二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 302章 対句 ( No.354 )
日時: 2011/10/21 00:17
名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

「ふぅ……助かったぁ」
「やれやれだな」
海に投げ出されたザキとシルラは、イリスのフローゼルに救命され、P2ラボ第6エントランス(裏口含めて全部で13の入口がある)の前にいた。
「でもこのフローゼル、誰のだろう? 流石に野生のポケモンじゃないよね?」
「あの野郎のポケモンだろ、どうせ」
あの野郎とは、イリスの事だろう。
シルラもそれを察してか、特に追求はしない。
「ったく、一体なんだってんだよ」
「どうも奇襲を受けたっぽいね。まあ私もザキも無事でよかったじゃん」
ザキの愚痴を零さず返すシルラ。
「結果だけを見るな……つーか、俺の方が年上だぞ。さんを付けろや」
「んじゃ、行こうか」
ザキの言葉を無視するシルラ。そして今更だが、この二人の会話を聞く限り、二人は知り合いのようだ。
「……つーかよ。セッカの天才さんならあの奇襲も予知できたんじゃねえのか?」
「無理だよ。最近、どうも力が落ちてきててさー……だから立て直そうと奮闘中」
「そうかよ」
「……ていうかさ。セッカの暴君様なら今すぐにでも暴れだしてこのアジト滅茶苦茶にしてるんじゃない?」
「うるせえ!それは昔の話だ!というかお前、それ俺の言葉を対句にしたいがために言ってんじゃねえのか!?」
「さーて、ミキちゃん早く探さないとねー」
またもザキの言葉を無視して歩き出すシルラ。
恐るべきマイペース。しかもベルとは少々違うタイプだ。
「あ、ザキ!あそこにこのアジトの見取り図があるよ」
シルラは前方を指差してそう言い、ザキもその方向を向く。
確かにそこには、P2ラボの見取り図があった。
「なんかあざといけど……こんなもんか?」
「こんなもんだって。ほらここ、結構入り組んでるし」
ザキはとりあえず、ミキがいそうな目ぼしい場所を書き写し、ここから一番近い場所へと向かうことにした。



「出て来てくれ、ドンカラス!」
ソンブラの一番手は、黒い帽子を被り、白い鬚を蓄えたカラスのようなポケモン、ドンカラス。
「ドンカラスか。だったら僕の一番手はこのポケモンだ。出て来い、デンリュウ!」
イリスの先鋒は電気タイプのデンリュウ。言うまでもないが、飛行タイプには相性が良いポケモンだ。
「行くぞデンリュウ。まずはメガショック!」
デンリュウはバチバチと弾ける電撃を放つ。
「ドンカラス、かわせ!」
ドンカラスは意外と素早い動きでメガショックをかわし、デンリュウの背後に回りこむ。
「辻斬り!」
そして隙を見つけては、黒い翼でデンリュウを切り裂く。
「デンリュウ、まだやれるな。パワージェム!」
デンリュウはできるだけ広範囲に煌く宝石を飛ばし、ドンカラスを攻撃。範囲が広いため威力は低くなるが、ドンカラスには命中した。
「よし、いいぞ。そのままメガ——」
「不意討ち!」
デンリュウがメガショックを放つために構える前に、ドンカラスはデンリュウの背後に回って攻撃を仕掛けていた。
デンリュウはその一撃を喰らって大きく吹っ飛ばされ、壁に激突。壁には大きな亀裂が入る。
「不意討ちは相手が攻撃する前発動する技。さあ、次々行くよ。熱風!」
次にドンカラスは翼を羽ばたかせ、高熱の熱風を放つ。
「デンリュウ、無理に避けるな。ここはあえて突っ込むんだ。アイアンテール!」
デンリュウは尻尾を鋼鉄の如く硬化させ、ドンカラスに突っ込む。ドンカラスも攻撃中に攻撃されては避けることもできず、そのまま吹っ飛ばされた。
「よし、追撃だ。炎のパンチ!」
「辻斬り!」
デンリュウは拳に炎を灯してドンカラスを殴るが、ドンカラスはカウンターで翼を振り、デンリュウの腹を切り裂く。
「くっ、だがここで攻撃の手を休めるわけにはいかない。アイアン——」
「ドンカラス、不意討ちだ!」
デンリュウはまたしてもドンカラスの不意討ちを喰らい、壁に叩きつけられる。
「決めるよドンカラス。ブレイブバード!」
そしてドンカラスは全身に燃え盛る炎のようなエネルギーを纏い、デンリュウに突撃する。



ラボ内部を捜索しているリオは、一風変わった扉を見つけた。
なんというか、中世ヨーロッパの貴族の部屋みたいな扉で、他のものが機械的な自動ドアなのに対し、これは完全手動だ。
リオは気になって、ギィという音を立てながら中へと入る。中は結構広く、所々に白いテーブルクロスが掛かった丸テーブルが設置されている。そして

「おや? まさかこんなに早くここまで辿り着けるとは……少々計算が狂いましたか」

執事服を着た男。7Pが一人、エレクトロが……優雅に紅茶を飲んでいた。
そしてその傍らには、部下であるウズメ。こちらも執事服だが、執事という感じはしない。
「……いやいや、なんで執事が紅茶を飲んでるのよ」
「良いではないですか。どうです? あなたも一杯」
「結構」
エレクトロの申し出をスパッと切り捨てたリオ。しかしエレクトロは特に気にもせず、紅茶を啜っている。
「ふぅ……ウズメ。私が紅茶を飲み終わるまで、彼女の相手をしていてください」
まさかのエレクトロが他人任せ。なんでもきっちりとこなすエレクトロのキャラがブレた瞬間だった。
「えー……面倒です☆」
「やりなさい」
エレクトロがダーツのようにナイフを投げ、ウズメの足元に突き刺さる。
サァーと、ウズメの血の気が引いていく。
「やりなさい」
「……はいはい、分かりましたよ」
不承不承という感じで、ウズメはボールを取り出す。
「そんじゃ、面倒だからサッサと終わらせようぜ♪」
「言われなくても、そのつもり」
そしてリオも、ボールを構える。
プラズマ団とのバトル、五番目の対戦カードは、リオ対ウズメだ。



さて、シルラのまともない会話がやっと出てきました。なので今一度言います。パーセンターさん、キャラ崩壊などの不備があればお申し付けください。それからイリスとソンブラのバトル。最近思うのですが、イリスのデンリュウってなんだか敗北率高くないですか?それと最後はエレクトロ登場、リオとウズメのバトルフラグ。では、次回もお楽しみに。