二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 298章 使役 ( No.345 )
日時: 2011/11/02 23:39
名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

「レディバル、雷パンチ!」
「エルレイド、アイスブレード!」
レディバルは攻撃指令で呼び出した天道虫とともに、拳に電撃を纏わせてエルレイドに飛び掛かる。
エルレイドも氷結させた刃を振るい、襲い来る天道虫を切り裂いていく。
しかしレディバルの拳を受け止めたところで天道虫が後ろから攻撃。体勢を大きく崩してしまう。
「そこだ!雷パンチ!」
レディバルは再度拳に電撃を纏わせ、エルレイドを殴り飛ばす。
「追撃だ、攻撃指令!」
レディバルはさらに天道虫を呼び出し、吹っ飛ばされているエルレイドを襲わせる。
「ぐぅ、エルレイド、リーフブレード!」
エルレイドは草木の力を刃に宿し、体に纏わりつく天道虫を切り裂く。
「サイコカッター!」
そして地面に着地。念動力の刃を飛ばすが
「防御指令だ」
レディバルは防御用の天道虫を呼び出し、その刃を防御する。
「……確かにこれは、変幻自在だな。まるで付け入る隙がない」
攻撃時は天道虫とともに攻撃し、天道虫を払おうとすれば拳が飛び、拳を受けようともすれば天道虫が襲い掛かる。
防御時も天道虫を使役して上手くダメージを避けている。これは虫と格闘の混合タイプだからこそできる芸当だろう。
「休ませんぞ。レディバル、雷パンチ!」
レディバルは拳に電撃を纏わせ、エルレイドに突っ込む。
「エルレイド、アイスブレード!」
エルレイドも刃を氷結させて迎撃の態勢を取るが
「攻撃指令!」
レディバルはすぐさま無数の天道虫を呼び出し、エルレイドへと向かわせる。
「可能な限り切り裂け!でも、レディバルの攻撃だけは喰らうな!」
エルレイドは襲い来る天道虫を片っ端から切り落としていき、レディバルの拳も避けきったが、しかし天道虫の攻撃は四方八方どこからでも来るので、全てかわし切るのは不可能だった。
「エルレイド、ドレインパンチ!」
エルレイドは天道虫を掻き分けるように淡く光る拳を突き出し、レディバルを殴り飛ばす。
初めて、レディバルに攻撃が通った。
「むぅ、想定通りならば一撃も喰らわず勝利を収めるはずなのだが……しかし、あくまでも推測だな。レディバル、攻撃指令!」
レディバルは呼び出した無数の天道虫に、エルレイドを襲わせる。
「エルレイド、アイスブレードだ!」
エルレイドも氷結した刃を振るうが、天道虫はやられどやられど湧いてきて、とにかくエルレイドを攻撃しまくる。
「雷パンチ!」
そして、レディバルの拳が飛んでくる。
エルレイドは丁度刃を振り切った状態だったのでその拳を避ける事ができず、結果として体を折り曲げ、体勢を大きく崩してしまった。
それにより天道虫達も一気に畳み掛けてきたが、それ以上にレディバルの猛攻が凄い。

「レディバル、インファイト!」

レディバルは残像が見えるほど高速でパンチやキックを繰り出し、エルレイドを攻撃。エルレイドはただただやられるばかりで、最後のストレートパンチを喰らって吹っ飛んだ。
「エルレイド!」
効果いまひとつとはいえ、インファイトは格闘タイプの技の中ではトップクラスの威力を誇る。レディバルの攻撃力も高いので、まともに喰らえば戦闘不能になることもあるだろう。
しかしエルレイドは運がよく、全身ズタボロではあるがまだ戦闘不能ではない。
エルレイドはゆらゆらと立ち上がり、瞳に戦意の炎を灯す。
「エルレイド……」
だがこの時揺れていたのは、エルレイドよりイリスの方だった。
何故かエルレイドがやられる姿と、ミキを重ねてしまったのだ。
「くっ……」
イリスの脳裏には後悔の念がよぎる。今はそんな状況でもないのは百も承知だが、しかし頭から離れない。
「……悩みは、まだ解決しないか」
唐突に、シバは言った。これはシバの特訓に無理矢理イリスがつき合わされているようなものだが、シバは一応、イリスの悩みを解決しようとする気はあるらしい。
それを悟ったのか、もしくは無意識にか、イリスは実名を伏せて、ミキがさらわれた経緯を話す。
「……あの時僕が引き止めたから、その娘は囚われてしまった。あそこは、彼女の意思を汲んであげるべきだったというのに……」
勿論それは結果が分かっての対応ではあるが、しかしイリスはそう思ってしまうほどに追い詰められていた。
「……それは試練だ」
唐突に、またもシバは言った。
「し、試練……?」
「そう、試練」
あまりにも意外なシバの言葉に、イリスは面食らう。だがシバはそれに構わず、話を続ける。
「それは二つの試練だ。お前と、お前の弟子。二人に対する試練。お前は弟子を救うために奮起し、敵を倒す。弟子は師の力を借りずに、鍛えた自らの力を持って生還する。それが、試練の内容だ」
「え……」
イリスは困惑している。
その二つには多少の食い違いがある上、シバはほとんど何も知らないに等しい。そんな状態でこんな事を言われれば、誰だって困惑する。
「……まあ、そう思えという話だ」
ズルッと、イリスはその場でズッコケそうになる。
「どんなものであれ、考える視点を変えれば、楽になるものだ。最終的にやることが同じならば、無理して苦の道を歩む必要もあるまい」
言ってシバは、目付きを変える。これは、戦いの時の目付きだ。
「さあ、あとはおまえ自身で考えろ。それも、師匠の務めだ」
「え、あ……はい」
イリスは困惑気味なまま、そう返す。
(考える視点を変える、か……)



ああ、またも終わりが微妙に……でも、これ以上伸ばすと文字数が……まあ、いいですか。さて今回はエルレイドが見事にフルボッコにされています。レディバルの天道虫、半端ないですね。次回はイリス対シバ、そろそろ終結となります。というわけで、次回もお楽しみに。