二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 312章 眼力 ( No.368 )
日時: 2011/10/23 00:04
名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

リオ対エレクトロのバトル。
方式は一対一のシングルバトル、そして互いのエースポケモンを使用しての大バトルだ。
「ドルマイン、十万ボルト!」
「シャンデラ、大文字!」
ドルマインの十万ボルトと、シャンデラの大文字がぶつかり合い、相殺し合う。この時点で、シャンデラとドルマインの力はほぼ互角……に見えるが、実は違う。
力が互角なら、この場合は技の威力が勝っているシャンデラが打ち勝つはずなのに、大文字は十万ボルトに相殺された。
つまりこれは、ドルマインの方がシャンデラよりも特攻が秀でていることを意味する。
無論、そう簡単な話でもないし、その場その場で力というものは変動するのだが、それでもエレクトロのドルマインの強さが、はっきりと見て取れるのは確かだ。
「お次はこの技。ドルマイン、磁力線!」
ドルマインは強力な電磁力を放ち、磁力の波でシャンデラを攻撃するが
「シャンデラ、サイコキネシスで打ち消して!」
シャンデラは強力な念動力を放ち、磁力の波を消し飛ばした。
「ほう、見えない磁力線に対し、同じく視認が難しいサイコキネシスで相殺とは、頭も回るのですね」
「まるで今まで私のことを馬鹿だと思っていたような発言ね」
「そういうわけでもありますが……ドルマイン、岩転がり!」
エレクトロは微妙に言葉を濁し、ドルマインに指示を出す。
ドルマインは体を床に対して回転させ、シャンデラへと突っ込む。
「シャンデラ、迎え撃つよ。シャドーボム!」
シャンデラは黒い影の爆弾を作り出し、向かって来るドルマインに直撃させる。
だが転がり始めたドルマインは停止というものを知らず、爆発も爆風も無視して転がり続け、シャンデラに激突する。
「くっ、シャドーボム!」
シャンデラは再度影の爆弾を放つが、やはりドルマインは止まらず、またも突撃してきた。
「岩転がりは攻撃を当てるたびに威力が増幅していきます。早く止めないと、大変な事になりますよ?」
「そのくらい、言われなくても分かってるわよ。シャンデラ、スタープリズム!」
シャンデラは空(というか天井)から冷気が詰まったガラス球を無数に降り注ぎ、ドルマインを攻撃。
「大文字!」
さらに大の字の巨大な炎も放ち、ドルマインは遂に停止した。
「よし、今がチャンス!シャンデラ、シャドーボム!」
シャンデラは影の爆弾を作り出し、ドルマインへと放つ。
「そう簡単には行きませんよ。ドルマイン、十万ボルト!」
だがドルマインは強力な電撃を放ち、影の爆弾を破壊した。
「マインブラスト!」
さらに地雷のような爆発を起こし、シャンデラを吹っ飛ばす。
「シャンデラ!」
幸いマインブラストは炎技で、シャンデラには効果いまひとつ。大したダメージは負っていない。
「……予想以上に強い……序列三位でこれだけなら、その上は一体……」
リオは脳裏に不安をよぎらせながら、エレクトロとドルマインを見据える。



P2ラボ外環。ルース対ハンゾウのバトル。
「では行くぞ。モアドガス、出陣だ!」
ハンゾウが次に繰り出すのは、毒ガスポケモンのモアドガス。稀に見る三つ子のドガースだ。
「モアドガス、毒煙幕」
モアドガスは紫色の煙幕を張り、ボーマンダの視界を奪う。
いや、視界だけではない。毒煙幕は微量ながらも毒が含まれているので、体力も徐々に奪われていく。
「くっ、ボーマンダ、雷の牙!」
ボーマンダは牙に電流を流してモアドガスに噛みつこうとするが……暗幕で前が見えず、結果として攻撃できなかった。
「モアドガス、ヘドロウェーブ!」
モアドガスは視界が奪われたボーマンダの死角からヘドロの波を放つ。
「視界が塞がれちゃ、何もできないわな……しょうがない。戻れ、ボーマンダ」
ルースはまだ戦闘不能ではないが、ボーマンダをボールに戻す。
そして新たなボールを取り出し、構える。
「さあ出て来い、フーディン!」
ルースが繰り出したのは、念力ポケモンのフーディン。直立した金色の狐のような姿で、長い鬚、両手には二つのスプーンを持っている。
「ほう、フーディンか。モアドガスは確かに毒タイプだが、それと同時に悪タイプでもある。したがってタイプ上フーディンの方が不利、そもそもこの毒煙幕の中では、まともに攻撃もできまい」
「そのためのフーディンだろうが」
ルースは、「まあ見てみろよ」と言い、フーディンに指示を出す。

「フーディン、ミラクルアイ!」

フーディンは目をカッと見開き、さらにその目をキラキラと七色に輝かせる。
数秒ほどして、フーディンは見開いた目を、デフォルトの状態へと戻した。
「さて、それじゃあ行くぜ。フーディン、気合球!」
フーディンは二つのスプーンの間に気合を凝縮し、球状にしてモアドガスへと放つ。
煙幕で前が見えないはずのフーディンだが、気合球はモアドガスに直撃した。
「なっ、モアドガス!」
モアドガスは思いもしない攻撃に、大ダメージを受けた。
「くっ、モアドガス、大文字!」
モアドガスは大の字の炎を放ち、煙幕を吹き飛ばしながらフーディンに迫るが
「サイコキネシス!」
フーディンは強力な念動力で大文字を打ち消し、さらにはモアドガスを操って地面に叩きつける。
「ミラクルアイは、言わばエスパー版の嗅ぎ分ける。相手が姿を眩まそうと追いかけるし、相手が悪タイプでも超能力が通じるようにする技なのさ」
それでフーディンは迷いなく気合球を当てたり、サイコキネシスでモアドガスを攻撃できたようだ。
「ぐぅ……モアドガス、ダークリゾルブ!」
「フーディン、シャドーボール連発!」
モアドガスは闇のオーラを放つが、フーディンが放った無数の影の球に打ち消されてしまった。
「サイコキネシス!」
そして続け様にサイコキネシスが放たれ、モアドガスは地面へと叩きつけられ、戦闘不能となった。



今回は前半がリオ対エレクトロ。エレクトロの強さに、リオは苦戦しております。そして後半はルース対ハンゾウ。ルースのボーマンダはハンゾウのモアドガスに苦戦しますが、交代させたフーディンのミラクルアイで逆転しました。そういえばミラクルアイって、相手の回避率に関係なく技が当たるって説明に書いてますけど、自分の命中率は関係あるのでしょうか……ま、小説だからいっか。では次回はまた違う人のバトルと言うことで、お楽しみに。