を横に跳んで回避し、煌く宝石を無数に放つ。
バオッキーは炎タイプ、だから岩タイプのパワージェムは効果抜群。かなり効いただろう。
「アイアンテール!」
そこにデンリュウは鋼のように硬化させた尻尾を叩きつけて追撃。効果はいまひとつでも、アイアンテールは相手の防御を下げる事がある。
「バオッキー、反撃だ☆オーバーヒート☆」
バオッキーは全身から超高温の灼熱の火炎を放ち、デンリュウを攻撃する。さしものデンリュウでもこの量の火炎を避けきることは困難だ。
「だったら、メガショック!」
デンリュウはとりあえず横に跳んだり後ろに退いたりしながらオーバーヒートをかわし、避け切れなければメガショックによる電撃で相殺。するとあっけない事に、デンリュウは傷一つ負わずにオーバーヒートを避け切った。
「? 運が良かったのか……? まあいいか。デンリュウ、炎のパンチ!」
「だったらこっちは、爆裂パンチ☆」
デンリュウの拳とバオッキーの拳がぶつかり合い、互いに押し合う。だがやはり爆裂パンチには勝てず、デンリュウは力負けして吹っ飛ばされた。
「追撃だ、気合パンチ☆」
吹っ飛ばされたデンリュウを追うようにバオッキーは拳を構え、倒れたデンリュウに振り下ろす。
「デンリュウ、アイアンテールだ!」
デンリュウは咄嗟に転がって気合パンチを避け、さらにそれと同時に鋼鉄の尻尾をバオッキーの顔面に叩きつける。
「よし、パワージェム!」
さらにそこにデンリュウは煌く宝石をぶつけてバオッキーを攻撃。効果抜群な上まともに入ったので、バオッキーはその場に崩れ落ちて戦闘不能となった。
「あーあ、負けちった☆」
ツユサはバオッキーをボールに戻しながら、次のボールを構える。
「んじゃー次はこのポケモンで。キルリア、GO☆」
何故だか最初よりもテンションが上がっているツユサの二番手は、キルリア。
「……んじゃ、僕はこいつだだ。出て来い、エルレイド!」
イリスはデンリュウをボールに戻し、そのキルリアの進化系であるエルレイドを繰り出す。
「エルレイド、サイコカッター!」
エルレイドは刃に切断作用のある念力を纏わせ、大地を蹴って一気にキルリアのところまで駆け込む。
「光の壁☆」
キルリアはそんなエルレイドに対し、光る壁を作り出すが
エルレイドの刃はその壁を透過し、そのままキルリアを切り裂いた。
「え!?」
この声はツユサのものではない、イリスのものだ。
「なんでサイコカッターに光の壁使ってんだよ……意味無いだろ……」
光の壁が防げるのは特殊攻撃。サイコカッターは物理攻撃なので、光の壁を使っても無意味だ。
「え? そうだったの? 知らなかった☆」
「…………」
イリスはこの時理解した。このツユサという男について。
(馬鹿だ、こいつ……)
もはや呆れてしまうくらい、馬鹿だった。
今回はプッツンプリンさんのオリキャラ、ツユサの登場です。プッツンプリンさん、キャラ崩壊などの不備がればいつでも申しつけください。正直、あまり自信がないのですが……。ま、まあとりあえず次回予告。次回はイリゼとプラズマ団の誰かを戦わせようかなーと思っております。では、そういう事で次回もお楽しみに。