二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 356章 導 ( No.442 )
- 日時: 2011/11/03 14:26
- 名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
「次はお前だ。頼むぞ、リーテイル!」
イリスが次に繰り出すのはリーテイル。今度は趣向を変え、力ではなく速さで勝負をする。
「まずはエアスラッシュだ!」
リーテイルは背中の葉っぱを羽ばたかせ、空気の刃を無数に飛ばし、コバルオンを切り刻む。
「ダイヤブラスト!」
さらに宝石のように輝く光線を発射し、追撃を掛けるが
”その程度か。はやり人間に使役されたポケモンだな、程度が知れる”
効果いまひとつもあってか、全然効いていない。
”突き刺せ、岩石の杭!”
コバルオンは鋭く尖った岩を無数に浮かべ、それらを一斉を放つ。
「ロイヤルバーンで撃ち払え!」
リーテイルは自然の爆発を引き起こし、その衝撃波で尖った岩を粉砕。
「リーフブレード!」
そして尻尾の刃を構えてコバルオンに突っ込む。
”無駄だ。切り裂け、正義の刃!”
コバルオンも金色の角を光り輝かせ、リーテイルと切り結ぶ。
しばやく二体は鍔迫り合いを繰り広げたが、やがてコバルオンが押し勝つ。
「くぅ、エアスラッシュで反撃だ!」
リーテイルは空中で体勢を立て直すと、背中を羽ばたかせて空気の刃を無数に飛ばす。
”解き放て、鋼の波動!”
コバルオンは空気の刃に切り裂かれると、すぐさま銀色の光線を放って反撃に出る。
「ロイヤルバーンで相殺!」
だが今度のメタルバーストはエアスラッシュ自体のダメージが低いため、威力も低い。なのでロイヤルバーンで簡単に相殺できた。
”切り裂け、正義の刃!”
しかしコバルオンはロイヤルバーンで生じた爆煙に紛れてリーテイルに接近し、光り輝く刃で切り裂く。
”まだ終わらんぞ!砕け散れ、終の衝動!”
そしてそのすぐ後、コバルオンは凄まじい殺気を発しながらリーテイルに突撃、リーテイルを吹っ飛ばした。
「くぅ、ダイヤブラスト!」
”突き刺せ、岩石の杭!”
リーテイルは反撃のダイヤブラストを、コバルオンは追撃のストーンエッジを放ち、それぞれを攻撃。
「リーフブレードだ!」
リーテイルは地面に着地すると、鋭い尻尾の葉っぱを構えてコバルオンに突っ込む。
”無駄だといっているだろう。切り裂け、正義の刃!”
コバルオンも迎撃のため、角を光り輝かせてリーテイルに駆け出す。
しかしリーテイルはサッと軌道を変え、コバルオンの聖なる剣を回避。側面からコバルオンを切り裂いた。
「よし、そこだ!ロイヤルバーン!」
そして自然の力を爆発させ、自然の衝撃波を放ってコバルオンを吹っ飛ばす。
”ぐぅ……!”
効いているのか、コバルオンは砂煙を舞い上げながら後方に後ずさっていく。
「追撃だリーテイル、リーフブレード!」
リーテイルは追撃のために尻尾の葉っぱを構えてコバルオンに突っ込む。
しかし
”人間風情が、粋がるな!解き放て、鋼の波動!”
コバルオンは先ほどのロイヤルバーンのダメージを増量し、銀色の光線としてリーテイルに解き放つ。
「しまった……! リーテイル!」
回避できず、光線の直撃を受けたリーテイルは吹っ飛ばされ、かなりの致命傷を負った。
”……我をここまで追い詰めるとはな。しかし我は人間などに屈したりはしない。草の獣よ、人間に従った罪は重い。我がここで断罪してやろう。切り裂け、正義の刃!”
コバルオンは金色の角を光り輝かせ、満身創痍のリーテイルに斬り掛かる。
「! リーテイル!」
リーテイル、絶体絶命。
と、その時
リーテイルは凄まじい咆哮をあげた。
”ぬ!? ぐおぉ……!”
それだけではない。その咆哮とともにコバルオンも吹っ飛ばされる。
「い、今の技は……?」
イリスはリーテイルが使用した技を、図鑑で調べる、すると
「ドラゴンビート……?」
図鑑には、そう表示されていた。
”龍の咆哮か……だが、その程度では我には勝てぬぞ!解き放て、鋼の波動!”
コバルオンはドラゴンビートにより受けたダメージを増量し、銀色の光線として解き放つ。
「リーテイル、迎え撃て!ドラゴンビート!」
リーテイルは龍の鼓動のような音波を咆哮として放ち、銀色の光線を突き破ってコバルオンを攻撃。
「今だ、ロイヤルバーン!」
そしてドラゴンビートで体勢が崩れたコバルオンに接近し、自然の力を爆発させ、コバルオンを吹き飛ばす。
”ぐああぁぁぁ!”
吹き飛ばされたコバルオンは強かに壁に叩きつけられ、崩れ落ちる。
ポケモンバトルなら、コバルオンの敗北は決定だ。しかし
”ぐぅ、我は負けぬぞ。人間風情に、敗北などしてはならぬ……!”
コバルオンは動かない体を無理矢理動かし、今にも崩れそうになりながらも立ち上がる。
人間への憎悪。それが、コバルオンを動かす動力源だろう。
「……昔、お前と似たような奴がいた」
唐突に、イリスはそう言い出す。
「そいつは人間なんだけど、人間を信じず、ずっとポケモンの味方をしていた。ある時ぼくはそいつと出会って、それから僕の人生は変わったんだけど……まあ、僕のことはいいか。で、そいつは人間が嫌いで、ポケモンと人間を隔絶させようとしていたんだ。僕はそんなことをさせまいと、そいつと何度も戦った。時には勝利し、時には敗北し、互いに相手の気持ちを悟るようになっていったものの、最後の最後まで、己の信念を曲げようとはしなかった」
イリスはどこか大切な親友を思うように語る。
「その本当に最後の最後、僕はそいつに、真実を見せたんだ。そしたらそいつは、色々葛藤もあったとは思うけど、最終的に僕のことも、人間の事も分かってくれた。今ではそいつは、僕の大親友さ」
いっそ誇らしげに言って、イリスはコバルオンに歩み寄る。
”……それは人間同士だからだろう。ならば、我らとは相容れない”
「そうかもな。そうかもしれない。でも、考えてもみろよ。お前達は人間が嫌いだけど、中には人間が好きなポケモンだっているはずだろう。そう、例えば、このリーテイルみたいに」
イリスはリーテイルを抱き寄せながら言う。
「それに、ポケモンには人間世界の物を利用する奴だっているだろう。まあそんなとこまで引っ張り出したら元も子もないけどさ、でも、人間だってそんなに悪い奴ばかりじゃないんだよ。ポケモンと同じさ」
イリスは、コバルオンに手を差し伸べる。
「だから、一回だけ、僕を信じてみてくれ。なに、お前はそんなに強いんだ。もし僕が裏切ったら、その時は制裁でも処刑でも、なんでもやればいいさ。だから……僕に、力を貸してくれ」
”!”
コバルオンは驚くように目を見開くと、その後、スッと眼を閉じた。
”……良かろう。我が力、貴様に貸し与えんことを、ここに誓う”
こうして、イリスは鉄心の救世主、コバルオンの力を得たのだった。
今回は書きたいことが多いのですが、本編が長いのであとがきは短くします。今回はやはり、コバルオンとの決着、そして和解です。それからリーテイルが新しい技も覚えました。……まあ、伝える事はこのくらいですか。では次回も救世主達の登場、次はあのゴツイ方です。お楽しみに。