二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 325章 洪水 ( No.391 )
日時: 2011/10/26 00:48
名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

ミキ奪還、P2ラボ戦争。
その戦の最終試合はザキ対レイ。最終ラウンドは、テペトラー対ヤミクラゲ。
そして今まさに、その戦いが始まるのであった。
「テペトラー、速攻で行くぞ!マグナムパンチ!」
テペトラーは素早くヤミクラゲに接近すると、大砲のような拳を繰り出す。
「ヤミクラゲ、危険な毒素!」
ヤミクラゲは効果抜群のマグナムパンチをさも当然のように耐え、有害な毒素を含む物質を飛ばす。
だがテペトラーは咄嗟に身を退いたので、毒素は床を溶かすに留まった。
「危ねえ技だな。テペトラー、冷凍パンチ!」
テペトラーは拳に冷気を纏い、ヤミクラゲに殴り掛かる。
「ヤミクラゲ、悪の波動!」
ヤミクラゲは突っ込んでくるテペトラーに様々な軌道の黒い波動を放ち、テペトラーを吹っ飛ばす。
「気合球です!」
さらにそこに、気合を凝縮した球体を放つ。気合球はまっすぐテペトラーに向かって飛んでいき、爆発する。
「くっ、テペトラー、こんくらいでやられんじゃねえぞ!ビルドアップ!」
テペトラーは筋肉を増強し、攻撃力、防御力を高める。
「マグナムパンチだ!」
そしてヤミクラゲの下まで駆け込み、大砲のような拳でヤミクラゲを殴り飛ばす。
「飛ばされても、ヤミクラゲはやられませんよ。気合球!」
ヤミクラゲは宙に浮きながらも気合を凝縮した球を放ち、テペトラーを攻撃。
しかしテペトラーは体勢を崩さず、また闘志も未だに轟々と燃え盛っている。
「テペトラー、冷凍パンチだ!」
「ヤミクラゲ、危険な毒素!」
ヤミクラゲが有害な毒素を撒き散らすように飛ばすが、テペトラーは軽快な動きでそれをかわしていき、ヤミクラゲに接近すると凍てつく拳をその体に叩き込む。
「もう一発!マグナムパンチ!」
さらにテペトラーは大砲のような拳もヤミクラゲに叩き入れる。
だがヤミクラゲは、それでも倒れない。
「ヤミクラゲ、押し流しなさい。大洪水!」
ヤミクラゲは自分を中心として、どこからか大量の水を発生させてテペトラーを押し流す。効果はいまひとつだが、何故だかこの攻撃だけやけに高威力だ。
「ケッ、だが大洪水は、攻撃後に自分の特攻を二段階下げる技だ。そのヤミクラゲは特殊技しか持っていないようだから、一発一発の威力が半減するだけで、こちらがかなり有利になる」
「さて、それはどうでしょうね」
レイが冷淡な声でそう言うと、ヤミクラゲは体から何かを取り出した。
「っ!それは……」
ヤミクラゲが取り出した物、それは、白いハーブだった。
「PDOセッカ支部統括、ザキさん。あなたほどのトレーナーならば、この道具を知っていますよね。これは白いハーブ。ポケモンの能力が下がると発動し、その能力を元の値に戻します」
つまりヤミクラゲが大洪水を使用したことで下がった特攻が、白いハーブにより元に戻り、ヤミクラゲは特攻が高いまま残るということ。
「……元々、ヤミクラゲはそんなに特攻は高くないんだがな……いやま、プラズマ団にそんなことを説く方が間違ってるか」
ザキは何かを諦めたような表情をして
「テペトラー、マグナムパンチ!」
バトル再開。
テペトラーは大砲のような勢いで拳を勢いよく振り抜く。
「ヤミクラゲ、気合球!」
ヤミクラゲはテペトラーが拳を突き出すのとほぼ同時、タイミングを合わせて気合が凝縮された球を放ち、テペトラーの攻撃を防ぎつつもテペトラーを攻撃する。
「まだだ!オーシャンクロー!」
テペトラーは至近距離からの気合球を受けても体勢を崩さず、海の力が宿った爪を作り出し、ヤミクラゲを引き裂く。
しかし効果いまひとつなので、決定打には乏しい。
「そのテペトラーは攻撃力が高いようですが、わたくしのヤミクラゲも低めの防御を補うよう鍛えています。生半可な攻撃は効きませんよ。ヤミクラゲ、悪の波動!」
ヤミクラゲは至近距離から悪意に満ちた波動を放ち、テペトラーを引き剥がす。
「危険な毒素!」
さらに有害な毒素を飛ばし、テペトラーに追撃を掛けるが
「テペトラー、冷凍パンチだ!」
テペトラーは冷気を纏った拳でその毒素を殴り、カチコチに凍結させ、拳で砕き散らす。
「そのまま突っ込め!マグナムパンチ!」
テペトラーは勢いそのままに、大砲のような拳を放ってヤミクラゲを攻撃。
「くぅ、気合球!」
ヤミクラゲはクリティカルヒットした拳に仰け反りながら、気合を凝縮した球を放つ。
「オーシャンクロー!」
「悪の波動!」
テペトラーは海の力を宿した爪でヤミクラゲを引き裂き、ヤミクラゲは悪意に満ちた波動を放つ。
しかし接近戦となれば遠距離攻撃である特殊技しか持たないヤミクラゲの方が、近距離技を多く持つ格闘タイプのテペトラーよりも不利だ。
なので自然と、ヤミクラゲの方が押され気味になる。
「ヤミクラゲ、気合球です!」
「当たらねえよ、マグナムパンチ!」
ヤミクラゲは気合を凝縮するが、そこにテペトラーのマグナムパンチが飛び、ヤミクラゲは拳とエネルギーの暴発で吹っ飛ばされる。
「さあ、そろそろ決めるぞ。オーシャンクロー!」
テペトラーは海の力を宿した爪を作り出し、その爪を大きく振りかぶってヤミクラゲへと接近する。
「くっ、ヤミクラゲ、大洪水!」
ヤミクラゲはテペトラーが腕を振り下ろす瞬間、正に洪水のような大量の水を発生させ、テペトラーを押し流す。
「テペトラー!」
水が引くと、そこには仰向けになったテペトラーの姿——

ドサッ

——と、ヤミクラゲが倒れる音。
「ヤミクラゲ!」
どうやらテペトラーのオーシャンクローは、大洪水で押し流される前にヤミクラゲに当たっていたらしい。
テペトラーとヤミクラゲ、微妙なタイムラグはあれど、同時に二体のポケモンは倒れた。
即ちこの勝負は、ザキ対レイの最終戦は
引き分けである。



ふぅ……久々に一章丸々使ってバトルシーンを書きましたね……なんだか最近、一バトル千文字くらいで収めてましたから、無駄に疲れた気分です……。さて今回はザキ対レイ、決着ですね。最初に書いたP2ラボ戦争ですが、これは僕が即興で考えただけなので、あまり気にせず。むしろP2ラボ戦争(笑)とか付けるようなもんです。ザキ対レイのバトルは、まあ色々ありましたが、最終的には引き分けという形に収まりました。いやあ、最近引き分け多いですね。では次回はプラズマ団達が撤収、そろそろ第十二幕に移行します。次回もお楽しみに。