二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 273章 発芽 ( No.296 )
- 日時: 2011/10/09 23:04
- 名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
「最後はお前だ。頼んだぞ、リーティン!」
イリスの最後のポケモンは、エースリーティンだ。
「ポコキングが動けないうちに決めるぞ。リーティン、グラスミキサーだ!」
ポコキングはギガインパクトの反動で動けない。その隙にリーティンは葉っぱを高速回転させ、木の葉の渦を作り出し、ポコキングを攻撃する。
「むぅ、ポコキング、サイコパンチ!」
「かわしてエアスラッシュ!」
ポコキングは念動力を込めた拳を放つが、リーティンは流れるような動きでそれをかわし、風の刃を飛ばしてポコキングを切り裂く。
「グラスミキサー!」
そしてポコキングは怯み、リーティンは木の葉の渦を作り出してポコキングを攻撃。ポコキングは戦闘不能となった。
「ふむ、まあこんなところだろう。よくやった、ポコキング」
センリはポコキングを労い、ボールに戻す。
「さて、空気的に私が有利みたいな感じだが、次のポケモンが最後だ。しかし最後に出すポケモンは大抵その者の切り札。私の場合は切り札とは言わないまでも、他の三匹よりは強いポケモンだ」
センリはそう前置きしてから、ボールを構え、最後のポケモンを繰り出す。
「さあ行け、ググズリー!」
センリの最後のポケモンは、猛獣ポケモンググズリー。ノーマル・格闘タイプのポケモンで、熊のような体躯、緑の体色で、尻尾の先端は球体となっている。
「ググズリー、まずはブレイククローだ!」
ググズリーは爪に力を込め、リーティンに飛び掛かる。
「そう簡単に当たってたまるか。リーティン、神通力!」
リーティンは襲い掛かるググズリーを神通力で止め、そのまま地面に叩き落す。
「ウッドハンマー!」
さらに動けないググズリーに、樹木の力を宿した葉っぱを振り下ろし、追撃する。
「ググズリー、ブレイズキック!」
リーティンが葉っぱを引き戻した所で、ググズリーは足に炎を灯して蹴り掛かった。
リーティンは辛うじてそれをかわし、葉っぱを構え直す。
「まだだ。ググズリー、辻斬り!」
ググズリーは素早い動きでリーティンの脇を通り過ぎ、その通り間際に鋭い爪で切り裂く。
ググズリーはとにかく攻撃力が高い。急所にも当たっていないのに、リーティンは相当なダメージを受けた。
「くっ、リーティン、エアスラッシュ!」
「遅いな、ブレイククロー!」
リーティンが葉っぱを振る予備動作に入った瞬間、ググズリーはリーティンの真正面まで接近し、力を込めた爪でリーティンを引き裂く。
「リーティン、まだ終わりじゃないぞ。グラスミキサーだ!」
リーティンは葉っぱを高速回転させて木の葉の渦を作り出し、ググズリーを攻撃しようとするが
「甘いな。その程度の攻撃では、私のググズリーは止められんぞ」
ググズリーは力を溜め、そして
「ググズリー、インファイト!」
ググズリーは残像が見えるほど高速で拳を繰り出し、襲い掛かる木の葉の渦を消し飛ばす。そしてそのままリーティンに接近すると、今度は蹴りや頭突き、体当たり、尻尾も交えた超連続打撃を、リーティンに浴びせる。
「リーティン!」
やがてリーティンは地面に落ちる。辛うじて戦闘不能は免れたようだが、満身創痍、体中がズタボロである。もはや戦える状態ではない。
「くっ……リーティン……」
悔しそうな顔でイリスは呟く。
「……君は、何を伝えたい?」
唐突に、センリは言った。
「……? 何を……?」
「そう。君はその組織を潰すか否かを迷っているようだが、それ以前に、彼らに言う事があるんじゃないのか?」
「言う事……」
それは……確かにある。しかしそれをどう伝えたものか、イリスには分からない。
「まだ思い出さないか……まあいい。なら、君は、彼らに何を伝えたい?」
「……僕は……」
イリスは俯き、独り言のように、呟くように言った。
「確かに彼らの言っている通り、僕達のやっている事は偽善かもしれない、自己満足かもしれない、実は悪行かもしれない、他人の居場所を崩している行為かもしれない。でも、僕は我を貫く。それは……それが——」
イリスは、顔を上げる。そして
「僕の真実だから!」
と、その時、イリスのその言葉に呼応するかの如く、リーティンが光り輝いた。
「!?」
「こ、これは……!」
光の中でリーティンは姿を変えていく。光が収まると、そこにはもう、リーティンはいなかった。
「リーティンが……進化したのか……?」
そこにいたのは、リーティンよりも大きな体躯。背中からは6枚の鋭き葉が翼のように生え、首周りは変わらず赤紫色の体毛で覆われている。
発芽ポケモンリーテイル。リーティンの進化系で、草タイプに飛行タイプが付加された。
「……君の思い、リーテイルには届いたようだな」
センリは呟く。しかしイリスは、リーテイルに見入っていた。
「……そうか、そうだった……本当、僕はなんて事を忘れてたんだ」
そしてイリスは思い出したようだ。トレーナーにとって大事な事を。
「それじゃ、仕切り直し。本当の勝負はここからですよ、センリさん」
「臨むところだ。私も、私のポケモンとともに全力を持って迎え撃とう」
イリスvsセンリ。本当の戦いは、ここからだ。
さて、今回は遂にリーティンが進化しました。説明にはないですが、トレードマーク(?)である手にしていた葉っぱはなくなってしまいました。僕としてはあの葉っぱ、結構便利だったんですけどね……前作で言えばホタチやアシガタナ的な?まあそんな事を言っても何も始まらないので、今後色々と試行錯誤する必要がありますね。では次回はイリス対センリ、決着です。お楽しみに。