二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 504章 快癒 ( No.747 )
- 日時: 2013/03/12 03:15
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: H6B.1Ttr)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
「戻れ、ロズレイド」
「っ?」
ルナトーンが瞑想を始めた直後、ロキはロズレイドをボールに戻した。
「……よいのですか? 折角バトンタッチで溶けるを受け継いだというのに」
「構わないさ。それに、君の手持ちにはもう物理技を使うポケモンはいないだろう? まあ、イリゼの知らないポケモンがいるなら、話は別だけどね」
言ってロキは、ポケモンを交代させる。
「それじゃあ、もう一度お願いするよ。マイプリンセス、シャワーズ」
出て来たのはシャワーズ。水タイプなので、岩タイプのルナトーンとタイプの相性は良いが、砂嵐と瞑想があるので、そこまで大きなダメージは期待できない。
「ルナトーン、ダイヤブラスト!」
「シャワーズ、かわしてハイドロポンプ」
ルナトーンは白色の爆風を放つが、シャワーズに軽くかわされてしまい、逆に大量の水流の直撃を受ける。
「サイコバーン!」
「溶ける」
シャワーズは念力の衝撃波を、液状化してやり過ごす。そして、
「ハイドロポンプだ」
すぐさま元の姿に戻ると、大量の水を噴射。ルナトーンを直撃する。
「やはり素早いですね……だったら動きを止めましょう。ルナトーン、催眠術」
「その手は喰わないよ。かわしてハイドロポンプだ」
ルナトーンがシャワーズをジッと見つめるが、シャワーズはそれを無視して跳躍。上空から大量の水をぶつける。
「もう一度、ハイドロポンプ」
さらに着地して背後からハイドロポンプ。いくら砂嵐と瞑想があっても、ダメージの蓄積量は馬鹿にならないだろう。
「さっきからハイドロポンプばかり……もしや、攻撃技はそれだけですか?」
「さあ? どうだろうね。シャワーズ、ハイドロポンプ」
「サイコバーンです!」
シャワーズが噴射する水流を、ルナトーンは衝撃波で相殺。
「瞑想」
そして今度は攻撃せず、精神を研ぎ澄まし、特攻と特防を高める。一気に畳み掛けるつもりなのだろう。
「だったら今のうちに攻撃だ、シャワーズ。ハイドロポンプ」
ルナトーンが瞑想している中、シャワーズはハイドロポンプを発射。ルナトーンを攻撃する。
しかしルナトーンは目を閉じ、ピクリとも動かない。それをいいことにシャワーズは攻撃を続けるも、ルナートンはジッと耐え忍ぶ。
そして、時が来た。
「ルナトーン、ダイヤブラスト!」
ルナトーンはカッと目を見開くと、宝石のように煌めく爆風を放つ。
瞑想によって最大限まで高められた特攻から放たれるダイヤブラストの威力は凄まじく、床のタイルを剥がし、周囲の本棚を薙ぎ倒しながらシャワーズへと迫る。
「……溶ける」
シャワーズは自身を液状化して爆風をやり過ごそうとしたが、そは敵わず、液体のままシャワーズは吹っ飛ばされた。
「うーん、溶けるじゃ無理か……なら、ハイドロポンプだ」
吹っ飛ばされながらも、壁に足を着けて態勢を立て直し、シャワーズは大量の水を噴射。ルナトーンを攻撃するが、ダメージは少ない。
「瞑想で最大まで上がったのは特防も同じです。加えて今は砂嵐状態。水タイプの大技と言えど、特殊技ではルナトーンに大きなダメージを与えることは叶いませんよ。サイコバーン!」
今度は念力の衝撃波を放つ。この衝撃波も、地面を抉りながらシャワーズへと襲い掛かるが、
「バトンタッチ」
次の瞬間、シャワーズはボールに戻った。
それにより、衝撃波もシャワーズを捉えず、壁を破壊するだけに終わった。
「溶けるじゃ無理だったけど、流石にバトンタッチに干渉して攻撃することはできないよね」
そして、ロキはポケモンを交代する。
「再び戦地へ、マイヴァルキリー、ロズレイド」
出て来たのはロズレイド。草技でルナトーンの弱点を突けるが、逆にルナトーンもエスパー技でロズレイドの弱点を突ける。しかし特殊能力値最大で砂嵐の恩恵も受けているルナトーンの方が、圧倒的に有利。
それに、そもそもロズレイドはルナトーンによって眠り状態にされている。最初からまともに戦えはしない——はずだった。
今のロズレイドは、普通に地面に直立している。眠気を全く感じない凛々しい佇まいだ。
「自然回復ですか」
「まあね。ボクだってただ交代させたわけじゃないのさ」
自然回復とは、ロズレイドの持つ特性で、交代させると状態異状を回復させる効果がある。
「……まあしかし、眠りから覚めたところで、私の有利に変わりはない。ルナトーン、サイコバーン!」
「ロズレイド、かわして危険な毒素」
ルナトーンが放つ衝撃波を、ロズレイドは大きく跳躍して回避。そして両手から、猛毒の有害物質を発射してルナトーンへとぶつける。
「くっ、また猛毒状態……!」
「こうでもしないと勝てそうにないからね。続いてウェザーボールだ」
ロズレイドは砂嵐の力を一点に集めて球体を生成し、ルナトーンへと発射した。
「ダイヤブラスト!」
球体を受け、すぐさまルナトーンは爆風を放つ。直撃こそしなかったが、ロズレイドは風圧で吹っ飛ばされ、壁に叩き付けられた。
「サイコバーンです!」
「ロズレイド、かわして神通力」
間髪入れずに念力の衝撃波を放つルナトーンだったが、ロズレイドはすぐに回避行動に移り、衝撃波を回避。そして神々しい念動力で砕け散った材木や鋭い木端を操り、ルナトーンへとぶつける。
「どうだい? こういう間接的な物理攻撃なら、少しは効くんじゃないかな?」
と言ってみるが、所詮は木屑同然の残骸だ。言うほどルナトーンにダメージはない。
「ロズレイド、リーフストーム」
ロズレイドはここで葉っぱを渦巻かせ、巨大な嵐を生み出す。嵐はどんどん肥大化し、ルナトーンを飲み込む。そしてルナトーンを絶え間なく切り刻んでいく。
「…………」
やがて、嵐が収まる。効果抜群の大技を喰らったルナトーンだが、砂嵐と瞑想のお陰で、ダメージはかなり抑えられた。それなりのダメージこそ受けたが、戦闘不能には至らない。
「流石にもう種切れでしょう。攻めますよ、ルナトーン。サイコバーン!」
ルナトーンは念力によって生み出された衝撃波を放つ。しかも今度のは広範囲に放たれ、回避する隙がない。
そのためロズレイドは回避できず、相殺も間に合わず、衝撃波の直撃を受けて吹っ飛ばされた。
「ここまでか……戻ってくれ、ロズレイド」
ロキはロズレイドをボールに戻し、すぐに次のボールを構えた。
「ここからが正念場か。ボクの読みが正しければ、このルナトーンさえ乗り切れれば……そういうわけで、頼んだよ、マイプリンセス、シャワーズ」
繰り出されるのは、やはりシャワーズだ。
「シャワーズ、ハイドロポンプ」
大きく息を吸い、シャワーズは大量の水を噴射。ルナトーンに直撃させる。
いくら能力を上げても、ルナトーンは今までに高火力かつ効果抜群の技を何度も喰らっている。そのため体力も残り僅か。ザンバとしても、早めにシャワーズを倒しておきたい。
「ルナトーン、ダイヤブラスト!」
ルナトーンは煌めく爆風を放つ。シャワーズはなんとかそれを避けようとしたが、範囲が広いため完全にはかわせず、吹っ飛ばされて壁に叩き付けられる。
「そこです、サイコバーン!」
そしてすぐさま、念力の衝撃波がシャワーズに襲い掛かる。一点に集中して放たれた衝撃波を受ければ、さしものシャワーズも戦闘不能は免れないだろうが、
「溶けるだ」
素早く体を液状化させ、シャワーズは衝撃波を回避する。ルナトーンは一撃で決めるためにパワーを集束させたのが仇となった形だ。
「そこだよ、ハイドロポンプ」
液状化したままルナトーンに接近したシャワーズは、至近距離からルナトーン目掛けて水流を噴射。ルナトーンを押し流す。
「しまった……ルナトーン!」
その一撃で、遂にルナトーンは戦闘不能となった。
ザンバはルナトーンをボールに戻し、次のボールを構える。
「まさか、ここまで追い詰められるとは正直思いもしませんでした。流石は前世代の理想の英雄といったところでしょうか」
「え? なんでボクが英雄だったことを君が知ってるの?」
ふと漏らしたザンバの言葉に、ロキは敏感に反応する。
「おっと……少し口が滑りましたか。まあいいです、今更なので教えてあげましょう。私の上司が突き止めたのですよ。あなたと、今の真実の英雄の父親が、前代の英雄だったことは、我々の中では周知の事実です」
言ってザンバは、構えたボールを放り、ポケモンを繰り出す。
第五節その四。シャワーズがハイドロポンプを連発してますが、どれだけ撃つつもりなんでしょうね。いつかのミカルゲ戦はなんだったんだと言わんばかりに連射してます。PPの概念が消えつつありますよ。それはともかく、ロキ対ザンバです。思えばザンバって、イリゼとロキの二人と戦ってるんですよね。そう思うとかなり凄い人ですね。ちなみにロキがロズレイドを繰り出す際にマイヴァルキリーと言っていますが、ヴァルキリーは戦乙女とかそんな感じの意味です。意訳すれば私の守護神、みたいな感じですかね。それでは次回、第五節が終わるか、もう少し続くか、という感じになると思います。次回もお楽しみに。