二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 283章 侵入 ( No.320 )
日時: 2011/10/31 21:00
名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

プラズマ団の本拠地が発覚して早一週間。
イリスを初めとするプラズマ団アジト強襲隊(仮)は、例によって作戦会議をしていた。
しかしこれは最後のミーティング。
明日、イリス達はプラズマ団の本拠地——P2ラボへと乗り込む計画となっている。
「——まあ、乗り込む経路はこんな感じでいいかな……場所が場所なだけに、そこへ行くのも一苦労だね」
「私のドラドーンなら、全員乗せて行く事が出来るけどね」
「いや、あそこは乱気流が凄いからな……ドラドーンはともかく、僕らが吹っ飛ばされる」
乗り込む経路を大雑把に説明すると、まずカノコタウンの近くにある岸からボートに乗り(この一週間でキリハが運び込んだらしい)、島になっている陸地を通り過ぎ、そのまま18番道路へ。18番道路の山林を抜けて、次は水タイプのポケモンと中型の飛行タイプのポケモンを使ってP2ラボへ、という事になっている。
「……そういえば、肝心の戦力がどのくらい集まったのかを聞いてなかったけど……実際どうなんだい?」
キリハは全員に言ったようだが、イリスを見て言った。
「……チェレンとベルは今日の夕暮れまでにはヒウンに着くそうです。で、残り二人も、明日までには集まれそうと」
残り二人というのは、トネールとルースの事だ。その二人以外は見つからなかった。
「分かった。……ザキは?」
「うちの天才さんも、今日中には来れるとよ」
ザキは面倒そうに答える。このミーティングが、彼の性に合わないのだろう。
「で、リオが……」
キリハはリオ——の隣に座る少年を見て、目を細める。
彼の名はアキラ。リオが言うに幼馴染らしく、赤髪の短髪に眼鏡を掛け、耳にはピアス。服装は胸元が少し開いた赤いシャツの上に黒のスールを羽織り、黒いズボンを履いている。
一見するとホストに見えてしまう彼だが
「お、遂に俺の番が回ってきたか。さっきまでターンが来なかったらどうしようかと思ってたぜ。ま、そんな心配も——」
「とりあえずここにいる面子を軸として突入をどうするかを考えようか」
「おいおい、無視すんなって!俺のターンが台無しだろ!?」
まあこんな感じで、軽い男だった。
「いや、そもそもこのミーティングはターンがどうのとかそういうのじゃないから」
リオがそうツッコミを入れると
「ヘイヘイ。堅苦しいな、流石はイッシュのチャンピオもごがごっ!」
アキラの発言を、リオは手近にあった怒り饅頭をアキラの口へと突っ込んで止める。ちなみにこの怒り饅頭は、ミキが持ってきたものだ。曰く、近くに住んでいる悪そうなおじさんがくれたとの事。
「……まあ、正直もう話し合うことなんて特にないし、あとは各自、明日に備えて休養を——」

ビィー!ビィー!ビィー!ビィー!

キリハの言葉を遮ったのは、赤いランプと共に発せられる警報音。
これは、何者かが侵入してきたことを伝える信号だ。
「……この場合、境界の結晶狙い——十中八九プラズマ団だな。奇しくも向こうに先手を打たれたが……まあいいさ。返し手はきっちりと返す。各自、取り決めた持ち場へ向かってくれ!」
キリハがそう指示をすると、それぞれ部屋から出て行き、事前に取り決めた防衛場所へと赴く。
「俺は?」
取り残されたアキラが、キリハに尋ねる。
「君は……まあ、リオの所にでも行ってくれ」



境界の水晶が保管されている金庫は、地下室の奥の奥にある。無論、そこを悟られないようにするため、あからさまに門番の如く金庫の前に人を配置したりしないが、少なくとも金庫まで到達できないように、イリス達は配置してある。
そしてその金庫をゴールとしたら全く逆の方向——入口を通った先にある通路にて、ミキは敵と遭遇していた。
「あー……なんかここに来て微妙な奴と当たっちまったな……」
その敵とは、7Pフォレス。
「何か聞き捨てならない台詞が聞こえた気がするけど、こっちとしては幹部内で微妙な立ち位置にいるあなたの方がよっぽど微妙だと思うけど」
「うるせえ!確かに序列五位なんて数字はさっぱりしてる割に微妙な位置だよ!あと地味に俺より一回多く微妙って言っただろ!」
最後の一言が、正に微妙だった。
「ちっ……まあ、今回俺がやれる事はこんくらいだからな。正直今日は俺、見事なバットメンバーだが、相手してやるよ」
そう言って、フォレスはボールを取り出す。
「臨むところだよ。こっちは見事なグッドメンバーだけど、文句はないよね」
そしてミキも、ボールを構える。



Nは通路を歩いている。
このPDOヒウン支部は、とにかくやたらめったら建てられたビルを丸々一つ買い上げたもので、内部の構造は単純——かと思いきや、その辺はキリハによる手が加えられ、結構入り組んだ構造をしている。
だからプラズマ団が侵入してこようと、内部に入れば全く迷わないというのはまず不可能。そしてキリハ達は、その入り組んだ構造を全て把握している。
勿論、Nも。
「……あ」
そして通路を歩くNは、ある人物と遭遇した。
「……あなたですか」
その人物とは、プラズマ団のザンバだった。



まず最初に、今回は霧火さんのオリキャラ、アキラが登場しました。霧火さん、キャラ崩壊などの不備がありましたら申しつけください。今回はアジト突入前日なのですが、そんな時に限ってプラズマ団の強襲です。さて、振り返ってみると今回もバトルのない回……ふむ、なんだか最近、伏線を張る事を考えてしまい、どうもバトルに行かなくなりつつありますね。でもバトルはほぼ一話分丸々使いますからね……短く書く練習もしなくては。さてでは次回ですが、次回からはPDOヒウン支部にてプラズマ団との攻防です。お楽しみに。