二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 390章 本調子 ( No.513 )
- 日時: 2012/06/10 22:33
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: QpE/G9Cv)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
「『それは人の形を成した土塊の人形、空飛ぶ巨人として崇められたまえ』……ゴルーグ!」
シキミの四番目のポケモンは、ゴーレムポケモンのゴルーグ。とにかく大きな巨体を持つポケモンだ。
「だったら僕はこのポケモンです。出て来い、フローゼル!」
イリスが繰り出すのは、水タイプのフローゼル。地面・ゴーストタイプのゴルーグとは相性が良い。
「行くぞ。スターフリーズ!」
フローゼルは頭上に巨大な星形の氷塊を作り出し、ゴルーグへと放つ。
「ゴルーグ、アームハンマーです!」
しかし、ゴルーグの拳による鉄槌で氷塊は砕け散る。どうやらこのゴルーグ、見た目に違わずパワータイプのポケモンのようだ。
「だったら手数で攻めるのみ! フローゼル、アクアテール!」
フローゼルはゴルーグの元へと急接近し、水を纏った尻尾をその巨体に叩きつける。
いくら大きくても、地面タイプを持つゴルーグには水タイプの技は効果抜群。ゴルーグは少し後ろに後退した。
「どんどん行くよ、氷の牙!」
さらにフローゼルは氷結した牙を伸ばし、ゴルーグの両足に突き刺す。すると、突き刺した箇所を中心に氷が広がっていき、ゴルーグの動きを封じた。
「しまった……ゴルーグ、抜け出してください! ジャイロボール!」
ゴルーグは両手を横へと水平に伸ばし、手首と足首の辺りからエネルギーを放出。そしてその状態で、回転を試みる。
だが、氷はがっちりとゴルーグの両足を捕えている。少しずつヒビが入っているものの、完全に砕くにはもう少し時間がかかるだろう。
「フローゼル、今がチャンスだ。アクアテール!」
そしてそんな隙を見逃すイリスとフローゼルでもなく、ゴルーグはアクアテールをその身に何度も打ち付けられながらも、氷から抜け出そうとしている。
「これは行けるか……フローゼル、スターフリーズ!」
脱出に専念している今が好機と見たのか、イリスはスターフリーズを指示し、フローゼルも巨大な星形の氷塊をゴルーグへと飛ばす。
「ゴルーグ、早く脱出してください! ジャイロボール!」
ゴルーグはさらに回転の力を強め、氷を割り砕いていく。
氷塊がゴルーグに当たる直前、ゴルーグは遂に氷から抜け出せ、その回転力のまま氷塊を粉砕した。
「! フローゼル、もう一度スターフリーズ!」
「何度来ても同じですよ。ゴルーグ、ジャイロボール!」
フローゼルが放つ氷塊を、ゴルーグは回転しながら粉砕。そしてそのままフローゼルへと特攻をかける。
「あの大きさじゃ避けるのは厳しいか……フローゼル、氷の牙!」
イリスはジャイロボールを避けられないと判断し、フローゼルも氷の牙を伸ばしてゴルーグを食い止めようとする。が、しかし、フローゼルの牙はジャイロボールに削られ、折れてしまった。
フローゼルはそのまま、ジャイロボールの直撃を受け、吹っ飛ばされる。
「追撃です、シャドーパンチ!」
さらにゴルーグは影を纏った拳をロケットパンチのように飛ばし、フローゼルに追い打ちをかける。直接的な攻撃ではなくても、ゴルーグの攻撃力は相当なものだ。フローゼルのダメージを大きいだろう。
「くっ、後一撃でも喰らったらやられるな……! フローゼル、ここは接近戦で行くぞ。アクアテール!」
「させませんよ。ゴルーグ、地震です!」
フローゼルは地面を蹴り、二又の尻尾に水を纏ってゴルーグに突っ込むが、ゴルーグは地面を激しく揺らしてそれを阻止する。
「もう一度、地震!」
さらに第二波。一度目の地震で完全に動きを止められてしまったフローゼルは、次なる波を避けきれず、吹き飛ばされる。
「フローゼル!」
吹き飛ばされ、地面に叩きつけられたフローゼルを見ると、完全に目を回している。戦闘不能だ。
「戻れ、フローゼル。よくやった」
イリスはフローゼルをボールに戻す。
シキミのゴルーグは、今までのポケモンとは一味違う強さを持っている。ヌケニンはともかく、ロップルもゲンガーも、攻撃的ではあったがその攻撃にも癖があった。
しかし、このゴルーグは違う。自身の堅さと攻撃力を生かし、敵をねじ伏せる単純なパワータイプ。
だったら、こっちは素早いポケモンでかき乱す。フローゼル以上にすべての領域を自由自在に駆け回るポケモンで、ゴルーグを翻弄する。
「さあ行くぞ。出て来い、リーテイル!」
イリスの四番手は、草・飛行タイプのリーテイル。地震が効かないこともそうだが、何よりフローゼルよりも動ける範囲が広い。フローゼルは基本的に地上での動きに優れるが、リーテイルは空中での動きにも優れている。
「リーテイル、まずはエアスラッシュ!」
リーテイルはフィールド内を滑空するように飛び回り、ゴルーグを四方八方から空気の刃で切り刻む。
しかし、ゴルーグは特に反応せず、その刃を受けていた。
「余裕っていうのか……だったらこれだ。リーフブレード!」
リーテイルは滑空するスピードのままゴルーグに急接近し、尻尾の刃でその巨躯を切り裂く。効果は抜群なので、それなりに効いているはずだが、
「ゴルーグ、アームハンマー!」
ゴルーグは拳を固め、リーテイルに鉄槌を下す。リーテイルは拳の直撃を受けてしまい、あえなく地面へと叩き落される。
「っ、リーテイル!」
効果いまひとつなのが幸いしたのか、リーテイルはまだ戦えるようだが、一撃でもかなりの威力だった。
「さあて、そろそろゴルーグも本調子が出て来たようですね。では、本腰を入れていきますよ」
と、シキミは言う。
その直後、ゴルーグは両手と下半身をエネルギーに変換させ、その推進力で空中へと飛び立った。
「飛んだ……!」
そう、ゴルーグは飛んでいるのだ。つまりそれは、空中からの攻撃ならゴルーグも簡単には対処できないだろうというイリスの算段を崩したことになる。
「では、行きますよゴルーグ!」
シキミが叫ぶと同時に、ゴルーグはその推進力を全開にし、リーテイルへと突っ込んでいく。
さて、今回は微妙なとこで終わりましたね。たぶんシキミ戦はあと二回くらいで終わると思います。というか、早く終わらせないとあとに三人も控えているんですよね。というわけで、ゴルーグが飛びました。どういうわけだかわかりませんが。では、次回もシキミ戦です。お楽しみに。