二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 479章 日照 ( No.698 )
- 日時: 2013/02/18 02:03
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: 0aJKRWW2)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
「先手は取られたか……戻って、メタゲラス」
イリスは絶対零度で戦闘不能となったメタゲラスをボールに戻す。先手は奪われてしまったものの、まだまだ挽回は可能だ。
「次は頼んだよ、エルレイド!」
イリスの二番手はエルレイドだ。オニゴーリはムラッ気で能力が上がっているものの、体力はもう残り僅かだろう。あと一撃二撃で倒せるはずだ。
「じゃあとりあえず、影討ち!」
エルレイドは影の中に潜り込み、オニゴーリの背後を取る。そして鋭い刃を振り下ろす——
「オニゴーリ、大爆発!」
——が、その直前にオニゴーリが光を発し、大爆発を起こした。
「っ! エルレイド!」
エルレイドは爆風で大きく吹っ飛ばされたが、ギリギリのところで大爆発の直撃を避けたようで、ダメージは思ったより少ない。
「よくやったぜ、オニゴーリ。ひとまず一体だ」
イリゼはオニゴーリをボールに戻す。そして、次の繰り出すのは、
「ぶちかませ! リーフィア!」
リーフィアだった。
「またか……!」
このリーフィアの厄介な所は、葉緑素で上昇した素早さと、剣の舞、そしてバトンタッチだ。素早いので攻撃は当たらず、その間に剣の舞で攻撃力を上げ、バトンタッチで引き継ぐ。戦い難い相手だ。
「エルレイド、アイスブレード!」
エルレイドは両肘の刃を氷結させ、リーフィアに斬りかかるが、
「かわして剣の舞!」
リーフィアはサッと残像が残るようなスピードで後ろに下がり、斬撃を回避。そして剣のように鋭く舞い、攻撃力を高める。
「だったらこれだ! 影討ち!」
エルレイドは影の中に潜り込み、リーフィアの背後を取る。後ろからの攻撃なら、リーフィアでも対応が遅れるだろうと読んだのだが、
「残念だったな。リーフィア、電光石火!」
リーフィアも高速で跳び上がり、そのまま落下。エルレイドに衝突する。
「こっちだって先制技はある。こういう時のためにな」
したり顔で言うイリゼだが、リーフィアがエルレイドから離れない。それを訝しく思い、覗き込むと、
「なっ……!」
エルレイドは両肘の刃で、リーフィアの前足をホールドし、動きを止めていた。
「……さて、とりあえずリーフィアは捕まえた。エルレイド、放り投げてアイスブレード!」
エルレイドは捉えたリーフィアは空中に放り投げた。空中ではいくらリーフィアでも動くことは出来ない。その隙に、エルレイドは凍てつく刃を振るうが、
「ちっ、バトンタッチ!」
リーフィアはボールに戻り、エルレイドの刃も空振りした。
「本当ならもう一回くらい舞う予定だったんだがな。ま、しゃーねーか。さて、そんじゃあこいつの出番だな。ぶちかませ! カンカーン!」
イリゼが繰り出したのは、先発で出て来たカンカーン。今の日照りの原因でもあるポケモンだ。
「バトンタッチされたか……でも、カンカーンの攻撃にさえ気を付けてれば、なんとかなるはずだ……」
剣の舞で上がるのは攻撃のみ。なのでこちらも攻撃を打ち込んでいれば、オニゴーリのように能力を変動されない限り普通に倒せるはず。
「エルレイド、まずはサイコバレットだ!」
エルレイドは念力を固めた銃弾を生成し、カンカーンへと乱射する。
「カンカーン、こっちもサイコバレット!」
カンカーンも同じく念力の弾丸を乱射し、エルレイドと激しく撃ち合う。
しかし決着はすぐに着いた。いくらエルレイドがタイプ一致で銃弾を発射しようと、カンカーンは剣の舞で攻撃力が二倍になっている。なので量も威力もカンカーンの方が上回り、エルレイドはいくつもの銃弾に貫かれた。
「フレアドライブ!」
さらにカンカーンは、激しい爆炎を纏って突撃してくる。晴れの恩恵も受け、その火力は尋常ないほど大きい。
「あれを受けるのは無理だな。エルレイド、影討ちでかわすんだ」
カンカーンのフレアドライブを真正面から受けても、押し負けるのは目に見えている。なのでエルレイドは影の中に潜り込み、背後からカンカーンを攻撃しようとするが、それも失敗した。
なぜなら、カンカーンの纏う炎が膨大過ぎるため、近づけないのだ。刃を振るうほどのリーチはすべて炎が支配している。
「近付けないか……だったらサイコバレット!」
エルレイドは再び念力の弾丸を連射してカンカーンを攻撃。今度はフレアドライブが終了した直後だったため、ダメージを与えることが出来た。
「マグナムパンチだ!」
そしてそのまま、大砲のような勢いで地を蹴り、拳を繰り出すが、
「甘ぇよ、ぶち壊す!」
カンカーンも同時に動いており、全てを破壊するかのような殺気を発しながらエルレイドとぶつかり合うが、呆気なくカンカーンがエルレイドを押し飛ばした。
「くっ、影討ち!」
吹っ飛ばされながらも影に入り込み、カンカーンの背後を取るエルレイド。そして刃を振るうが、
「後ろだ! ウッドハンマー!」
振り向き様に繰り出されたカンカーンの一撃をまともに受け、エルレイドはまたも吹っ飛ばされる。
「エルレイド! 大丈夫か?」
エルレイドは辛うじて立っているが、もう戦闘不能寸前だ。剣の舞で攻撃力が倍加しているカンカーン相手、防御の低いエルレイドではやはり少々荷が重かったようだ。
「休ませるな、カンカーン! ウッドハンマー!」
ヒレを握るように丸めて樹木の力を込め、カンカーンはエルレイドに殴り掛かる。
「エルレイド、マグナムパンチ!」
エルレイドも同時に拳を突き出すが、カンカーンの方が圧倒的に攻撃力が高い。すぐに押し負けてしまった。
「とどめだカンカーン! フレアドライブ!」
一度下がったカンカーンは、すぐに爆炎を纏ってエルレイドに突撃する。激しい熱気と火の粉がトレーナーのところまで来るほどの炎だ。まともに受ければひとたまりもないだろう。
「エルレイド、フレアドライブは絶対に喰らうな! 影討ち!」
エルレイドは影に潜り込み、突っ込んで来るカンカーンを素通りしてカンカーンの背後から出て来る。このまま攻撃しても炎で遮られるので、フレアドライブが止まるまで待とうとしたが、それがいけなかった。
「カンカーン、戻ってこい!」
カンカーンは突然、尻尾を地面に叩きつけた。するとその衝撃で地面が割れ、カンカーンは炎を纏ったまま後方へと戻ってくる。つまり、
「しまった——エルレイド!」
カンカーンはエルレイドに再び突撃してくる。
爆炎を纏った突撃を受けてエルレイドはなす術もなく吹っ飛ばされ、壁に激突。戦闘不能となった。
「う、くっ……よくやったよ。戻って、エルレイド」
イリスはエルレイドをボールに戻す。エルレイドはやられたが、同時にカンカーンの体力も削れたので、よしとする。
「戻れ、カンカーン」
だがイリゼも、カンカーンをボールに戻した。フレアドライブやウッドハンマーで削れたダメージを少しでも回復させるためだろう。
「ぶちかませ! リーフィア!」
そして交代で出て来たのは、やはりリーフィアだ。
「やっぱりこのリーフィアが厄介だ……となると」
リーフィアを一瞥し、イリスはボールを一つ手に取る。そして、そのボールを天井高く放り投げた。
「頼んだよ、ウォーグル!」
イリスの三番手はウォーグルだ。機動力ではリーフィアにも負けていおらず、弱点も突ける。
「ウォーグル、まずはビルドアップ!」
まずウォーグルは、筋肉を増強して能力を高める。すぐに決めないのは一撃に賭けているから、そしてリーフィアが剣の舞で攻撃力を上げ、そのまま押してくることも考えられるからだ。
「リーフィア、剣の舞!」
案の定、リーフィアは剣の舞を踊って攻撃力を倍加してきた。
「ビルドアップ!」
「剣の舞!」
続けてウォーグルはさらにビルドアップするが、リーフィアも同じように剣の舞を踊り続ける。
「流石にこれ以上はまずいか……? ウォーグル、ブレイブバード!」
攻め時と見たウォーグルは、炎のような膨大なエネルギーを身に纏い、超高速かつ凄まじい勢いでリーフィアへと特攻をかける。が、しかし、
「バトンタッチ」
リーフィアはボールに戻ってしまい、ブレイブバードは相手がいないため中断された。
「やっぱり戻るのか……!」
「ああ、やっぱり戻るんだぜ。それがリーフィアの役目だからな。さて、そんじゃあ次だ」
リーフィアと交代で、イリゼは新たなポケモンを繰り出す。強大で神秘的な力を持つポケモン。それは、
「ぶちかませ! カイリュー!」
イリゼ戦その三です。にしてもリーフィア強すぎません? 剣の舞をバトンで引き継いでるだけなのに、なんかかなりやばいことになってますよ? いやそれより、攻撃力が上げられたオニゴーリやカンカーンの猛攻を受け続けていたメタゲラスやエルレイドの方が凄いのかな? まあそれはともかく、イリゼの四体目のポケモンはカイリューです。最近、夢特性を手に入れて強化されたカイリューです。白黒はカイリュー自体はそこまで好きじゃないのですが、BW2を通じて神速が大好きになりましたもので、神速を使えるカイリューにも少なからず好意的になりました。いいですよね、神速。どういうわけか神速でウインディが大活躍しました。主にチャンピオン戦のオノノクスで。ともあれ、イリゼのカイリューがどのように戦うのかは、次回をお楽しみに。