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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【二次創作】泡沫【短編集】 ( No.187 )
- 日時: 2012/09/17 15:52
- 名前: 雲雀 (ID: QGuPLo0Y)
- 参照: http://www.youtube.com/watch?v=hqmN-3bk--Y
【守りたい人/ACT3】
<夕暮れに消える。>
図書室の入口から、右に進んだところにある五番目の棚の奥。
その窓際に、彼はよく背中をあずけて本を読んでいた。
夕日が眩い光で世界を彩っていく中、窓からはいってきた風が本のページを急かすように煽るたび、彼は目を細めて、それを静止するのだった。
そんな光景に息を呑み、同時に埋められない距離を感じたのは一ヶ月前。
その距離を埋めようともがいた時期もあった。
でも、結局それらの行為に意味はなかった。
今はただ、目の前に広がる距離に気づかないふりをして、彼のもとへと歩み寄った。
「祐一先輩、」
「ん……」
分かってる、と言うように、彼は淡く微笑んだ。
その笑みに、心臓が跳ね上がる。
でもきっと、私の心は分かっているのだろう。
すぐにいつも通りの笑顔で、表面を取り繕うことが出来た。
本を閉じて、立ち上がる。
「帰ろうか」
きっと私が途中で諦めてしまったから、今、あなたは傍にいないのだと思う。
私はとても弱かったら、あなたの優しさで自分が傷つくのが怖かった。
傷つく覚悟もなかった癖に、あなたを必要として御免なさい。
だから今度は、私から。
(この想いを、断ち切る為に。)
■後書き
本当に申し訳ありません。更新が遅くなりました。
テストや行事が立て続けにあるので、また遅くなるかもしれません。
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