二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 438章 竜脚類 ( No.609 )
- 日時: 2013/01/05 22:03
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: 0aJKRWW2)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
「それでは参りましょう。トロピウス、ドラゴンダイブです!」
トロピウスは一度大きく羽ばたいて空高く飛ぶと、ドラドーン目掛けて凄まじい勢いで突貫する。
「迎え撃って! 凍える風!」
対するドラドーンも凍える風を吹き出してトロピウスを攻撃するが、四倍の弱点を突かれているにも関わらず、トロピウスはそのまま前進。ドラドーンに激突した。
「リーフブレード!」
さらにヤシの葉状の翼を振るってドラドーンの巨体を切り裂く。効果はいまひとつだが、トロピウスの攻撃力が高い。
「炎の牙!」
「かわしなさい」
ドラドーンの炎の牙も、トロピウスは高度を上げて回避。
「ハイドロポンプです!」
そして口から大量の水を噴射し、ドラドーンを攻撃。リーフブレードと同じく、効果はいまひとつにもかかわらずダメージが大きい。
「攻撃の手を緩めてはいけませんよ、トロピウス。ドラゴンダイブ!」
トロピウスは再びドラドーン目掛けて急降下。体当たりをするように巨体に激突した。
「ドラドーン、炎の牙よ!」
「かわしてリーフブレードです!」
ドラドーンも反撃にと炎を灯した牙を剥くが、トロピウスは左右に体を動かしてドラドーンを翻弄し、その際に幾度と切り裂く。
ポケモン——というより、生物は基本的に体が大きいほど強い。
環境に適応するためなどの理由で小柄ながらも強力なポケモンは数いれど、やはり自然界に生きる限り、体が大きいほど強いという事実が存在する。
しかしこれがポケモンバトル、つまり競技のような立ち位置にくると、話は変わってくる。勿論、体が大きければ筋肉がそれだけ多くついたりするわけで、身体能力が高くなる。しかし体が大きすぎると、今度は小回りが利かなくなる。エレクトロのトロピウスも、通常個体と比べれば相当大柄だが、ドラドーンと比べればその大きさは半分以下。
しかし現状、トロピウスが押している。それはドラドーンが大きすぎて、トロピウスを捉えきれないからだ。
言うなれば、ドラドーンは長距離走に特化した性能。体が大きい故に体力も多く、長くそのステータスを保っていられる。
逆にトロピウスは短距離走——とはいかずとも、中距離走くらいの性能だろう。ドラドーンほど長く戦えるわけではないが、一瞬一瞬に全力を注ぎこみ、テンポとリズムで攻め立てる。
そのような戦い方をしているからこそ、ドラドーンは押されている。
「トロピウス、ハリケーンです!」
結局ドラドーンの炎の牙はトロピウスを捉える事が出来ず、一旦距離を取ったトロピウスの突風が襲い掛かる。
「くぅ……ここは一度、トロピウスの素早さを下げるべきね。ドラドーン、凍える風!」
とにかく厄介なのは、ちょろちょろと動き回るトロピウスのスピードだ。そのスピードを落とすべく、ドラドーンは吹雪のような威力の凍える風を放つ。
が、しかし、
「トロピウス、ハイドロポンプです。途中で区切りなさい」
エレクトロが最後に奇妙な指示を追加するも、トロピウスは多量の水流を勢いよく噴射し、最後まで出し切らずに途中で区切った。そしてすぐに上昇し、凍える風を回避。
すると水流は一つの水の塊のようになって凍える風の中に入り、そして出て来るころには、ガチガチに固まった氷塊と化していた。
「! ドラドーン!」
ドラドーンは氷塊の直撃を受けて少しグラつく。
今の氷塊は、区切って撃ったハイドロポンプだろう。最後まで続けて撃つと自分まで凍える風の被害を受けるため、途中で区切ることでそれを回避し、なおかつ氷塊としてドラドーンにぶつけた。
相手の技でさえ利用するエレクトロ。バトルのセンスで言えば、7Pでもトップクラスに位置するだろう。
「さあ、まだバトルは終わっていません。トロピウス、ドラゴンダイブです!」
トロピウスはさらに高度を上げ、一気にドラドーン目掛けて急降下する。
「ドラドーン! 一気に上昇して!」
ドラドーンもトロピウスに向かって行くようにして高度を上げるが、当然トロピウスと激突するわけではない。ぐんぐん上昇し、トロピウスはスルー。そして視認が難しくなるくらい空高くまで来ると、
「ドラゴンプレス!」
さっきのトロピウス並み、いやそれ以上の凄まじい気迫と勢いで落下してくる。ドラドーンが巨体故に範囲も広いため、避けるのも難しい。かと言って防御するにしても、まともに受けられるような技ではない。
「トロピウス、ハリケーン!」
地上付近まで戻って来たトロピウスは、翼を羽ばたかせて災害レベルの突風を放つが、ドラドーンの落下が止まる気配はない。
「流石にあれだけの巨躯だと、止めるのは無理ですか。ならば迎え撃ちましょう。トロピウス、ドラゴンダイブです!」
迎え撃つにしても困難だろうが、トロピウスは龍の力をその身に纏い、激しい殺気を発しながら急上昇。ドラドーンへと向かっていく。
やがて双方が激突するが、落下の勢いも加わっているドラドーンの方が断然有利。トロピウスも少し押していたが、すぐに押し負けて弾き飛ばされてしまう。
「まあ、あのまま潰されているよりは遥かにマシでしょう。トロピウス、もう一度ドラゴンダイブ」
弾き飛ばされてドラドーンの上を取ったトロピウスは、再び龍の力を纏って急降下。ドラドーンの背中に突撃する。
「続いてリーフブレード!」
そしてそのまま両翼の葉っぱで飛行しながらドラドーンを切り裂いていく。
「ハイドロポンプです!」
頭まで切り裂き終えると、また高度を上げて高圧水流を噴射。ドラドーンの顔面に思い切り浴びせる。
「攻撃に移れない……! ドラドーン、ハリケーン!」
「トロピウス、こちらもハリケーンです!」
ドラドーンは上昇したトロピウスに向かって強烈な突風を吹き付け、トロピウスも同じように翼を羽ばたかせて突風を巻き起こす。
双方の風がぶつかり合うが、ドラドーンの方が風量、風速、勢い、どれを取っても上回っており、トロピウスをさらに空高く吹き飛ばした。
「でも、上に飛んだってことは、また……」
リオの予想は的中し、トロピウスは物凄い勢いで自由落下のように急降下してくる。
「どうやら貴女の予想通りのようですね。ドラゴンダイブです!」
「だったらこっちは……ハリケーン!」
突撃してくるトロピウスに、ドラドーンは再びハリケーンを放つ。
ぐんぐんとドラドーンに迫ってくるトロピウスだが、次第に勢いをなくしていき、ドラドーンに到達する一歩手前で完全に動きが止まってしまった。よってトロピウスはハリケーンに吹き飛ばされる。
「今がチャンスよドラドーン、凍える風!」
吹き飛ばされたトロピウスに向かって、ドラドーンは冷たく凍える風を放つが、
「それはあまり受けたいものではありませんね。トロピウス、ハリケーンで送り返しなさい」
トロピウスも翼を羽ばたかせて突風巻き起こし、逆に凍える風をドラドーンに吹きつける。
「ドラゴンダイブです!」
そしてすぐさま龍の力をその身に宿し、ドラドーンへと一気に急降下する。
「っ! ハリケーン!」
ドラドーンも高速で襲い掛かるトロピウスに向かって激しい突風を吹きつける。しかし、
「同じ手は通用しません。トロピウス、ハイドロポンプ!」
トロピウスは降下しながら大量の水を噴射する。突風が吹きつけている中でそんなことをすれば、勢いのある水流と言えど、突風にぶち当たれば四方八方に散らされてしまう。
だが、それこそがエレクトロの狙いであった。水は確かに散らされるが、突風と接している点では、完全に突風をシャットアウトしているのだ。
トロピウスはハイドロポンプを盾にしながらドラドーンに迫っていき、遂にその巨体へと到達。強烈な一撃を叩き込んだ。
「ドラドーン、態勢を立て直して! ハリケーン!」
「叶いませんね。リーフブレードです」
ドラドーンはトロピウスを引き剥がそうと猛烈な突風を巻き起こすが、トロピウスはそれを回避。翼の葉っぱでドラドーンを切り裂き、上空へと戻っていった。
「さて、これでフィニッシュです。トロピウス、ハリケーン!」
トロピウスは翼を大きく羽ばたかせて強大な突風を放ち、ドラドーンを地上へと押し飛ばした。
「ドラドーン!」
タイル敷きの道路をガリガリと削り、ドラドーンは地に落ちる。そして、戦闘不能となった。
今回もリオ対エレクトロです。今回はトロピウスがかなりの強さを見せつけました。ハッサムは言わずと知れた強力なポケモンですが、トロピウスは不遇とされるくらい微妙なステータスと複合タイプを持つポケモンだったりします。普通ならドラドーンの凍える風喰らえば一撃だと思うんですけどね……しかし白黒はトロピウスが好きだったりします。そのうち草・ドラゴンの複合タイプとかに進化しないですかね? まあそれはともかく、そろそろリオ対エレクトロのバトルも決着ですが、次回は違う人のバトルにしようかと思っています。さーて誰にしようかなー……それでは、次回もお楽しみに。