二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 297章 天道虫 ( No.344 )
- 日時: 2011/10/19 16:18
- 名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
テッコンボの拳とメタゲラスの角が激突し、お互い激しく競り合う。
だがそこは、やはり攻撃力の高いメタゲラスの方が優勢で、じきにテッコンボは吹っ飛ばされる。
「止めだ!グラビティコア!」
メタゲラスは宙を舞うテッコンボに、超重力の黒い球体をぶつけ、押し潰す。
「テッコンボ!」
地面にクレーターができ、その中央でテッコンボは倒れていた。
戦闘不能だ。
「……よくやったテッコンボ。戻れ」
シバはテッコンボをボールに戻す。
これでシバの残りの手持ちポケモンは、あと一体。
「俺のポケモンを四体も倒すとは、相当な腕前だな。しかし最後の一体は、今までとは違うぞ。今までの力は俺一人の力。しかし、この一体は、俺の友の力でもある」
そう前置きし、シバはボールを構える。
「見るがいい、俺の最後のポケモン。ウー!ハーッ!行け、レディバル!」
シバの最後のポケモンは、五つ星ポケモンのレディバル。
天道虫を擬人化したような姿で、足が宙に浮いている、虫・格闘タイプのポケモンだ。
「虫タイプ……? ……なんか意外だな……」
イリスはシバと出会ってまだ一時間程度だが、それでもシバの今までのポケモンを見るに、もっとゴツイ感じのポケモンが出てくると思ったが、存外そうでもなかった。
むしろ愛嬌のある顔をしている。
「このポケモンは、格闘タイプだけでなく、虫タイプも含むポケモンだ。俺と同じ四天王に、毒タイプを使う、変幻自在の忍者がいた」
シバは思い出を語るように、そう言い出す。
「俺は任期中、その者から力だけでなく、相手を惑わす術を教わった。虫タイプは毒タイプとは違うが、それでも通ずるところはある。我が友から借り受けた力、とくと感じるがいい」
そしてシバは、レディバルに指示を出す。
「レディバル、攻撃指令!」
レディバルはどこからか無数の天道虫を呼び出し、メタゲラスを襲わせる。
メタゲラスは確かに硬いが、それは装甲が硬いという意味であって、決してその中身は硬いとは言えない。
なので小さな天道虫はメタゲラスの装甲の間を縫うように蠢き、急所を的確に攻撃してくる。
「くっ……メタゲラス、虫なんかに構うな!アイアンヘッド!」
メタゲラスは天道虫を弾き飛ばすような勢いで、レディバルに突進するが
「かわせ、レディバル」
レディバルは跳躍し、メタゲラスの攻撃を回避。さらに宙に浮かぶ足を足場にし、その場で停止する。
「攻撃指令」
そして無数の天道虫を呼び出し、メタゲラスを攻撃。
一体一体の攻撃は弱いし、効果もいまひとつなのだが、如何せん急所をほぼ確実に突いてくるため、メタゲラスには思った以上にダメージが蓄積されていく。
「くぅ、鬱陶しいな……天道虫はさっさと冬眠でもしてろ。メタゲラス、大地の怒り!」
メタゲラスは地面から土砂を噴射して多くの天道虫を地面に埋め、さらにレディバルにも攻撃するが、案の定レディバルは簡単にその攻撃をかわした。
「ならこれでどうだ!グラビティコア!」
メタゲラスは超重力の黒い球体を作り出してレディバルに叩きつけようとするが、レディバルは足場を巧みに使い、グラビティコアを回避。そしてメタゲラスから距離を取る。
「メタゲラス、ストーンエッジ!」
メタゲラスは鋭く尖った岩を無数に浮かべ、それらを一斉に放つ。
「問題ない。レディバル、全て叩き落せ。雷パンチ!」
レディバルは電撃を纏った拳を連続で繰り出し、襲い来る岩を全て粉砕する。
「攻撃指令!」
そしてまたも無数の天道虫を呼び出してメタゲラスを攻撃。いくら効果いまひとつとはいえ、何度も喰らえばダメージが蓄積し、いずれは力尽きる。
「くぅ、メタゲラス、アイアンヘッド!」
メタゲラスは鋼鉄の頭を突き出し、レディバルに突進するが
「レディバル、防御指令」
レディバルは攻撃指令と同じように無数の天道虫を呼び出すが、その天道虫はメタゲラスを攻撃せず、レディバルの正面に集まり、レディバルの盾となる。
その天道虫達はメタゲラスのアイアンヘッドを受け止め、しかも動きまで止める。今のメタゲラスは、隙だらけだ。
そして
「決めるぞレディバル、インファイト!」
レディバルはパンチ、キックなどを残像が見えるほど高速で繰り出し、メタゲラスを攻撃。
最後のストレートパンチでメタゲラスをふっ飛ばし、地面に叩きつける。
「メタゲラス!」
見ればメタゲラスは目を回しており、戦闘不能だった。
「くっ……戻れ、メタゲラス」
これでイリスの残り手持ちも、あと一体。
「ディザソルじゃタイプ的に不利過ぎるな……だとすれば、最後はお前だ。頼んだぞ、エルレイド!」
イリスの最後のポケモンは、エスパーにレディバルと同じ格闘タイプを有するエルレイドだ。
「エルレイド、サイコカッター!」
エルレイドは刃に纏わせた念動力を飛ばす。
「レディバル、防御指令」
レディバルは呼び出した無数の天道虫で盾を作り、サイコカッターを防御。
「攻撃指令!」
そして攻撃用の天道虫を呼び出し、エルレイドを襲わせ、さらにレディバル自身も突っ込む。
「来るぞエルレイド。アイスブレードで迎え撃て!」
エルレイドは氷結させた二つの刃を構え、天道虫と、レディバルを見据える。
ふぅ……今回もすっきりしない終わりですね。さてシバの切り札ですが、レディバルです。厳ついシバには似合わないレディバルです。ちなみにこの章内で出て来る友とは、ムロタウンの彼ではありません。同じ四天王の彼です。確かポケスペでは、この二人は結構親しい間柄だった気がするんですよね……まあいいです。レディバルは指令系統の技と自らの拳を巧みに使い、エルレイドと戦います。対するエルレイドは二つの刃でレディバルにどう対抗するのか。次回もお楽しみに。