二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 286章 対抗心 ( No.325 )
- 日時: 2011/10/15 00:31
- 名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
「なあリオー。俺リオに無理矢理引っ張られて連れて来られたみたいなもんで、いまいち状況を理解してねーんだけど」
リオとアキラは、現在共に行動している。しかし敵が全く来ないために手持ち無沙汰になってしまい、アキラは今のうちに今がどういう状況なのか聞こうと(しかし彼にそんな思惑はないかもしれない)、リオに尋ねてみる。
「……プラズマ団って、知ってるよね」
「プラズマ団? ……うーん、聞いたことはある気がするんだが、俺、最近イッシュに戻ってきたばっかだからなぁ……知らない」
「最終的にはそうまとまるのね……」
リオはややげんなりとしていた。
「プラズマ団っていうのは、端的に言って悪い奴ら」
「ホントに端的だな」
「そのボスが世界を支配しようとしているの」
「誇大妄想狂かよ」
「だから伝説のポケモンが危ないの」
「どこをどうやってそう結びつくかは分からんが、まあ漫画とかでよくあるパターンだと、伝説のポケモンを利用して世界を支配する気なんだな」
流石は幼馴染、ある程度の意思疎通は言葉を介さずとも出来るらしい。
「しっかし、俺がいない間、随分と変わったんだな、イッシュも……リオはなんとかって組織に入ってるし」
「PDOね、PDO。プラズマ団(P)壊滅(D)組織(O)。PDO……分かった?」
「分かった分かった……PKOだな」
「それは世界の平和を守る……なんだか次元を超えたような会話をしそうな気がするから止めよう……」
次元と言うか、世界観の違いである。
「……アキラがいれば、もしかしたら変わってたかもね」
唐突に、リオはそう言い出す。
「ん? 何が?」
「プラズマ団のこと。去年は、相当大変だった。プラズマ団もPDOも結構前から細々と活動はしていたけど、去年を境にプラズマ団の活動は活発化したからね。……まあ、今年も今回で、多忙にはなりそうだけど」
とリオがそう言い終えた時、ガコン、と何かが外れる音がした。
「いやはや、ダクトは細くて敵いませんね……いや決して私が太いというわけではないんですよ? ただ通気孔が細いんです。全く、PDOとやらはちゃんと換気するつもりがあるのか——」
タンッ、とその人物が通気孔から飛び降り、リオ達と目が合った。
その人物はそういう人種なのか肌が白く、蒼い瞳、ボブレイヤーの金髪で、ガイアとはまた違った軍服。腰には回転式拳銃を吊っている。
この人物は、7Pレイの部下、サーシャだ。しかし以前とは出で立ちが微妙に違う。軍服の細部と、吊っている拳銃の種類、それから前はベレー帽を被っていたが、今は被っていない。
しかしリオ達(しかしアキラはどうだか不明)はそんな些細な事はどうでもいい。それどころか彼女とは初対面だ。
だがサーシャが手に持っている、境界の結晶が入っている箱だけは、どうしても見逃すことは出来ない。
「……どうやって金庫まで辿り着いたかは知らないけど、ここで私達に見つかったのが運の尽きだね。その手に持ってる物、返してもらうよ」
「……返せと言われて素直にはいどうぞと返すほど、私は馬鹿ではありません」
ただし、通気孔から出て敵に見つかるほどに、抜けてはいるようだが。
「え? なに? このキレイなお姉さんが敵? マジで?」
「マジで。だからほら、さっさと構える」
リオはアキラにそう促すと、アキラは渋々ながら動く。
「なーんかいまいちやる気出ないけど、しゃーねーわな。……サンダース」
アキラがそう呼ぶと、今まで触れなかったがずっと彼にくっついていたポケモン、サンダースが前に出る。
「サンダース、電気タイプですか……ならばこのポケモンで行きましょう。リベルラ(Riberura)」
サーシャが繰り出したポケモンは、リベルラと名付けられたドラゴン・地面タイプのポケモン、フライゴンだ。
「地面タイプかよ、こりゃ、ちっとばかし不利かもな」
「なら、手を貸そうか?」
リオは言う。
「今回はあんまり、正々堂々とか言ってられない事態らしいんだよね。庫は破られちゃったらしょうがない。だからこういう場合は、無理せず協力すべきだ……って、キリハが言ってた」
受け売りだったらしい。
微妙に決まらない。
「出て来て、シャンデラ!」
リオが繰り出すのは、誘いポケモンのシャンデラ。リオのエースポケモンだ。
ポンッ
と、その時、もう一つボールが開く音が聞こえた。
しかしこの場にいる全員——今し方ポケケモンを出したばかりのリオを除き——誰もボールには触れていない。
だがしかし、この場にはもう一体のポケモンが現れた。
赤と白の蝋燭型のポケモン、青い炎は頭になっていて、白い手が宙に浮いている。
蝋燭ポケモン、ホムロソク。タイプはシャンデラと同タイプだ。
「あっちゃあ……そういえば忘れてたな、こいつのこと」
ホムロソクは勝手に出てくるなり、凄い気迫でシャンデラを睨み付ける。
「えーっと……なんだっけ、このホムロソク」
リオはアキラに尋ねる。
「ホムロソクはお前のシャンデラに対抗心燃やしてんだよ、炎なだけに」
「別にそんなに上手くない。で、なんでそうなんだっけ?」
「タイプ同じだし、どっちもメスだからじゃないか?」
まあなんにせよ、いくら正々堂々と挑まなくとも何体もポケモンを出して戦うのは流石に気が引けるので、アキラはサンダースを下がらせる。
ついでにリオはシャンデラをボールに戻す。するとホムロソクは途端にやる気を……そんなになくしているわけでもなく、矛先がリベルラの方へと向いただけだった。
「……まーそんじゃ、ここは俺が相手になるよ」
「そうですか。しかし、私に簡単に勝てると思わないでくださいね?」
「当たり前だ」
アキラはにやりと笑い
「簡単に勝ったら、面白くないだろ?」
今回はサーシャを出すので精一杯でした。まあしかし大丈夫でしょう、なんとかなります、たぶん。さてご覧になれば分かるでしょうが、水晶の箱を持っているのはサーシャです。ですが次回はたぶん、他の人とのバトルフラグになると思います。というわけで、次回もお楽しみに。