二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【二次創作】泡沫【短編集】 ( No.15 )
- 日時: 2011/09/25 11:57
- 名前: 雲雀 (ID: VEcYwvKo)
- 参照: http://nicosound.anyap.info/sound/sm8519085
【大和撫子、咲き誇れ/初音ミク】
浅き夢みし 恋に酔う華
思ひ焦がれて 幾年越へて
実り迎えず 散り逝くならば
せめてあなたに 散らされて
あなたの瞳が映す世界で、一番美しい華が私であるようにと、
凛と鮮やかに、咲き誇る。
でもその瞳がいつも映すのは、私ではない華。
あゝ泣くこと無かれ、
恋をする乙女は強くあれ 。
好きよ、好きよ、大好きな人。
どんなに言葉を飾っても、この想いには到底追いつかない程に。
いつかは散る運命だとしても、せめてあなたを想うことが出来る刹那の時間だけは、
この唇に彩を添えて、
「いつかあなたを振り向かせるわ」
妖艶に微笑みながら、艶やかに咲き誇ろう。
溢れる愛は 絶えることなく
風に吹かれど 倒ることなく
溢れる哀に 手折ることなく
愛の言葉を したためて
柔らかく細められた、優しいあなたの眼差し。
その先にはいつも、静かに咲き誇る可憐な華。
想うだけで、愛は密やかに、胸を強く締め付けるけど、
あゝ凛として咲け、
恋に酔う乙女は強くあれ。
好きよ、好きよ、大好きな人。
どんなに言葉を重ねても、足りない程に愛してる。
咲き誇れる今だからこそ、せめてあなたの瞳に私が映るようにと、
胸元に魅惑の花を添えて、
「いつもあなたの傍にいるから」
たとえ時を違えたとしても、狂い咲いて、あなたの世界を彩ろう。
あゝ凛と鮮やかに、
せめてあなたの瞳が映す世界で、美しく在れるように、咲き誇る華。
あゝ泣くこと無かれ、
散り逝く想いを咲かせる乙女は強くあれ。
愁いし、あゝ……——————————
好きよ、好きよ、大好きな人。
たとえあなたの瞳が映す世界に私がいなくても、私はあなたを愛してる。
私ではない華を愛でていても、ただ見つめることしかできないのだとしても、
この唇に彩を添えて、
「いつかあなたを振り向かせるわ」
月夜に儚げに笑み、身を焦がすような想いだけを胸に抱こう。
好きよ、好きよ……届かぬ想い。
もうどれ程、愛してると言葉にしたのだろうか。
せめて最後くらい、可憐に微笑むあなただけの花にならせて。
この唇に彩を添える、心はとうにあなたに奪われていた。
あなたがあの華を見初め、誓いを結んだその日から、
色は匂えど、散り逝く運命。
大和撫子、咲き誇れ。
大和撫子、狂い咲け。
大和撫子、凛と散れ。
——————————届かない想いなら、
せめてあなたに散らされて。
(立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花)
■後書き
内容がディープなので、どういう表現にしようか迷いました。
でもやはり恋愛の歌なので、女性視点の切なさが好きです。