二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 309章 酷評 ( No.363 )
日時: 2011/10/22 01:43
名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

「テペトラー、マグナムパンチ!」
ザキは力ずくで扉をぶち破り、部屋の内部に侵入。中には今まで13箇所も探してようやく発見できた、ミキがいた。
しかし中には他にも三人。レイ、フレイ、サーシャもいた。
「……扉を蹴破って来るとは、些か乱暴ですね。しかし、それでわたくし達が止まると思えば——」
「邪魔だぁ!」
ザキは一直線にミキに向かって走り出し、それを遮るレイを……殴った。
殴り飛ばした。
それはもう、全体重が乗った渾身の拳で、殴った。
ザキは結構腕力や握力はある方なので、そうでなくとも男の拳を喰らって、レイは大きく吹っ飛ばされた。
「レイ様!」
サーシャはホルスターから咄嗟に拳銃を抜き、ザキに標準を合わせる——自分の上司が殴られたのだ、間違った判断ではないだろう——が、その間に黄色く大きな蜘蛛が割り込む。
「銃なんて物騒だなぁ……やるならポケモンでやろうよ」
そのポケモンはデンチュラで、持ち主はザキとともに部屋に乗り込んできたシルラだった。
「ミキ!」
ザキはミキのもとまで駆け寄ると、手枷の鎖をナイフで切り裂く。というか危ない。下手したらミキごと切り裂いていた。
「兄さん……」
ミキはジッとザキを見つめ、そして
「……いくら敵でも女の人を殴ったらダメだよ」
「確かにねー。流石のあたしもその展開にはびっくりしたなー」
「もはや獣と同じですね」
「暴君復活かな? いやでもちょっとやりすぎだよね」
部屋を飛び交うザキに対する酷評。ザキ、完全にアウェーだった。
「……よいのですよ、サーシャ、フレイちゃん」
レイはゆっくりと起き上がりながら言う。
「確かに少々乱暴ではあります。しかしこの程度の痛み、わたくしにとってはなんてことのない……傷にもならない痛みですよ」
とは言いつつも、レイの右頬(殴られた所)は真っ赤に腫れ上がっていて、レイの端正な顔立ちは大変な事になっていた。
「……まあですが、宣戦布告は受け取っておきましょう。あなたは、わたくしがお相手いたします」
言ってレイのワンピースの中から、濁った水色の光が漏れ出す。
「うへー……レイ、また解放すんのー?」
フレイは珍しく不機嫌そうな顔をする。
「ええ。何か問題でも?」
「あたし個人としてはないけどさー……フォレスがうるさいんだよなー……」
だがしかしフレイは愚痴るだけで簡単に引き下がった。
「サーシャ、あなたはそちらの方の相手をしていなさい」
「は、はい……分かりました」
プラズマ団とのバトル、第十戦の対戦カードはザキ対レイ。弟十一戦の対戦カードはシルラ対サーシャだ。



ライボルトは地面に叩きつけられ、戦闘不能となっていた。
「あーあ、負けちった……エレクトロ様、サーセン☆」
「サーセンじゃないでしょう」
サクッと
エレクトロの投げたナイフがウズメの背中に(浅く)刺さった。
「まあ元よりあなたに期待などしていませんから、今回あなたはただ時間を稼いだに過ぎません。私のティータイムをね」
床に蹲るウズメにそう言うエレクトロ。だが当のウズメは背中の痛みに悶え、しかも背中の真ん中辺りに刺さっているから抜けないという悲劇に陥っていて、それどころではなかった。
というか、今日のエレクトロはいつもと違う。なんだかボケ過ぎてる気がする。
「それでは、ここから先はこの私、エレクトロがお相手致します」
言ってエレクトロは手袋を外し、両手の甲に刻まれた刻印を露にする。
そして次の瞬間、その刻印から濁った黄色の光が迸る。
「PDOヒウン支部統括、リオさん。貴方の力は私達からしたら相当脅威なものです。なので私も普段は3割しか使わない力を、今日も8割にして臨ませて頂きます」
「……それでも、全力じゃないのね」
リオはプリンをボールに戻しつつ、ツッコミとも取れる発言をする。
「ええ……まあそうですね。私達も時間があまりないので、手早く一対一のシングルバトルで行きましょうか」
言ってエレクトロは、執事服のポケットからボールを取り出す。
「さあ、終焉の時です、ドルマイン!」
エレクトロが繰り出すのは、ボールポケモンのドルマイン。エレクトロの切り札だ。
「……そっちがエースポケモンで来るなら、こっちだってそれ相応のポケモンで相手してあげるわ。出て来て、シャンデラ!」
リオが繰り出すのは、例によってあのシャンデラだ。
「貴方に対してこの台詞を言うのもなんですが、一応言っておきましょうか。では、プラズマ団の境界を、刻みましょう」



通路を走るフォレスは、途中、とある人物と遭遇した。
いや、人かどうか不明なので、人物とは言いがたい。
「ドラン……お前、こんなとこで何してんだよ」
ちなみにフォレスは今までフレイが溜め込んでいた仕事を代わりにやって、そのすぐ後にアシドから連絡が入り、英雄の下へ向かえと指示され、イリスがいるらしい第七実験場(プールのような施設)に向かっているところだった。
【『ガイア』カラノ命ダ。英雄ノ下ヘ向カエト】
「はあん。じゃ、俺と同じなのか」
フォレスはドランとともに、P2ラボの長い通路を歩く。なんだかこの組み合わせは、かなり異色だ。
「なんか俺、カートリッジのタイプを回収するためとか言われたんだが、お前はどうなんだ?」
【『ガイア』ハカートリッジヲ基ニ『カセット』ヲ作ルト言ッテイタ】
「つまり俺達は、材料集めに狩り出されてる訳か……悲しいね」
そう言いながら、フォレスは歩くスピードを少し速める。
「しっかしゲーチス様も凄いこと考えたもんだ……古生代ポケモンを作るなんてな」



さて今回はザキがレイを殴りました。思い切り殴りました。もう、ザキの株価は一気に下落しました。ついでにザキとレイ、シルラとサーシャのバトルフラグも立ちました。そしてその次はリオとエレクトロのバトルフラグ。最後はフォレスとドランの会話です。いやあ、この二人の組み合わせって、なかなかないですよね。そしてそして、今プラズマ団が進めているもう一つの計画も明らかになりつつあるのです。流石にもう、分かる人は分かるはずです。あ、言い忘れてましたが、最初のザキが出て来る場面は、>>360前半のザキ視点(ちょっと違いますが)で続きだと思ってください。では次回もこんな感じで進めまして、次回もお楽しみに。