二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 33章 一枚岩 ( No.76 )
日時: 2011/08/03 20:27
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: GSdZuDdd)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

「くっそ、まずい事になったな……。相手がフローゼルじゃ、ダンカンス一体では分が悪い。かといって加勢もできない」
アシドはジバコイルから振り落とされないようにバラスを取りながらも呟く。
「鬱陶しいな……ジバコイル、トライアタック!」
「ドサーモン、龍の波動!」
アシドは今Nと交戦中。なのでダンカンスに指示を出す暇がない。
「ちっ、ダンカンス!僕は指示を出さないから、好きにやれ!」
アシドはバトルをダンカンスに丸投げし、Nとのバトルを再開。
「さて、ちゃっちゃと沈めて、あっちも沈めるぜ。ジバコイル、行くぞ!」



「……どうやら、NはNで戦ってくれてるっぽいね」
イリスはフローゼルの背に乗るようにして、戦闘態勢に入る。
「それじゃあこっちからいくよ。フローゼル、ファイターショック!」
フローゼルは拳を振り抜き、強烈な衝撃波を撃ち出す。
ダンカンスはそれを水に潜って回避する。ダイビングだ。
「フローゼル、水の流れから、ダンカンスの動きを読み取るんだ」
フローゼルは人命を救助するポケモン。水の流れから相手がどこにいるかを読み取るなど、造作もない。
「今だ!」
イリスがそう言った瞬間、フローゼルは水面から飛び上がる。そして真下から襲い掛かるダンカンスの頭突きの回避に成功。
「ツヴァイテール!」
フローゼルはそのまま真下のダンカンスに、硬化させた二又の尻尾を叩きつける。ツヴァイテールは本来、二回攻撃する技だが、フローゼルの場合は尾が二つあるので同時に攻撃が可能だ。
しかしダンカンスは怯まず、頭に思念を集めて強烈な頭突きをしてくる。
「フローゼル、氷の牙だ!」
しかしそこでフローゼルはあえて避けず、氷結した牙を伸ばしてダンカンスに突き刺す。
ダンカンスは氷の牙で押し戻され、再び水中へ。
「フローゼル、またダイビングだ。よく水の流れを見るんだ」
フローゼルは気持ちを落ち着かせて水の流れを凝視する。そして
「後だ、ファイターショック!」
フローゼルは振り向き様に拳を放ち、衝撃波を飛ばしてダンカンスを攻撃。効果抜群だが、やはりダンカンスは硬い。
ダンカンスはファイターショックを耐え切ると、古代の力を込めた息吹を放つ。
「原始の息吹か。フローゼル、かわしてファイターショックだ!」
フローゼルは原始の息吹をかわし、ダンカンスに接近。そして拳と衝撃波をダンカンスの体に直接叩き込み、吹っ飛ばす。
ダンカンスは吹っ飛ばされてもなお戦闘不能にはならず、体勢を立て直して力を溜める。そして物凄い勢いで、フローゼル目掛けて突撃してくる。
「ロケット頭突き……この一撃に賭けるのか。だったらこっちも行くぞ、フローゼル。アクアジェット!」
フローゼルはイリスを乗せたまま、激しい水流を纏ってダンカンスに突撃する。
両者は激突し、激しくせめぎ合う。だが、徐々に徐々に、フローゼルが押していく。そして
「行っけぇ!フローゼル!」
フローゼルはダンカンスを吹き飛ばした。
「うわっ!」
そして吹き飛ばされたダンカンスはアシドが乗るジバコイルに激突し、アシドは大きくバランスを崩し、海に落下する。
しかし

「アシド、見つけましたよ」

その時、巨大な飛行するポケモンがアシドを助ける。
「エレクトロ……」
何を隠そうアシドを助けたポケモンはトロピウス、そのトロピウスの持ち主はアシドと同じ7P(セヴンプラズマ)エレクトロだ。
「アシド、私は今からあなたを海へと突き落とします」
エレクトロはいきなりビックリ発言をする。
「前から言っているでしょう。あなたは仮にもプラズマ団。だったら、その証明となる物を身に付けなさい」
確かに、今までの7Pは皆、どこかしらにプラズマ団の紋章があった。今いるエレクトロは手袋、浜辺で戦っているガイアはコートの胸の部分。中にはヘアピンや団扇に付けている者もいた。
しかし、アシドはそういった物を付けていない。
「私はプラズマ団以外の者は敵と見なします。なので、プラズマ団の証明となる者を付けていないあなたは敵。すぐに付けなければ、海へと突き落とします」
エレクトロの言葉に、アシドは顔をしかめる。しかし渋々白衣のポケットから紐とプラズマ団の紋章が付いたプレートを取り出し、首に掛ける。
「これでいいんだろ?」
「はい。……それと、勝手な独断行動も以後、控えるように。今回はガイアまで連れ出して……何を考えてるかは知りませんが、帰ったらゲーチス様から処分が下るでしょう」
エレクトロはアシドの説教(?)を終えると、イリス達の方に向く。
「この度はアシドが失礼致しました……前にもこういう事ありましたね。今回の行動はアシドの独断行動、私達プラズマ団の総意では御座いません。アシドは度々独断で行動して、私達も困っているのです」
エレクトロの言葉を聞き、イリスはプラズマ団も一枚岩ではないのだと知る。
「それでは、私達はこれにて」
そう言い残し、エレクトロとアシドは去っていく。
何はともあれ、今回のプラズマ団の強襲も、なんとか乗り越える事ができたのである。



今回はイリスとフローゼルがダンカンスを倒しました。そして僕自身が考えた自作のオリ技も二つ登場、詳しくは>>30をご覧ください。ちなみにフローゼルが覚えた氷の牙ですが、凍りついた牙で相手に噛み付く技ではなく、氷結した牙を伸ばして突き刺す技です。これはフローゼル限定(とはまだ言い切れませんが)で、アニメPDでマキシが使っていたフローゼルの氷の牙です。では、次回はイリスのリベンジマッチ。誰とかは、ご存知のはずです。では、お楽しみに。