二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 579章 決死 ( No.850 )
日時: 2013/04/14 01:42
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: H6B.1Ttr)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

「ガニメデ、熱風だよ」
「ライラプス、悪巧みだ!」
 ガニメデは超高熱の熱風を放ち、ブラックキュレムを攻撃。その隙にライラプスは悪巧みで特攻を高める。
「アスフィア、大文字です」
「レシラム、龍の波動!」
 アスフィアとレシラムもブラックキュレムに接近し、それぞれ大の字の炎と龍の力を込めた波動を放つ。
「ブラックキュレム! ストーンエッジだ!」
 だがブラックキュレムもただではやられない。周囲に鋭く尖った巨大な岩を数多く浮かべ、それらを四体の伝説のポケモンへと一斉に発射する。
 流石はブラックキュレム。クロスサンダーやフリーズボルトほどではないが、ただのストーンエッジでも相当な破壊力がある。掠めるだけでレシラムたちは吹っ飛ばされてしまった。
「ドラゴンクロー!」
 最初にブラックキュレムが狙うのはレシラムだった。龍の力を込め、両手の爪を振りかざしてレシラムへと突っ込む。
「ライラプス、レシラムの援護に回れ! ダイヤブラスト!」
 ライラプスは瞬く間にブラックキュレムへと接近し、白色に煌めく爆風を放つ。
「まだまだ! 大洪水!」
 続けて大量の水を発生させ、激流の如き勢いでブラックキュレムを攻撃するが、
「邪魔だ! 払い飛ばせ!」
 ブラックキュレムは態勢を崩さず、龍の爪でライラプスを払い除け、吹っ飛ばしてしまった。
「っ、ライラプス!」
「これはまずいねぇ。相手も本気になってるよ……ガニメデ、悪巧み」
 吹っ飛ぶライラプスをよそに、ガニメデは悪巧みで特攻を高め、
「熱風」
 高熱の熱風を放ち、ブラックキュレムを攻撃。しかしこれでも、ブラックキュレムは止まらない。
「でも、勢いは削がれてるはず。レシラム、神通力だ!」
 ブラックキュレムが爪を振りかぶった瞬間、レシラムは神々しい念力でブラックキュレムの動きを止める。そして、その隙に、
「ユキさん! 今です!」
 イリスはユキに向かって叫ぶ。レシラムの力では、内外時間ブラックキュレムを止めることは出来ないが、それでもブラックキュレムが完全に動きを止めた今がチャンスだ。
「分かりました。アスフィア、龍の舞」
 アスフィアはまず、龍の舞で攻撃力と素早さを高め、攻撃の準備をする。
「神速です」
 そしてすぐさま超高速でブラックキュレムへと突っ込み、吹っ飛ばす。
 岩壁に激突するほどは飛ばなかったが、それでもダメージはそこそこ通っているはずだ。
「ぬぅ……ブラックキュレム! 今度こそ……今度こそ! 奴らを消し去れ!」
 業を煮やしたかのように、痺れを切らしたかのように、ゲーチスは叫ぶ。
 ブラックキュレムはその叫びを受けて上昇し、冷気を吸収した。同時に電気を大量に放出し、目の前に巨大な氷塊を生成する。
「っ……」
「来やがったな……!」
「怖いねぇ」
 またしても繰り出されるブラックキュレムの必殺技。今度は力を四分割にはせず、一撃に全ての力を注ぎこむかのように入念に氷塊を作り出している。
「キュレムとゼクロムの繋がりも切れかかっています。向こうもそれは分かっているはず。決めにかかるのは私たちも同じ、この一撃で終わりにしましょう」
 上空に浮かぶ巨大化する氷塊を見つめつつ、ユキは言う。それに異論を唱える者は誰もいなかった。
「なら、ボクとイリゼであの氷塊を止めよう。簡単に止められるとは思わないけど、勢いを削ぐくらいはできるはずだ。だからその隙に」
「ユキとイリスであいつに大技をかましてやれ。俺には分離しかかってるとかは分からねぇが、そんでもお前ら二人が同時に攻撃を叩き込めば、そろそろ剥がれるだろ」
 ロキの言葉をイリゼが続ける。その言葉を皮切りに、四人は同時に動き出した。
「ガニメデ、行くよ」
「構えとけ、ライラプス」
 ガニメデとライラプスはそれぞれブラックキュレムの正面に立つ。上空には途轍もなく巨大化した、電気を帯びた氷塊。この一撃を喰らえば、ライラプスもガニメデもお終いだろう。
「何が来ようと、何をしようと、ワタクシは止まらぬ! ブラックキュレム、こいつらを根絶やせ!」
 カンッ! と杖を地面に叩きつけ、憤怒によって歪んだ、歪な形相でゲーチスは叫ぶ。

「フリーズボルト!」

 次の瞬間、氷塊がライラプスとガニメデ目掛けて放たれる。その勢いは今までに見たどの攻撃よりも凄まじく、世界そのものを抉るようだった。
「これはなかなか……正直、止められる気がしないよ」
「だが、そんでもやるしかねぇんだ。覚悟を決めろ」
 ブラックキュレムが繰り出す渾身の大技に対し、イリゼとロキ、そしてライラプスとガニメデも、持てる限りの力を全て行使して迎え撃つ。
「ライラプス、大地の怒り!」
「ガニメデ、ハリケーン」
 ライラプスは地面から大量の土砂を噴出し、ガニメデは災害の如き突風を吹き荒ぶ。
 土砂と突風は氷塊とぶつかり合うが、氷塊は速度を緩めるだけで、止まらない。二体の大技をものともせず、全てを破壊しようと下降を続ける。
 だが、
「イリス! ユキ! 今だ!」
「ブラックキュレムはフリーズボルトの攻撃が終了するまで動けない。氷塊がガニメデたちに当たる前に、決めるんだ」
 ライラプスとガニメデの決死の足止め。氷塊と二体との距離はもうすぐ半分を切る。余念は許されない。
「イリスさん、行きましょう」
「はい!」
 アスフィアとレシラムは上昇し、ブラックキュレムと同じ高度まで達する。そして二体は、ブラックキュレムと相対する。