二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 39章 落とし穴 ( No.82 )
- 日時: 2011/08/05 11:57
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
14番道路。
いくつもの滝が流れ落ちる川が東西に広がっている道路で、その無数の滝が群れを成しているところはまさに絶景である。
しかし流れ落ちる滝の水飛沫が霧となり、このどうろは霞掛かり靄で覆われていることが多い。そのため絶景を見ることは困難なのである。
そしてイリスとNは
『うわぁあああああああ!』
落とし穴に落ちていた。
「痛い……N、大丈夫……?」
「なんとかね……というか、こんな深い落とし穴、誰が作ったんだ?」
「ポケモンじゃないかな。随分と綺麗に掘られた穴だったし、それに……」
イリスとNは正面を見る。そこには、何かに掘られてできたような道がある。
「なんか道できてるし。たぶん、ポケモンの巣か何かだと思う」
「まあ、ここが誰の手で掘られたのかよりも、ここを脱するほうが先決だよね」
そう言ってNは今し方落ちてきた穴を見るが、上る事を諦めた。見ただけで入り組んでるのが分かるし、角度も垂直に近い。
「とりあえず、先に進もうか。もしかしたらどこかに行き着くかもしれない」
という事で、イリスとNは先へと進む事にした。
途中で道が分かれていたり、崖になっていて遠回りしたり、傾斜になっていて転んだりとしたが、イリスとNは見つけた。
出口ではなく、人を。
「レイカさん!?」
「イリスさん……何故ここに?」
そこはいわゆる地底湖という場所で、水は澄んでいてとても綺麗だ。
しかし、そんな事はイリスからすれば二の次だ。
「それはこっちの台詞……いや、そうでもなさそうですね。僕らは14番道路で落とし穴に落ちて、とりあえず出口を探すために歩いたいたんです」
イリスはとりあえず説明する。
「イリスさんもそうなんですか」
「も?」
「はい。私も14番道路に足を踏み入れたら落とし穴に落ちて、気付けばここにいました」
見れば、レイカの着ている白い(正確にはかなり淡く薄い水色)ワンピースは泥で汚れていた。イリス達の服もそうなので、レイカの言っている事は本当だろう。
「……とりあえずは、一緒に行動しましょう。この穴、深いだけじゃなく相当広く入り組んでます。たぶん固まって行動しないと、はぐれたら終わりです」
イリスの提案で、レイカはイリス達とともに行動する事となった。
しばらく歩いていると、どこかから爆発音が聞こえて来た。イリス達は他にも誰かいるのかと音のする方向に向かって走り出す。
「ヨマワル、シャドーボール!」
「ツチニン、シグナルビーム!」
「クチート、ラスターカノン!」
爆発音はポケモンによる戦闘のようで、戦っているのはプラズマ団三人と、一人のトレーナーと思しき少年だった。
プラズマ団三人に対して一人とは分が悪いと思われたが、実のところはそうではなかった。
「アメモース、エクスレイン!」
少年のポケモンは虫・飛行タイプを持つ目玉ポケモンのアメモース。巨大な触角に半円形の目玉模様があり、足があったと思われる部分は四枚の翅となっている。
そのアメモースは三体のポケモンの上を取り、真空の刃を無数に落としてそのポケモン達を切り刻む。
「強い……!」
イリスは思わず呟く。
プラズマ団は自分のポケモンがやられると、一目散に逃げ出した。
「向こうからけしかけてきたけど、大した事なかったな……。……ん?」
そこで少年はイリス達の存在に気付く。
「僕以外にも人がいたんだ……あ、僕はデインっていいます。よろしく」
デインは赤みがかった茶髪に碧眼で、大人しい感じの少年だった。
「僕はイリスです。あなたも、穴に落ちてここに?」
「うん、14番道路を歩いてたら、急に落とし穴に落ちて、気付いたらここにいたんだ。とりあえず先に進んでいたら、さっきの人達を発見して、絡まれて、って感じかな」
デインはここまでの経緯を教えてくれる。それでどうやら14番道路にはいくつも落とし穴があり、ここに繋がっているのだろうと推測する。
「だとすると、これは人工的なものかな……穴自体はポケモンが掘ったっぽいけど、それを指示したのは人間。つまり僕らがここに落ちたのも人為的な要因があるのか……?」
イリスがブツブツと呟きながら考えていると、突然この地下洞窟が揺れ始めた。
『!?』
そしてイリス達がいた場所の地面が隆起し、イリスとデイン、Nとレイカに分断してしまった。
「……これはもう、プラズマ団の仕業で決定だな」
イリスは結論を出した。分断とかされれば、流石に人的な事だと思ってしまうものだ。
「さて、だとするとプラズマ団が出入りしてる出入口がどこかにあるはず。とりあえず、それを探さないとな」
面倒な事になった、とイリスは思いつつ、歩き出す。
分断後、イリスは番号を交換しておいたレイカとライブキャスターで連絡し合い(ちなみにNは持っていない)出口を探しつつ合流、出口を見つけたら連絡を入れる、という事にした。
「さて、それじゃあ探しましょうか、デインさん」
「……こういうのは嫌なんだけどな……」
デインはいまいち乗り気ではなかった。
「あ……向こうの作戦も遂に決行、って感じですかね」
見れば、前方に幾人ものプラズマ団の下っ端が待ち構えている。
「とりあえず、あいつらを蹴散らさなきゃですね」
「そうだね。それじゃあやろうか、イリス君」
なんだかデインのテンションが上がっている。どうやらデインは、バトル好きらしい。
なにはともあえれ、プラズマ団作、地下洞窟迷宮、通称デプスラビリンスでの戦いが始まった。
今回はのーむさんのオリキャラ、デインが登場しました。のーむさん、キャラ崩壊などの不備があればお申し付けください。では、次回はデプスラビリンスでの戦いです。デプスラビリンスはDPの地下通路を想像していただければ結構です。では、次回もお楽しみに。