二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【二次創作】泡沫【短編集】 ( No.35 )
日時: 2011/09/22 21:03
名前: 雲雀 (ID: VEcYwvKo)
参照: http://www.youtube.com/watch?v=9W-BDfR-T5o&feature=related

【夢の浮橋/巡音ルカ】



月の光に染められて、蒼に彩られた世界。
孤独に震えながらも、いつかの光を探す。
指先に残る愛しい温もり。知ってしまった恋心に、あなたはきっと気付かない。

傍にいることの温もりも、離れることの冷たさも、まだ感じられるのに。
何故、募っていく想いは、あなたを見つけられないのだろう。

ゆらり、揺れるは泡沫の愛。
儚く消えていくのだと知っていても、私はそれに諸手を差し出す。
零れ落ちて逝く一雫、もしもこれが私の想いだったなら、どれ程いいのだろう。
濡れた瞳、霞む視界の中で、私は今でもあなたの面影を探し続ける。


旻を見上げながら、夢の現実の狭間で、消せぬ想いを託した唄を口ずさむ。
届かない聲は密やかに、愛を紡いでいって、
誰の心にも逝きつくことなく、旻に散っていく。

切ないほどの愛しさも、喘ぐほどの恋しさも、まだ感じられるのに。
何故、翳る想いは、あなたを見つけられないのだろう。

はらり、落ち行く、玉響の恋。
偽りの温もりだと知っていても、あなたの夢に抱かれ眠りにつきたい。
零れ落ちて逝く一雫、想いが共に流れ、心から消えてくれたなら、どれ程いいのだろう。


(溢れる涙は、)
(想いの深さ)


ゆらり、揺れるは泡沫の愛。
掴めないと分かっていても、私はそれに諸手を差し出す。
理解なんてとうにしていた。でも、一度でも求めてしまえば、心になんて勝てない。
零れ落ちて逝く一雫、独りの夜を彷徨い、あなたを探し続ける。

そっと抱きしめた、あなたの影。
心の奥深く、熱が灯る。


          “ 切ない ”


温もりに触れられない事実が、どうしようもなく。
瞳には映らないその存在、胸に広がる喪失感。
狂おしいほどの、あなたという傷が、私を蝕む。

零れ落ちて逝く恋雫、消せない想いが、頬を濡らしていく。
涙が隠す視界の中、その先に今でも、あなたを探し続ける。



——————————はらり、落ちて逝く恋雫。

                                       ゆらり、揺らめく泡沫の想い。









■後書き

かぐらさんの新曲に一目惚れしました。
「泡沫」「玉響」と言った言葉が大好きです。