二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【二次創作】泡沫【短編集】 ( No.203 )
日時: 2012/11/13 21:53
名前: 雲雀 (ID: QGuPLo0Y)

【守りたい人/ACT5】



<木漏れ日の記憶。>






 もしかしたら、あなたと共に在れる未来もあったのかもしれない。
 もしかしたら、あなたと出会わない未来もあったのかもしれない。



 けれど、あなたと出会えた現在に、後悔なんてしていないから。
 あの日に戻って、やり直したいこと。
 確かにそれは、無いと言えば嘘になるけれど。
 でも私は、この人と共に歩んでいくと決めたから。
 この人と共に在りたいと、そう思えたから。



 もう、迷わない。



「珠紀先輩?」



 こちらの視線に気づいたのか、彼が不思議そうな表情で私を見る。
 その仕草があまりにも可愛らしくて、思わず笑ってしまった。



「え?な、なんで笑うんですか…?」



 不安そうに揺れる大きな瞳を見て、こみ上げてきた笑みが苦笑に変わる。
 充分に息を吸ってから、素直な言葉を口にした。



「幸せだなぁって、思ったの」



「え……?」



 先程の不安そうな表情とはうって変わり、今度は少しだけ目が輝いた。
 子供みたいだな。
 視界いっぱいにうつる彼の表情に、緩く目を細めた。



「ありがとう。慎司くん。私に幸せをくれて」



 そう笑めば、彼は照れたように笑い返してくれた。






 あの日のことは、きっと、いつまでも色褪せない。
 でも私が今、一番好きなのは、他の誰でもない彼だから。



「大好きだよ。慎司くん」



 心を温かくしてくれる笑顔。
 優しく包み込んでくれる指先。

 

 全てを満たしてくれる、言葉。






 その全てを、私は、






 「僕も、大好きです」






 きっと、明日も忘れない。









■後書き

 これでこの小説は終わりとなります。
 まとまりのなさがこの小説の真骨頂となっています。本当に御免なさい。
 もう少しまともな文章を書けるよう、日々努力をしているつもりなんですが……上手くいきません。
 拙い文章ですが、ここまでお付き合いいただきありがとうございました。