二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 43章 継目 ( No.88 )
日時: 2011/08/07 14:46
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: GSdZuDdd)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

「クラウン、怪しい風!」
「プレシオン、冷凍ビーム!」
クラウンは妖気を含む風を、プレシオンは凍てつく氷の光線を放つが、ドサイドンは止まる事無く攻撃を繰り出す。
「そろそろ頃合かなー」
ドサイドンは拳に電撃を纏わせ、クラウンに殴りかかってくる。クラウンは雲のような動きでその拳をかわし、顔面に水の波動をぶつけるが、効果は薄い。
「クラウン、エアカッターだ!」
クラウンは空気の刃を無数に放ち、ドサイドンを切り刻む。しかし効果いまひとつのエアカッターだ、防御の高いドサイドンには効くはずもない。Nもレイカも、フレイもそう思っていた。しかし
「効いてる……?」
ドサイドンはそのエアカッターを喰らい、少しよろけてしまう。大きなダメージとは言い難いが、それでも今まで以上に効いている。
「もしかして……クラウン、エアカッター!」
クラウンは空気の刃を無数に放ち、ドサイドンを切り刻む。ただとにかく刃を飛ばすのではなく、ある箇所を重点的に狙っての攻撃だ。そしてその箇所とは
「やっぱりだ……あのプロテクターの隙間が弱点なのか……」
そう、ドサイドンの弱点は、プロテクターの隙間。もっと言えば、プロテクターの繋ぎ目、接続部分である。ドサイドンは確かに堅く、硬いポケモンだ。岩の如き強度を誇る体に、防護プロテクターを装着しているため、その防御力は相当なものだろう。
しかし、どんなポケモンにも弱点はある。このドサイドンの弱点はプロテクターの繋ぎ目だ。岩の皮膚が剥き出しになっている部分はそれはそれで硬く、プロテクターの部分は言うまでもない。しかし腹部のプロテクターとプロテクターを繋ぐ接続部分だけは、強度が限りなく貧弱なのだ。
「弱点が分かればあとはそこに向けて攻めるのみ、クラウン、エアカッター!」
クラウンはドサイドンの弱点に向けてエアカッターを放つ。しかしドサイドンハンマーのような尻尾を振り、空気の刃を全て粉砕してしまう。
「ま、弱点が分かってもこのドサイドンは慎重だから、そう簡単に弱点を攻撃させてはくれないよー。いくら知能が低くても自分の弱点と、そこが攻められてはいけないって事くらい分かってるだろうしねー」
脱力感溢れる声でフレイは言う。
「レイカさん、あのドサイドンの動きを止めることはできますか?」
「……渦潮とサイコキネシスを上手く使えば、五秒くらいは可能だと思う」
「じゃあ、お願いします。クラウン、熱風!」
クラウンは高音の熱風を放ち、ドサイドンを攻撃。しかしこれは攻撃目的ではなく、ドサイドンの目をプレシオンから逸らすためだ。
「プレシオン、渦潮!」
プレシオンはまず、ドサイドンの動きをを渦潮で封じる。しかしドサイドンは体を捻るだけで渦潮を破壊できるので、この拘束は一秒ともたないだろう。
「サイコキネシス!」
しかしそこでさらにプレシオンがサイコキネシスでドサイドンの動きを操作。渦潮とサイコキネシスの相乗効果で、ドサイドンは今、身動き一つできない。だがそれもドサイドンのパワーはすぐに打ち破ってしまうだろう、だからその隙に、クラウンはドサイドンの弱点を攻める。
「クラウン、水の波動連射!」
クラウンはただひたすら、水の波動をプロテクターの繋ぎ目に向けて発射する。ドサイドンは苦しそうに呻き、束縛を解こうとするが、まだ解けない。
やがて渦潮とサイコキネシスは消え、ドサイドンはその場に崩れ落ちた。
「やったか……?」



「ちっ、戻れサンドリル」
フォレスは戦闘不能となったサンドリルをボールに戻す。
「戻ってくれ、ランクルス」
そしてデインもランクルスをボールに戻す。サンドリルの攻撃をしこたま喰らっているランクルスだ、もう戦うことはできない。だからデインの判断は懸命だろう。
「俺の次のポケモンはこいつだ。出て来な、マカドゥス!」
フォレスが繰り出したのは全身が鋭く尖っているポケモンで、水色の体と黄色い尻尾、そして首の辺りも黄色のポケモンだ。
「サーベルポケモン、マカドゥス……岩・電気タイプで、スミロドンの進化系……。……!」
そこでイリスははたと思い出す。
「デインさん、気をつけてください!マカドゥスは攻撃的な見た目ですが、特攻が高いポケモンです!接近戦より、遠距離攻撃の方が脅威です!」
イリスは以前マカドゥスの進化前のスミロドンとの戦いで、スミロドンは攻撃型だと勘違いして痛い目を見た事がある。なのでデインが二の舞にならないよう、助言する。
「そうか、ありがとうイリス君。……それじゃあ、次はこのポケモンだ。頼むよ、バシャーモ!」
デインが繰り出したポケモンは、人型のシャモ(鳥、軍鶏)のようなポケモンだ。全身は燃えるように赤く足元だけが黄色い。胸部から背中を覆い、後頭部へと伸びる髪の毛のような羽、額からはV字型のトサカが伸びている。
猛火ポケモン、バシャーモ。炎・格闘タイプ。
「……見るからに物理型のポケモンだな」
イリスは素直な感想を言う。
デインvsフォレス。第二戦の開幕である。



今回はN&レイカvsドサイドンがちょっと長めです。ついにNとレイカはドサイドンの弱点を見つけ出し、集中を攻撃に成功。ドサイドンを倒したのか……?そしてフォレスの二体目のポケモン、デインの二体目(そして三番目)のポケモンも登場です。では、次回もお楽しみに。