二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 525章 格技 ( No.776 )
日時: 2013/03/20 02:07
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: H6B.1Ttr)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

「メタグロス、出番だよー」
 フレイの二番手は、鉄足ポケモン、メタグロス。
 四本の足を持つロボットのような姿をしており、顔面にはX字型のプロテクター。青色の鋼鉄の体を持つポケモンだ。
「遅さで言えば、メタグロスもニートンとそんなに変わんないんだけどねー。でも硬さで言えば圧倒的にメタグロスが硬い。それにハンタマの弱点を突けるから、出すとしたらメタグロスしかないよねー」
「……でも、私のハンタマにはこの技があるんだよ。ブレイズキック!」
 ハンタマは地面を蹴って飛び出し、炎を灯した足でメタグロスを蹴りつけるが、
「っ、硬い……!」
 メタグロスは身じろき一つせず、ハンタマのブレイズキックを耐え切ってしまった。
「だーかーらー、言ったじゃんさー。あたしのメタグロスは硬いんだよー。ま、ストータスほどじゃーないけどねー。んじゃメタグロス、反撃のコメットパンチだー」
 メタグロスは足を一つ折り畳むと、流星の如き勢いで拳を突き出した。ハンタマは反射的に跳び退ってその攻撃をかわしたが、地面が盛大に抉れている。流石はメタグロスというべきか、攻撃力も半端ない。
「ハンタマ、シャドーパンチ!」
 ハンタマは遠くから影の拳を振り抜き、二発同時に飛ばした。シャドーパンチはまっすぐにメタグロスへと向かっていき、直撃するが、やはりダメージは少ないようだ。
「離れてちまちま攻撃する気かなー? そーいうのも場合によっちゃーありなんだろーけど、今の君たちは急いでるんじゃないかなー? それにあたし、バトルにしろゲームにしろ何にしろ、ちまちまプレイするのって嫌いなんだよねー。どかんと一発、大きいのをかましたい性質なんだー……サイコバレット!」
 メタグロスは念力を固めて銃弾を生成する……が、その作業が普通のポケモンよりも異様に遅い。だが銃弾の一発一発は大きく鋭い。そしてその数も、膨大だ。
「うちかたー……始めー」
 気の抜けたフレイの号令で、メタグロスは銃弾を乱射する。入念に固めた銃弾は弾幕となり、高速でハンタマに襲い掛かる。
「避けられるかな……ハンタマ、マッハパンチ!」
 ハンタマは拳を構えた状態で弾幕に突っ込み、襲い掛かる銃弾をかわしていく。
 とはいえ、全ての銃弾を完全に避けることは出来ない。何発かはハンタマを掠めていく。銃弾そのものが大きいので、それだけでダメージは結構ある。
 しかし下手に相殺しようとしなかったのが良かったのか、ハンタマは弾幕を最小限の被害で突き抜け、メタグロスの顔面に拳を叩き込んだ。
「ブレイズキック!」
 続けて足に炎を灯し、メタグロスの足を払うような回し蹴りを喰らわせる。
「ぶち壊す」
 だがメタグロスはまったく堪えておらず、すぐさま足を振り上げ、ハンタマ目掛けて振り下ろした。ハンタマは咄嗟に身を退いたのでノーダメージだが、鋼鉄の足が叩きつけられた地面は、大きく陥没していた。さっきのコメットパンチの比ではない。
「コメットパンチだよー」
「かわしてマッハパンチ!」
 メタグロスは続けてコメットパンチを繰り出すが、ハンタマは素早く動き回ってメタグロスの拳を避け、高速でメタグロスを殴りつける。
「シャドーパンチ!」
 続けて影を纏わせた拳も叩き込み、
「ブレイズキック!」
 炎を灯した足からの正面蹴りも喰らわせた。
 だが、強固なメタグロスはビクともしない。硬いのは最初から分かっていた事だが、それにしても硬すぎる気がする。
「メタグロス、コメットパンチだよー」
 メタグロスは反撃の拳を突き出すが、ハンタマは後ろに跳んでそれを回避。
「んじゃ、地震だー」
 メタグロスは続けて地揺れを引き起こし、地震を発生させるが、これもハンタマにはかわされる。
「サイコバレット」
 続けて念力の銃弾を連射。今度は念入りに銃弾を強化したりはせず、スピード重視でひたすら撃ちまくるだけだ。
「かわしてマッハパンチだよ!」
 だがそれでも、ハンタマを捉えられない。メタグロスの側面まで移動したハンタマは拳を突き出してメタグロスを殴りつける。
「うーん、どーもこーも泥試合って感じだなー。お互い耐久型ってわけでもないのにねー。メタグロス、地震だよー」
「ハンタマ、かわしてブレイズキック!」
 メタグロスが地震を発生させるも、ハンタマは跳躍してそれを回避。宙返りをしつつ、炎を灯した足でメタグロスの脳天に踵落としを叩き込む。
「マッハパンチ!」
 続けて体をばねのように跳ね上げ、もう一回転してから高速の拳をメタグロスに突き込んだ。
「次はシャドーパンチ!」
 ハンタマは一度メタグロスから離れ、影を纏った拳を連続で振り抜き、飛ばす。
「ブレイズキック!」
 そして地面を思い切り蹴り、飛び蹴りの要領で炎の足をメタグロスの顔面へと叩き込む。
 さらに直後、ハンタマの飛ばしたシャドーパンチがメタグロスに追い打ちをかける。
 怒涛の連続攻撃を叩き込んだハンタマ。だが、しかし、
「メタグロス、コメットパンチ」
 メタグロスは余裕の表情で拳を振りかざし、ハンタマへと迫る。
 攻撃自体は簡単に回避できるが、やはりこの硬さが厄介だ。いくら攻撃しても、全然体力が減らない。
(どうしよう、このままだとハンタマのスタミナが先に尽きちゃう……交代させてもいいけど、できれば最後のストータスのために、ポケモンは残しておきたいし……)
 ミキは現状をどう打開するかに頭を悩ませるが、そんなことなどお構いなしにメタグロスは攻撃を仕掛けてくる。
「ぶち壊すだよー」
 全ての足を折り畳んで浮かび上がり、凄まじい殺気を発しながらメタグロスはハンタマへと突っ込んでいく。
「っ、ハンタマ、かわしてブレイズキック!」
 跳躍してメタグロスの突撃をかわし、真上から流星蹴りのような鋭い一撃をメタグロスの脳天に叩き込む。
 その時、メタグロスに変化が起きた。
(っ? 効いた……?)
 ハンタマのブレイズキックがヒットした瞬間、メタグロスの体が揺れたように見えたのだ。一瞬だったので見間違いかもしれないが、確認するために試す価値はあるだろう。
「……ハンタマ、マッハパンチ!」
 ハンタマはメタグロスに急接近し、拳を突き込む。するとすぐに跳躍して、メタグロスの上を取った。
「ブイレイズキック!」
 そしてそのまま落下の勢いを乗せた炎の流星蹴りを、メタグロスの脳天に直撃させる。
 その一撃を受けて、今度は明らかにメタグロスがグラついた。顔も少し歪んでおり、ダメージが通っていることは確定的だ。
「効いてる……! ハンタマ、このまま攻めるよ! マッハパンチ!」
 ハンタマは高速で動き回り、メタグロスの死角を見つけては拳を突き込んでいく。一撃一撃は小さいが、どういうわけか、最初に比べればダメージが通っているように感じられる。
「うーん、ダメージ溜まってきたなー。耐久力も落ちてきたしー……ま、しゃーないかー。メタグロス、コメットパンチ」
 メタグロスは流星の如く拳を振るうが、ハンタマを捉えることはない。全ての攻撃は空振っている。
「シャドーパンチ!」
 次の瞬間、メタグロスの顔面にハンタマの影の拳を叩き込まれる。急所に当たったのか、メタグロスの顔は大きく歪み、ガクッと態勢も崩してしまった。
「今がチャンスだよ! ハンタマ、ブレイズキック!」
 その隙にハンタマは炎の足を振り上げ、袈裟懸けのような浴びせ蹴りをメタグロスに喰らわせる。
「シャドーパンチ!」
 そして滞空した状態のまま、影の拳を連続で飛ばし、一旦着地。
「マッハパンチ!」
 地面を蹴ってメタグロスの顔面に再び拳を突き込み、直後に襲い掛かる影の拳で追い打ちをかける。
 最初はあまり効果のなかったこの連続攻撃だが、今度のは効いている。大ダメージと言うほど大きくはないが、確実にメタグロスの体力を削っていると感触がある。
「あんまり近いとサイコバレットも撃てないしなー。メタグロス、ぶち壊す」
「ハンタマ、かわしてシャドーパンチ!」
 メタグロスの鉄鎚を潜り抜け、ハンタマは影の拳をメタグロスに突き込む。
「地震」
「マッハパンチ!」
 メタグロスは地面を踏み揺らして地震を起こすが、やはりハンタマには当たらず、脳天にマッハパンチがヒット。
「ブレイズキック!」
 続けて炎の踵落としも決められ、メタグロスの体力はガンガン削られていく。
「メタグロス、コメットパンチ」
「ハンタマ、マッハパンチ!」
 メタグロスの流星のような勢いで放たれる鉄鎚をかわし、ハンタマの超高速の拳がメタグロスの顔面を捉える。
「シャドーパンチ!」
 続いて影の拳も叩き込んでメタグロスの足が折れ、態勢も崩れた。
「そこ! ブレイズキック!」
 体制が崩れた時が、最も大きな攻撃を決めるチャンス。ハンタマは両足に炎を灯し、一発目は回し蹴り、二発目は宙返りからの踵落とし、三発目は着地してからのサマーソルトキックと、ブレイズキックの三連コンボを決めて、遂にメタグロスは崩れ落ちた。
 目を閉じて全く動かないところを見ると、戦闘不能になったのだろう。
「うーん、やられちゃったかー。ありがとね、メタグロス。戻っててー」
 フレイはメタグロスをボールに戻し、自身の傍らにコトリと置く。
「まさかハンタマ一匹に二体もやられちゃうとはねー」
 言いながらフレイは、次なるボールを手に取った。