二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 14章 イリスvsチェレン 2 ( No.39 )
- 日時: 2011/07/31 15:19
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
チェレンが繰り出したのは雪傘ポケモンのユキワラシ。黒い一頭身の体に雪傘を被った氷タイプのポケモンだ。
「ユキワラシ、氷の礫!」
ユキワラシは小さな氷の塊——礫をいくつか作り出し、メリープに向けて飛ばす。
「結構速いな……メリープ、体当たり!」
メリープはユキワラシに向かって走り出し、体当たりを放つが
「ユキワラシ、影分身だ!」
ユキワラシはいくつもの分身を作り出し、メリープの攻撃を避け、メリープを惑わす。
「粉雪だ!」
そして一斉に粉雪を吹かし、メリープを攻撃する。実際にダメージを受けるのは実体が放つ粉雪のみなので大きなダメージはないが、それでも居場所が分からないのはキツイ。
「だったら……メリープ、電撃波!」
メリープは波状の電撃を放つ。電撃は分身を次々と消していき、最後には本体を捉えた。
「電撃波は絶対に当たる必中技。いくら分身を出そうとも、避ける事はできない!」
「……そうか。ユキワラシ、氷の礫!」
ユキワラシはいくつもの氷の礫をメリープに向けて発射する。
「メリープ、コットンガード!」
メリープはその礫をコットンガードで防御。しかし
「頭突きだ!」
コットンガードが解けたユキワラシ瞬間、ユキワラシが頭を突き出して強烈な頭突きをメリープに見舞い、吹き飛ばした。
「メリープ!」
メリーを見れば、目を回して倒れていた。戦闘不能だ。
「戻れ、メリープ。……氷タイプなら、リープンは出せないか。それじゃあ次はお前だ、ブイゼル!」
イリスの二番手は水タイプのブイゼルだ。
「ブイゼル、アクアジェット!」
ブイゼルは水流を身にまとい、高速でユキワラシに突撃する。
「ユキワラシ、頭突きだ!」
ユキワラシも頭突きで返し、ブイゼルを吹っ飛ばす。
「氷の礫!」
そして追撃の氷の礫。効果はいまひとつだが、出が早いので追撃にはピッタリだ。
「くっ、水鉄砲!」
「粉雪!」
ブイゼルは口から勢いよく水を発射するが、ユキワラシは粉雪を吹いてそれを凍らせる。
「ユキワラシ、影分身!」
そして影分身を作り出し、ブイゼルを惑わす。ブイゼルはメリープのような必中技を覚えていないので、影分身に対して十全な対応ができない。
「粉雪だ!」
ユキワラシは四方八方から粉雪を吹く。威力は大した事ないが、凍るような冷たさに、ブイゼルの体力は削られていく。
「ブイゼル、回転しながらソニックブーム!」
ブイゼルはその場で一回転し、その際に尻尾から連続で衝撃波を飛ばす。それにより多く分身が消え、大分絞り込めた。
「アクアジェット!」
ブイゼルは片っ端からユキワラシの分身を消していき、遂に本体への攻撃に成功する。
「そのまま泥爆弾だ!」
さらにブイゼルは泥を凝縮した塊をユキワラシにぶつけ、ダメージを与える。
「ぐっ、ユキワラシ、怯むな!氷の礫!」
ユキワラシは氷の礫を放つが、礫は明後日の方向へと飛んで行き、ブイゼルには当たらない。どころか接近され、至近距離からソニックブームを喰らってしまう。
「泥爆弾は相手の命中率を下げる事がある技。そのユキワラシの目にも泥が入って、前がよく見えてないんだよ。ブイゼル、アクアジェット!」
ブイゼルは水流を身にまとい、高速でユキワラシに激突して吹き飛ばす。
「……戻れ、ユキワラシ」
チェレンは戦闘不能となったユキワラシをボールに戻す。これでチェレンの手持ちは残り一体だ。
「それじゃあ行くよ、これが僕の最後のポケモンだ。出て来い、ファマー!」
チェレンの最後のポケモンは、目玉のある赤い球体に、その上にも小さな目玉のある球体が付いているポケモンだ。
火薬ポケモン、ファマー。炎タイプ。
「炎タイプならブイゼルの方が有利、このまま勝たせてもらうよ。ブイゼル、アクアジェット!」
ブイゼルは水流を身に纏ってファマーに直進する。しかし
「ファマー、日本晴れ!」
ファマーは燃える太陽のような球体を天高く打ち上げる。すると突然日差しが強くなり、日照りが起こる。
「高速スピンだ」
そしてファマーは高速で回転して、向かって来るブイゼルを弾き飛ばす。
「日本晴れはその時の天候を『日差しが強い』状態にする技。『日差しが強い』状態だと、水タイプの技は半減、そして炎タイプの技の威力が上がる。ファマー、炎の渦!」
ファマーは竜巻のような燃える炎の渦でブイゼルを囲み、閉じ込める。
「火の粉だ!」
そしてファマーは火の粉を連射し、身動きの取れないブイゼルにひたすら攻撃を続ける。すると遂にブイゼルは力尽き、その場に倒れこんでしまう。
「ブイゼル……くっ、戻れ」
イリスは悔しそうにブイゼルをボールに戻す。これでイリスの手持ちも残り一体だが、残っているのは草タイプのリープン。炎タイプのファマーとは分が悪い。
「でも、やるしかない……頼むぞ、リープン!」
イリスは意を決し、最後のポケモン、リープンを繰り出す。
「やっぱりリープンだね。君のポケモンのチョイスパターンから出すポケモンの順番を捻ってみたけど、大当たりだ」
どうやら最後のバトルががリープンvsファマーになるようにチェレンが仕向けたようだ。
「さて、これで最後だ、イリス」
チェレンは勝利を確信した眼で、イリスを見据える。
今回は前回に引き続き、イリスとチェレンのバトルです。チェレンの切り札はファマー、正直姿の描写が難しかったので、参照のをご覧になられた方が分かりやすいかと。ちなみに氷の礫の礫は、つぶて、と読みます。知っている方もいるでしょうが、一応念のため。では、次回はイリスとチェレンのバトル第一回、決着です。お楽しみに。