二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【二次創作】泡沫【短編集】 ( No.57 )
- 日時: 2013/01/01 21:25
- 名前: 雲雀 (ID: QGuPLo0Y)
【その言葉に救われる。/悠太&祐希】
夢を見た。
この世で一番怖い夢を、
一番大切な人を亡くす夢。
もう二度と逢えなくなる夢。
いつか来ると分かっていても、
きっとまだ全然先のことだろうと思ってた。
でも夢になると妙にリアルで、
目が覚めた時、ほんの少しだけ、
指先が震えていた。
(その手の温もりが消え失せることなんて、)
(考えられない、考えたくない)
「オレ、悠太がいなきゃ生きていけない」
ちょっとした本音を漏らし、同じ顔をした兄の腰に手を回した。
悠太は驚くでもなく、もがくでもなく、いつもと変わらない無表情でオレを見つめてから、
「どうしたの、急に」
と、自分より少し低いトーンの声で呟いた。
「んー……別に、ただそう思っただけ」
悠太のブレザーに顔を埋めれば、軽く頭を撫でられる感触がした。
気持ち良くて、少し目を細める。
「オレも……祐希がいなきゃ生きていけないよ」
「え……」
予想外の言葉に、後に続く言葉を奪われた。
一人で何でもできる悠太が、オレがいなきゃ生きていけない?
「なん、で」
「祐希と一緒だよ」
いつもよりほんの少し顔を赤くして、いつもより柔らかい表情でこちらを見つめている悠太。
自然とこちらの表情も緩むのが分かる。
「いるよ、傍に」
「うん。いて、ずっと」
言葉をいくら重ねても、いずれ来る別れを回避できないのは分かってる。
でも、この温もりを手放すことなんて、やっぱりオレには出来ないから。
「オレ、生まれ変わっても悠太と双子になる」
「え、何それ」
「このポジションだけは誰にも譲らない」
「じゃあ……オレも、祐希のお兄ちゃんはオレだけ」
別れたその先に、また君を見つけよう。
この手の温もりで、きっと君だと分かるから。
(傍にいて、)
(どうかこのまま)
■後書き
若干別館向きのようでもありますが、気にしないでください。
君と僕。アニメ見てたら我慢できなくなりました。
この双子の絡みが大好きです。
こういう風に、お互いの絆を確かめ合っていたらいいなと思いました。