二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 365章 慈愛 ( No.453 )
- 日時: 2011/11/04 22:43
- 名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
「ニドクイン、地震!」
ニドクインは大地を激しく揺さぶり、小規模な地震を引き起こす。
「エルレイド、かわしてアイスブレード!」
エルレイドは跳躍して地震を回避し、ニドクインを肩から脇腹にかけて袈裟懸けのような斬撃で切り裂く。
「マグナムパンチ!」
そしてすぐさま拳を構え、大砲のような破壊力でニドクインを吹っ飛ばす。
効果はいまひとつだが、結構効いている。
「くっ、思った以上にやりますわね……ならばニドクイン、サイコパンチ!」
ニドクインは拳に念動力を纏わせ、勢いよく振り抜いてロケットパンチのような拳を撃ち出す。
「切り裂け、アイスブレード!」
エルレイドは氷結した刃でサイコパンチを切り裂く。
「ニドクイン、ベノムクロー!」
ニドクインは猛毒を帯びた爪を構え、エルレイドに突っ込む。ニドクインもニドキング同様、重さを速さに変換しているので、結構なスピードだ。しかし
「エルレイド、影討ち!」
エルレイドは影を伸ばし、影の中に潜り込み、影を伝ってニドクインの背後に回る。
そして肘の刃による斬撃でニドクインを切り裂く。
「くぅ、ニドクインの攻撃が当たらないなんて……いえ、まだわたくしもニドクインも終わっていませんわ。ニドクイン、アサルトエス!」
ニドクインは相手をいたぶるかのような激しい拳を繰り出すが、エルレイドはそのデタラメな拳を全て捌く。
流石は格闘タイプ、そしてエスパータイプだ。
格闘の動体視力と反射神経、エスパーの予知と予測。その両方を使いこなす事によって、エルレイドは並大抵の接触技なら見切れる。
「マグナムパンチ!」
ニドクインが意地になって拳を繰り出す中、エルレイドは一瞬の隙を見つけて大砲のような拳を叩き込む。
「アイスブレード!」
そして氷結した刃による斬撃も追加。ニドクインの体力はどんどん削られていく。
「ニドクイン、こちらもやられっぱなしではいけませんわ。ベノムクロー!」
「残念、影討ちです」
ニドクインは猛毒を帯びた爪でエルレイドを引き裂こうとするが、エルレイドは影を伝ってニドクインの背後に回り、刃の一撃を入れる。
「さらに、マグナムパンチ!」
エルレイドはニドクインの背中に大砲のような拳を叩き込んで、吹っ飛ばす。
「ニドクイン、地震!」
ニドクインはなんとか立ち上がり、大地を揺さぶって地震を引き起こす。
「だから、当たりませんよ。エルレイド、アイスブレード」
エルレイドは跳躍して地震を回避。最初のようにニドクインを袈裟懸けのように切り裂く。
「次は恐らくマグナムパンチ……ならばニドクイン、ベノムクロー!」
ニドクインはマグナムパンチが放たれる前に猛毒の爪でエルレイドを引き裂こうとするが
「外れですよ、ミヤマさん。影討ち」
エルレイドは影に入り込み、猛毒の爪を回避。そしてニドクインの背後から出て来ると、ニドクインの背中を刃で切り裂く。
「くっ、ニドクイン、サイコパンチですわ!」
ニドクインはすぐさま振り向いて拳に念動力を纏わせたロケットパンチを放つが、エルレイドは簡単にその攻撃を避ける。
「そのニドクインは、これまでの例に漏れず防御が高いようですが、攻撃も高い。しかしそれも当たらなければ意味がありません。エルレイド、マグナムパンチ!」
エルレイドはニドクインのどてっ腹を思い切り殴りつける。
「影討ち!」
そしてすかさず背後に回って攻撃。
どんな生き物でも自分の背後に立たれては反撃が難しい。エルレイドはそれを利用し、相手からの反撃を受けないようにしているのだ。
「当たらなければ意味がない。確かにその通りですが、それなら当てればいい話ですわ。そのエルレイドはニドキングとの戦いで相当消耗しています、ならばあと一撃でも入れれば倒れるはず。ニドクイン、地震!」
ニドクインはエルレイドに背中を見せながら地面を激しく揺さぶり、地震を引き起こす。
「かわせ、エルレイド!」
だがエルレイドに地震は通用しない。セオリー通り真上に跳躍して地震を回避する。
「ふふ、掛かりましたわね」
しかしミヤマの表情は、笑っていた。
「どんなポケモンでも、地に足をつけているポケモンならば、跳べば完全に無防備な状態となる。その無防備となった所を、ニドクインの爪は狩りますわ。ベノムクロー!」
ニドクインは猛毒の爪を構え、落下するエルレイドを待つ。
エルレイドが落ちてきた時。それがニドクインが勝利する時なのだが
しかしその時は訪れなかった。
「エルレイド、サイコバレット!」
エルレイドは両肘の刃を振るい、そこから銃弾のような念動力を、無数に発射する。
「な……っ!?」
上空から放たれる銃弾は全てニドクインを撃ち抜き、ニドクインはその場に崩れ落ちる。
「これは……ニドキングを倒した技……!?」
「その通りですよ」
イリスはミヤマの言葉を肯定する。
つまりニドキングは、ポイズンスピアを決める直前に至近距離からのサイコバレットを喰らったようだ。
サイコバレットはエスパー技。毒タイプのニドキングやニドクインに耐えられるはずがない。
「……お戻りくださいませ、ニドクイン」
ミヤマは今までのポケモンと同様に、慈愛に満ちた表情でニドクインをボールに戻す。
これでミヤマのポケモンは、残り一体。
「……ふぅ、まさかこのポケモンを使うことになりますとは。聞いていた以上の力ですわね」
億劫そうにミヤマは溜息を吐き、ボールを構える。
「しかしバトルは全力を注ぐもの。ですからわたくしも、全力を出し切りますわ。おいでませ、コモラゴン!」
ミヤマの最後のポケモンは、毒トカゲポケモン、コモラゴン。
その巨躯はトカゲと言うより、もはや龍だ。
「またでかいのが出て来たな……でも、生憎そのポケモンは既に攻略済み。速攻で決めてやりますよ。エルレイド、サイコバレット!」
エルレイドは刃を振るい、念動力で生成された無数の銃弾を放つ——
「コモラゴン、龍の舞」
ヒュンッ、とコモラゴンが消えた。
「え……?」
そして次の瞬間、エルレイドの正面に、巨大なトカゲ……いや、龍が立っていた。
「ぶち壊す」
さらに次の瞬間、コモラゴンの巨大な拳が鉄槌のように振り下ろされ
「エルレイド!」
エルレイドは叩き潰された。
勿論比喩だが、そう思えるようなやられ様なのだ。
「くっ、戻れエルレイド……!」
イリスはエルレイドをボールに戻す。
「なんてスピードだ……攻撃力ならまだしも、あの巨体であのスピードはどう考えても——」
「それがわたくしのコモラゴンです」
ミヤマは、イリスの言葉を遮って言う。
「言っておきますが、わたくしのコモラゴンは、わたくしのポケモンの中で最も早いポケモンですわ」
さて、今回はイリス対ミヤマその五なんですが、色々書きたい時に限って本編が長く、多く書けないという……。まあ、そうですね、では要所だけを書きましょう。ミヤマの切り札、コモラゴンは超速いです。何故かは次回をお楽しみに。