二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【二次創作】泡沫【短編集】 ( No.2 )
日時: 2011/10/21 18:24
名前: 雲雀 (ID: 7aD9kMEJ)
参照: http://www.youtube.com/watch?v=cqDWDiYzSos

【ロミオとシンデレラ/初音ミク】



私の恋を悲劇のジュリエットにしないで、
ここから連れ出して……



    そ


                    ん

                 
          な


    気


                分 
     
                    
          よ



パパとママに「おやすみなさい」を告げる。
二人共この後のことを知らない、起きないようにせいぜいいい夢をみなさい。
大人はもう寝る時間よ、これからは私達の時間。

室内を甘い香りが漂う、まだ恥じらいは隠せない。
ねぇ、今夜はどこまでいけるの?

噛みつかないで、優しくして、苦いものはまだ嫌いなの。
ママのつくるお菓子ばかり食べたせいね。
だって両思いの果実は、甘いのが道理でしょ?

私の知らないあなたを知りたい。
知らないことを知りたいと思うのは、人間の性でしょ?
全部見せてよ。あなたにならば、私の全てを見せてあげるのに。

ずっとあなたが恋しかったの。だからドレスを脱ぎ捨てて、制服だけであなたに会いにいくわ。
魔法よ、今だけは時間を止めて、悪い人に邪魔されちゃうわ。

ここから逃げたしたいの、でも「ジュリエット」と呼ばないで。
「ジュリエット」の恋は悲劇で終わる。私達は結ばれなくちゃ、そうじゃないと楽しくないわ。


——————————ねぇ、



       私


            と


   生


              き 


       て


                     く


                れ


     る


               ?



背伸びをしてつけたマスカラ、ママのお化粧にずっと憧れてたの。
いい子になるよ、きっと明日から。今だけは悪い子になる私を許して。
いつもいい子なんて、私には耐えられない。

黒いレースの境界線、理性は崩壊寸前。
超えたら、どこまでいけるの?

噛みつくほどに、痛いほどに、好きになってたのは私でしょ?
でもね、パパはあなたのこと嫌いみたい。

私の為と差し出す手に、握ってるそれは首輪でしょ?
所有の証?それならもっときつく縛って……連れ出してよ、私のロミオ。
叱られるほど遠くへ。

鐘が鳴り響くシンデレラ、ああ、もう帰らなくちゃ。
ガラスの靴はおいていくわ。
だからね、早く見つけてね。
パパとママが、婚約者を連れてくる前に。

きっとあの子もそうだった、ハッピーエンドの主人公。
落としたなんて嘘をついた、そうよね、私も同じよ。
ダンスだけでなんて終われない、もっと愛されたいわ。


——————————ほら、



     私


                  は


    こ


                 こ


          に


い        


                る


        よ



私の心、そっと覗いてみませんか?
欲しいものだけであふれかえっていませんか?
だってまだ子供だもの、我儘を言えるのは子供の特権でしょ?
まだまだ別腹よ、もっとぎゅっと詰め込んで。
このまま欲望で、あなたの居場所までも埋めてしまうおうか?



「でもそれじゃ意味ないの!」



大きな箱より小さな箱に幸せはあるらしい、お伽話の定番ね。
じゃあ欲張りな人間は幸せになれないの?
どうしよう、このままじゃ私はあなたに嫌われちゃうわ。
だってお伽話のお姫様は、皆小さな箱を選ぶ。私にはそんなことできない。
だって大きい方が、いっぱい詰め込めるでしょ?

でも私より欲張りなパパとママは、今日も変わらず富に溺れてる。
そうよね、嘘をついていい子になるより、素直で悪い子のままでいいのね。



  落
    と
      し
        た
          の
            は
      金
        の
          斧
            で
              し
                た
                  」


ああ、これも嘘。



嘘つきすぎたシンデレラ、オオカミに食べられたらしい。
どうしよう、このままじゃ私もいつかは食べられちゃうわ。



——————————その前に助けに来てね。



(私だけの、)
(「   」王子様)









■後書き

「ロミオとシンデレラ」を小説にしたらこんな感じかな?と思いながら書きました。
文としての意味が成り立っていませんが……これが精一杯でした、ごめんなさい。