二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 369章 壁 ( No.462 )
- 日時: 2011/11/12 22:05
- 名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
「さあぶっ飛んで行くよ、スワンナ!」
「最後は頼んだぞ、デンチュラ!」
フウロの三番手は白鳥のような水・飛行タイプのポケモン。白鳥ポケモン、スワンナ。
そしてイリスが繰り出すのはそのスワンナに対して非常に相性のよい電気タイプを持つデンチュラだ。
「電気タイプ相手は辛いけど、まあ何とかなるかな。スワンナ、雨乞い」
スワンナは両翼を広げ、天に乞うような鳴き声をあげる。するとほどなくして雨が降り始め、その雨は次第に豪雨へと変化する。
「天候を変えてスワンナに有利な状況を作り出すって腹なんでしょうけど、生憎雨天で力が増すのはこっちも同じですよ。デンチュラ、雷!」
デンチュラは雨降る空に電撃を送り、刹那、スワンナへと落ちる雷撃を放つ。
雷は天候によって命中率が変わる技。雨天時には、その命中率は十割。即ちほぼ必中となるのだ。しかし
「スワンナ、守る!」
スワンナは薄い緑色で球状の結界を自分の周囲に展開し、デンチュラの放った稲妻を完全に防御する。
「一年前、それで負けちゃったからね。対策くらいはするよ」
フウロは得意げに言う。
そして、次の指示。
「暴風!」
スワンナは大きく翼を羽ばたかせ、名の通り猛烈な暴風を発生させる。
暴風はまっすぐにデンチュラに向かうような事はなく、デンチュラの周囲を取り囲むように、そして実際、デンチュラを取り囲んだ。
暴風の壁、の完成である。
「……僕は全然対策できてないですね。また引っ掛かった」
「無理もないよ。この技は雨天時だと、そう簡単に抜け出せるものでも回避できるものでもない。さあスワンナ、もう一度暴風!」
スワンナは再度翼を羽ばたかせ、今度はデンチュラを攻撃するための暴風を放つ。
「かわしてシグナルビーム!」
デンチュラはその暴風を後ろに跳んで回避し、カラフルな光線を発射する。
しかし光線は暴風の壁に阻まれてしまう。そもそもスワンナの姿が見えないため、突っ切れても当たる可能性はほぼ皆無だ。
「さて、どうやってこの壁を取っ払うか……」
イリスは思考するが、フウロはそんな時間をくれたりはしない。
「破壊光線!」
暴風の外から、極太の光線が発射される。デンチュラは横に移動して辛うじてその光線をかわしたが、地面は大きく抉れている。
「破壊光線は攻撃後に反動がある技、しかし……」
そう、反動でスワンナは動けない。しかしデンチュラは攻撃できない。正確には攻撃できないわけではないが、攻撃しても無意味なのだ。
「君のデンチュラがどんな攻撃を繰り出そうとも、その攻撃は全て、この暴風の壁が防いでくれる。そもそも、相手の姿が見えなくちゃ、攻撃のしようがないしね」
だったらスワンナはどうやって攻撃しているんだという疑問が浮かばないでもないが、そこは飛行タイプ使いのフウロだ。どうにかしているのだろう。
「さて、じゃあどんどん行くよスワンナ、暴風!」
スワンナは暴風の外側から暴風を放つ。暴風はデンチュラの方へと向かってはいたが、かなり攻撃範囲が広い。デンチュラはその風を避けきれず、喰らってしまう。
「破壊光線!」
そしてすぐさま、極太の光線が発射され、デンチュラを追撃する。
「デンチュラ!」
デンチュラは吹っ飛ばされたが、まだ戦闘不能ではない。
「くぅ、デンチュラ、雷だ!」
デンチュラは空に電撃を送って稲妻を落とすが、どこかで暴風に阻まれたのか、落ちてくる気配がない。
「だったら方向付けてやるしかない……もう一度雷!」
デンチュラは今度は暴風の壁に向かって雷を放つ。
しかし暴風の壁は思った以上に頑丈で、崩れる気配も壊れる気配もない。
「エナジーボールだ!」
試しに違う技で攻撃してみるが、ダメだ。全く歯が立たない。
「スワンナ、暴風!」
そこにスワンナの暴風が放たれる。フウロは短期決戦ではなくじわじわと体力を減らす作戦か、その風は広範囲に放たれ、デンチュラは避けられずに吹っ飛ぶ。
「こちらの攻撃は通じない。その障害となる壁は、崩せない」
イリスは現状を呟く。そうやって、問題をはっきりさせる。
「今のデンチュラじゃ、攻撃力不足。不足してるなら……増強すればいい!」
イリスは意を決し、デンチュラに指示を出す。
「デンチュラ、帯電!」
デンチュラが行った事は、別段驚く行為ではなかった。
その体に電気を帯びさせている。つまり帯電している。
「帯電は自分の攻撃と特攻を上げる技……一気にこの壁を突き崩すって作戦かな。そんなのは無駄だと思うけど、念のため速めに決めよう。スワンナ、暴風!」
スワンナは壁の外側から激しい暴風を放ってデンチュラを攻撃するが、デンチュラは吹っ飛ばされないように踏ん張って、帯電し続ける。
「むぅ……だったら大技で決めるよ、破壊光線!」
今度は、極太の光線が発射される。
しかしその光線が発射されるより前にデンチュラの帯電は終わっており、デンチュラは次の行動に移っていた。
「デンチュラ、雷だ!」
デンチュラは暴風の壁を一枚隔てた向こうにいるスワンナに向けて、雷を放つ。
勿論雷は暴風の壁に阻まれるが、今は帯電で特攻がマックスまで増強されている。突き破れないほどでもない。
そしてスワンナの放った破壊光線も貫き、最後にスワンナも貫く。
「スワンナ!」
電気技はスワンナには効果が四倍。それに特攻も最大まで上昇されているので、耐え切れずスワンナは地面に落ちた。
「……なんで、スワンナの場所が分かったの?」
フウロはスワンナをボールに戻しつつ、イリスに尋ねる。
「スワンナの特性は鋭い眼らしいですけど、デンチュラの特性は複眼なんですよ」
イリスは真面目に答える気があるのかないのか、そんな事を言った。
「まあ要するに、ほとんど勘ですね。一応、スワンナが攻撃するならこの辺だろうという推測を立てはしましたけど、ほとんど勘です」
イリスははっきりとそうのたまう。
それを聞いてフウロは呆れたのか何なのか、溜息を吐く。
なにはともあれ、イリスとフウロの再戦バトルは、イリスの勝利に終わった。
ううむ、やはりスランプなのだろうか……最近どうにも執筆意欲が湧かないし、小説の出来もいまいちな気がする……。これは僕にとっては正に死活問題ですな。どうやって解決したものか……。病み上がりなのもありますが、そういう事情もあり、最近更新が停滞気味の白黒です。ああ、あとがきもすらすら書けなくなってきている、本格的にやばいかもしれないな、これ。まあともかく、次回はセッカジム再戦です。お楽しみに。