二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 386章 諸悪 ( No.500 )
- 日時: 2011/12/10 13:42
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
「マカドゥス、ダイヤブラスト! アルデッパ、パワーウィップ!」
マカドゥスは宝石のように輝く光線を発射し、アルデッパは触手を伸長させて振り回す。
「ユニサス!」
ユニサスは光線、触手の直撃を喰らってしまい、遂に倒れた。
”大丈夫ですか?”
「大丈夫、とは返せないかな。……思った以上に強い」
”ええ、そのようです。私もここまで苦戦するとは……腕が落ちましたか”
キリハはひとまずユニサスをボールに戻し、次のボールを構えた。
「はっ、無駄だぜ。救世主なんて大仰な奴が出てきた時にゃぁちっと身構えたが、思ったほどでもねぇ。このままサクッと落とさせて貰うぜ」
マカドゥスとアルデッパは、それぞれ臨戦態勢に入る。
だがこの時誰も、本当にキリハのボールが無駄になるとは思ってもいなかった。
”切り離せ、神秘の刃!”
洞窟の奥から、白く光る神秘的な刃が飛来し、マカドゥスを切り裂いた。
「っ!? 今度は何だ!?」
フォレスは振り返る。そこには洞窟の闇があるだけだったが、次第にその姿を露にしていき——
「! こりゃぁやべぇかもな……」
最初に姿を現したのは、ケルディオ。次にミキとフィニクス。そして最後に、下り階段をコバルオンが駆け降りてきた。
”ビリジオン、無事か”
”助太刀に参りました、ジオン師匠”
コバルオンとケルディオが、まずビリジオンに駆け寄る。ジオンとは、ビリジオンのことだろう。
”ケルディオ……あなたも無事でしたか”
感動の再開もつかの間、三体の救世主とミキ、キリハはフォレスに向き直るが——
「逃げるぞ、コクジャク!」
フォレスは手早くマカドゥスとアルデッパをボールに戻し、コクジャクを出す。そしてその足に掴まり、洞窟の出口へと逃走する。戦力差で対処しきれないと判断したのだろう。
「やっぱ逃げるのか……フィニクス、追うよ!」
ミキはフィニクスに掴まったまま、フォレスを追う。その後に、ケルディオ、コバルオンにビリジオンも続く。
「って、僕だけ置いてけぼり!?」
勿論キリハも、その後を追った。
「! シャンデラ!」
”ぐぁっ!”
シャンデラとテラキオンが吹っ飛ばされる。二体を吹っ飛ばしたポケモン二体は砂煙で姿が見えないが、やがて視認できるようになる。
「ふふ、やはり救世主というのも、名前負けですね。ゲーチス様には、不確定要素ではあるが、脅威になりうる可能性は低い、と伝えておきましょう」
最初に姿を現したのは、エレクトロ。続いてドルマイン、ハッサムだ。
「くぅ、シャンデラ、シャドーボム!」
「ドルマイン、磁力線です」
シャンデラは影の爆弾を放つが、ドルマインのが発した強力な磁力の波がその爆弾を相殺する。
「ハッサム、メタルクロー」
そしてその隙に、ハッサムは鋼鉄のハサミによる一撃をシャンデラに、二撃目をテラキオンに叩き込む。
この状況からも分かる通り、リオとテラキオンは苦戦していた。理由は、お互いだ。
リオのシャンデラは強力だ。テラキオンもそれに負けず劣らず強力だ。しかし強力な攻撃とは、味方をも巻き込む。ただでさえこの洞窟はせまいというのに、攻撃範囲の広い技を使えば味方にまで被害が及ぶのは当然。だから二体とも全力が出し切れず、苦戦しているのだ。
ただこの問題は、テラキオンが場を離れれば済むことなのだが、それが分かっているエレクトロは、テラキオンを逃がさないよう、通路を塞ぎながら戦っている。
「ドルマイン、雷! ハッサム、襲撃!」
ドルマインは激しい落雷をシャンデラに落とし、ハッサムは素早くテラキオンの背後に移動して襲撃をかける。
まだ戦闘不能でこそないが、シャンデラもテラキオンは結構消耗している。この二体が苦戦している理由は、単に相性が悪いだけなのだ。この二体だからこそ、相性が悪い。
つまり今の状況は、第三者が介入すれば、解決の見込みがあるという事。
”押し流せ、加圧の水流!”
どこからか、大量の水が噴射される。その水はまずハッサムにぶち当たり、そのままドルマインごと押し流す。
「ドルマイン! ハッサム!」
二体とも戦闘不能でこそないが、不意を突かれかなりのダメージを受けた。
「くっ、何者です!」
エレクトロが叫ぶと、それらは姿を現した。
”む、御主は……ケルディオ!”
”ラキオ師匠、助けに参りました!”
現れたのはケルディオ。そしてそのすぐ後に、コバルオンとビリジオン、ミキとキリハが続く。
だが続いたのは味方ばかりではなかった。
「申し訳ありません、エレクトロ様。奴を取り逃がしました」
「やべぇぜエレクトロ。この状況、もうほとんど詰んでやがる」
出て来たのはソンブラとフォレス。しかしどちらも現状況に焦っているようだった。
「作戦は失敗ですか……ならば即刻逃げたいところですが……」
そこはフォレスの言う通り、ほとんど詰んでいる。
エレクトロは手持ち戦力を半分以上失っているし、それはフォレスも同じ。ソンブラが一番被害が少ないが、それでも相手は救世主が勢ぞろいに、PDOトップ3のうち二人。さらに英雄の弟子ときた。
流石にエレクトロでも、この状況を打破するのは難しい。
「こんな時に、フレイかアシドがいてくれれば、良かったんですけれどね……!」
しかしフレイは自爆で退場、アシドはどこにいるかも分からない状況だ。期待するだけ無駄だろう。
しかし、予想を絶する助けは、来たのであった。
「どうやら苦戦しているようですね、エレクトロ」
それは不吉な目玉も洋画描かれたマントを羽織り、薄い緑色の髪の男。
その姿は、この場にいる救世主以外の誰もが知っている。その巨悪と諸悪の根源は
「ゲーチス……!」
プラズマ団の実質的な統率者、ゲーチスだった。
さて、今は時間がないので早めにあとがきを終わらせます。今回はケルディオ達が師匠達を助けに回りました。そしてやっとこそさ、まともにゲーチスが登場です。では次回はゲーチスと何かあるやもしれません。次回もお楽しみに。