二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【二次創作】泡沫【短編集】 ( No.5 )
日時: 2012/11/04 14:38
名前: 雲雀 (ID: QGuPLo0Y)
参照: http://nicosound.anyap.info/sound/sm9065929

【秋風恋歌/巡音ルカ】



 遠くで、あなたが私を呼ぶ声がした。
優しくて、温かくて、大好きなあなたの声。
 けれど、あなたに会うことは、もう出来なくなってしまった。



 あなたの泣いている声がする。
 何度も、何度も、私の名前を呼んで、まるで、迷子になった子供のように。
 縋りつく人もなく、あなたが泣いている。



 嗚呼、どうか。
 どうか、もう泣かないで。



 大丈夫。
 もう傍にいることは出来なくなってしまったけれど。
 それでも、私はちゃんとあなたの傍にいるから。



 春には咲き誇る花になって、あなたの笑顔を見ていよう。
 夏には空をうつす海になって、あなたに子守唄を届けよう。
 秋には舞い落ちる木ノ葉になって、あなたの元へ辿りつこう。
 冬には春を探す鳥になって、あなたのために春を目指そう。






 だから、お願い。
 どうか、笑っていて。






 「私は、」



 あなたの笑顔が、何よりも好きだから。






 あなたを濡らしていた雨は、いつしか風花に変わり、
 あなたの涙の温度に溶けていく。






 風に吹かれ、消える想いは、
 私を濡らしてゆく、恋時雨。









(それは、届けたかった言葉。)









■後書き

 書き直しました。
 この唄は、本当に大好きな唄です。