二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【二次創作】泡沫【短編集】 ( No.202 )
- 日時: 2012/11/13 22:38
- 名前: 雲雀 (ID: QGuPLo0Y)
【アスタリスク】
頭が悪い。運動が出来ない。容姿が醜い。性格が悪い。字が汚い。見栄っ張り。欲張り。口うるさい。無神経。他人のことを理解しようとしない。我儘。自己中心的。努力をしようとしない。他人に嫌われる。
自分の良いところなんて、何ひとつ分からなかった。
自分の悪いところなら、こんなにたくさん言えるのに。
ずっと、自分のことが嫌いだった。
何ひとつ満足に出来ない自分が、それはもう幼い頃から、ずっと。
母親もそんな私のことを見下していた。
教師だって、そんな母親と何ひとつ変わらない。
「結果だけではなく、努力をみる」
嘘をつかないでいただきたい。
先生は生徒の努力なんて、少しも見てくれない。
いつもテストの点数で、生徒を見分けている。
正直に言ってくれませんか。
結果だけが全てだって、そう。
自分のこういうところも嫌い。
すぐ、他人のせいにするところ。
自分は悪くないって、言うところ。
全部、自分が悪いのにね。
はっきり言ってしまえば、この世に生まれた自分が、悪いのに。
お母さん、御免なさい。
こんなどうしようもない、何ひとつ満足に出来ない子供で、御免なさい。
私を堕ろさなかったこと、きっと後悔してるよね。
いつも、私なんて産まなければよかったって、泣いていたもんね。
母親は、兄のことを愛していた。
なんだかんだ言って、自分に似ているから可愛いのだろう。
手のかかる子ほど可愛いとよく言うが、その通りだと思う。
私は自立という意味では、兄には勝っていたから。
私なんて、この家族の枠組みにはいらなかったのだろうと、本当によく思う。
今日も今日とて、この世界はとても息が吸いづらい。
いっそのこと。本当にいっそのこと。
母親が私のことを堕ろしていてくれたらと思う。
そうしてくれていたら、母親が悲しむことも、私が生きにくい世界で無理矢理生きていくことも、なかっただろうに。
新しい刺激を求め続けた。
この世界は酷くつまらないから、日頃から楽しいことを見つけていかないと、すぐに飽きてしまう。
もうすでに、つまらなくなってきているけれど。
本当につまらなくなった時は、眠ってしまうのが一番だった。
何も考えず、微睡みの中に堕ちていってしまえるから。
今日もつまらない一日だった。
そもそも、私の生に意味なんて、あったことがあっただろうか。
そうか。私は生まれた時から、意味のない生を送っていたのか。
そしてこれからも、その意味のない日々が続いていくのか。
こんなどうしようもない私が生きているくらいなら、もっと別の誰かが生きていたほうが良かっただろうに。
望まれて、生まれてきたわけではないのだから。
今日はもう眠ってしまおう。
明日は何をして遊ぼうか。
願わくば、今日が最後の日でありますように。
■後書き
最近、よく思うこと。
自分の悪いところなら、たくさん言えるのに。
良いところなんて、全く分からない。
ある意味、自意識過剰ぐらいが丁度いいのかもしれません。