二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【二次創作】泡沫【短編集】 ( No.139 )
日時: 2012/03/03 23:01
名前: 雲雀 (ID: Rk/dP/2H)
参照: http://www.youtube.com/watch?v=0Z9P6QY1n2I&feature=related

【会いたい−Dear My Friend−/GUMI】



「ねぇ、今すぐ会いたいよ」



本音を隠した何気ないメール。
『会いたい』なんて言えない。
ねぇ、どうしたら君に伝わる?
こんなに会いたいのに、
私の想いは、いつまでも君の心の中に届かないまま。



『手繰り寄せる、掌の想い』



まだ私が君の隣にいれた頃。
離れるなんて、考えもしていなかった頃。
二人でいろんな所に行ったよね。
色々な場所に行って、写真を撮って、
ねぇ、あの日のこと、まだ覚えてる?
いつでも傍にいて、いつでも笑いあって、
本当に大切な友達だと思ってた。
どんなに離れても、その気持ちは今でも変わってないよ。



離れれば離れるほど、私にとって君がどれほど大切な人だったか気付いた。
心に空いた穴は、君以外の人には埋められない。
でも『会いたい』なんて言ったら、きっともっと離れていってしまうから。
この『会いたい』は言えない。
それでも、この願いは私の心から消えてくれない。
消そうと思えば思うほど、願いは強くなっていく。
一日が始まる度に君を思い出して、一日が終わる度に君との思い出が蘇る。
もう、あの日みたいに「笑えない」って言わないで……。



ねぇ、今すぐ会いたいよ。
思い出すだけじゃ耐えられない。
顔が見たい、声が聞きたい、名前を呼びたい、名前を呼んでほしい。
誰よりも傍にいたい。


『会いたい』


本音を隠した何気ないメール。
だって伝えてしまったら、きっともっと離れてしまうから。
君との繋がりは、このメールだけ。
本音も言えない、このメールだけ。
伝えられない想いは、いつまでも君の心に届かないまま。


君に会いたい、会いたいよ。
誰よりも傍にいたいのに。
今、隣に君はいない。
あの日みたいに「好きだよ」って聞かせて。
もうあの日に戻れなくても、君の心に私の言葉が届かなくても。



離れるなんて考えたくなくて、このまま傍にいたくて。
君の笑顔が見れなくなるなんて信じられなくて、このまま笑いあっていたくて。
いつまでも友達でいたいと願った気持ちは、今でも消えてないよ。
たとえどんなに離れていても。



『会いたい』なんて今更言えないから。
言って許されるような立場じゃないから。
ねぇ、今何してる?
私は今でも、教室の窓際の席に君を探してるよ。
離れてから、君の存在の大きさに気づいたんだ。
心に空いた隙間は、君以外の人じゃ埋められない。
いつも手繰り寄せるように掴んでいた君の手。
あの日、離さなければよかった。
もう、あの日みたいに「笑えない」って言わないで……。



「ねぇ、これから会いたいよ」



勇気を出して届けたメール。
でもね、君の心の中には届かないんだ。
朝まで待っても、返信は来ない。
握り締めた携帯の着信は鳴らない。
画面に表示されるのは、着信0の文字と、過ぎた時間だけ。


『会いたい』


君に会いたい、会いたいよ。
どんなに待っても、君からの返信はない。
どうすれば、伝わってくれるのかな?
今すぐ駆け出して、君のところに行きたい。
でも、君に会う勇気が出ない。
あの日みたいに「好きだよ」って聞かせて。
たとえ嘘でも、君の心に私への想いがなくても。



眠れない夜を何度重ねても、
君に『会いたい』この気持ち、
まだ消えてないよ。



————————————————————会いたい。






「ねぇ、今すぐ会いたいよ」



本音を隠した何気ないメール。
携帯を握り締めて眠る夜。
ねぇ、私の言葉、届いてる?
二人を繋ぎ止めるのは、このメールだけ。
声は聞けない、聞く勇気が出ない。
震える唇から紡ぎ出される言葉は、君の心の中に届かないまま。



君に会いたい、会いたいよ。
あの日の記憶だけが、この心を鮮やかに彩る。
手を伸ばせば、触れられる位置にいた君。
笑いあえた、数多くの日々。
永遠とも思えた夢の終わり。
あの日のこと、君はまだ覚えてる?



あの日交わした「好きだよ」って言葉は、
いつまでも私の心の中に残っている。






届かなくても、
感じてるから。






(あの日交わした、)
(「    」)









■後書き

この小説は意味の分からないものになっていますが、歌は本当に素敵です。
「−Dear My Friend−」は創作物の【会いたい】と区別するためにつけただけなので、お気になさらないでください。