二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 308章 分身 ( No.362 )
日時: 2011/10/22 00:51
名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

「カミギリー、辻斬り!」
「くっ、ボーマンダ!」
P2ラボに入ろうとしたルースは、何かの罠に掛かったらしく、どこからか大量の下っ端が現れ、さらにその下っ端達を従えているプラズマ団、ハンゾウが襲ってきた。
初めはあまりの敵の多さに逃げつつ向かって来る雑魚を蹴散らしていったルースだが、下っ端を全滅させた辺りでハンゾウが本格的に攻めだした。
「ボーマンダ、雷の牙!」
「カミギリー、影分身」
ボーマンダは牙に電気を帯びさせてカミギリーに噛み付くが、カミギリーは直前で数多の分身を生み出してボーマンダを惑わす。ちなみに雷の牙は分身を喰い千切っただけに終わった。
「シザークロス!」
カミギリーは分身とともにボーマンダへと一斉に飛び掛かり、交差させた腕でボーマンダを切り裂く。
「クロスポイズン!」
さらにもう一対の腕も交差させ、さらに毒も帯びさせてボーマンダを切り裂く。
「くっそ、ボーマンダ、ドラゴンクローだ!」
ボーマンダは龍の力を込めた爪でカミギリーを引き裂くが、それは分身だった。
「カミギリー、辻斬り!」
無数のカミギリーはそれぞれ絶妙な時間差をつけてボーマンダに突っ込み、四本の腕を素早く振るってボーマンダを切り裂く。
無論、攻撃を受けるのは本物のカミギリーによる攻撃だけだが、これだけの数が往復しながら何度も切り裂きに掛かると、もっと多く切り裂かれているような気がしてしまう。
「ボーマンダの巨体が裏目に出たか……いや、待てよ。分身を一気に消すなら、あの技が有効だな。ボーマンダ、地震!」
ボーマンダは地面を踏み鳴らして地震を引き起こし、地に足を着けている全てのカミギリーを攻撃する。
地震は地面を伝っての攻撃、つまり複数のポケモンに当たるわけで、カミギリーの分身は面白いくらい次々と消えていき、最後には本物だけが残った。
「そこだボーマンダ、大文字!」
ボーマンダは口から大の字の火炎を放ち、カミギリーを燃やし尽くす。
「カミギリー!」
炎が消えると、そこには黒焦げになって倒れているカミギリーの姿が。
「……よくやったカミギリー、戻るがよい」
ハンゾウはカミギリーをボールに戻す。
「やるではないか。拙者のカミギリーはそういった巨大なポケモンに対しては強いのだがな」
「だからって、ポケモンバトルは決まらないだろ。要するに、諦めるか諦めないかだよ」
ハンゾウは目を閉じてその言葉を聞き、次のボールを袖口から取り出した。



「さあ出て来てくれ、ラプラス!」
ソンブラの二番手は、いつか見たレイカのプレシオンの進化系、ラプラス。首長竜のような姿の乗り物ポケモンだ。
ラプラスは実験場のプールに浮かんでいる。
「飛行タイプのウォーグルに有利な氷タイプか……でも、僕のウォーグルだってタイプ相性くらいじゃ負けないさ。ウォーグル、ビルドアップからブレイククロー!」
ウォーグルはビルドアップで筋肉を増強し、続け様に爪に力を込めてラプラスに突っ込む。
「ラプラス、十万ボルトだ」
ラプラスは水タイプの癖に強力な電撃を放つ。しかしウォーグルは体を左右に動かしてその電撃をかわし、ラプラスを鋭い爪で引き裂く。
「ハイドロポンプ!」
だがラプラスはウォーグルのブレイククローを喰らっても怯まなかった。ラプラスは口から大量の水を発射し、ウォーグルを吹っ飛ばす。
ラプラスは元々、耐久力の高いポケモンだ。さらにソンブラはその耐久力をさらに磨いたので、たとえ効果抜群の技と同等くらいの威力を持つブレイククローを喰らっても平然と反撃できたのだ。
「追撃だ、冷凍ビーム!」
ラプラスはさらに凍てつく光線を放ち、ウォーグルを追撃。ウォーグルは地面を這うようにして冷凍ビームの直撃を避けたが、代わりに羽が凍ってしまい、飛べなくなってしまった。
「凍てつく風!」
そこにラプラスは、途轍もなく冷たい風を吹きつけ、ウォーグルを攻撃。その風はだんだんとウォーグルの体を凍りつかせていき、終いにはウォーグルの全身は凍りに覆われ……氷状態となった。
「くっ、ウォーグル!」
ウォーグルは完全に凍ってしまい、動けない。というか、よく効果抜群の凍てつく風を耐えられたものだ。
「凍てつく風は相手を必ず氷状態にする技だ、そのウォーグルはしばらく動けないだろう。さて、これで止めだよ。冷凍ビーム!」
ラプラスは氷の光線を発射し、氷結したウォーグルに直撃させる。
ウォーグルを覆っていた氷は砕け散ったが、解放されたウォーグルは目を回していた。
「戻れ、ウォーグル。よくやってくれたよ」
イリスはウォーグルをボールに戻し、次のボールを構えようとした、その時

ラプラスが吹っ飛び、宙を舞った。

「!? な、何だ!?」
流石のソンブラも、いきなり自分のポケモンが吹っ飛ばされれば動揺する。そしてイリスも困惑していた。
「一体、何が……?」
ラプラスは水面に叩きつけられながらも浮上し、辺りを見回す。
するとそれは、特に焦らすこともなく現れた。そしてそれの正体とは——
「フローゼル……!」
——だったのだ。
ちなみにフローゼルは、このプールの無駄に大きい排水口から出て来て、それまでの道程は過酷なものだったが……まあ、それはひとまず置いておこう。
「フローゼル、このタイミングで来てくれるなんて……流石は僕のポケモンだな!」
自画自賛なのか、フローゼルを褒めているのか、イリスはそう言い放った。
「……まあ別に、どんなポケモンが来ようと構わないよ。次はそのフローゼルが相手かい?」
「ああ、その通りだ。行くぞフローゼル」
フローゼルは一旦陸上に上がり、そして、ラプラスを睨み付けるように見据える。



今回は前半がルースとハンゾウのバトルなのですが……意外と行けるものですね。ちなみにすぐにバトルパートに突入させたのは手抜きではありません。手抜きではないです、手抜きなどしていません。大事な事なので、三回言いました。まあでも、それでも結構行けるものでした。後半はイリスのフローゼルが帰ってきた。ウォーグルはやられてしまいましたが、今度はフローゼルが大活躍。……でもラプラスには十万ボルトがあるんですよねぇ……でもま、フローゼルなら大丈夫でしょう。ではでは、次回もお楽しみに。