二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【二次創作】泡沫【短編集】 ( No.60 )
日時: 2011/10/31 22:22
名前: 雲雀 (ID: 7aD9kMEJ)
参照: ■2011年 10月31日 ハロウィン企画

【いつかが終わるその日まで/葵&陽&涼太】



「篠原くん!と、Trick or Treat!」

は?と涼太が顔を上げれば、魔女に扮した葵の姿が目に入った。
控えめな彼女なら絶対に着そうにない服装。
彼の中で思い当たる人物が一人しかいなかったので、そいつのことを思いっきり睨んだ。

「先輩なら魔女でも愛せます!いや、寧ろ結婚しましょう!」

もうそのようなことを何回繰り返してきたんだこいつは、とうんざりした顔で涼太がため息を吐く。
いい加減振られ過ぎて骨と一緒に心でも折れればいいのにと内心で思いつつ、彼は二人の次の言葉を待つことにした。
いや、実際は悪態をついていた。

「とうとう脳細胞が全滅したか……可哀想に」
「おい!今完璧俺の方見て言っただろ!」

このー。と、陽が涼太の頭をグシャグシャと撫でまわす。
それに対抗して、涼太も陽の髪の毛を引っ張る。
いつまでたっても決着のつかない二人の関係。
仲がいいのか悪いのか分からない二人の様子を見て、葵はクスリと笑みを零した。


その瞬間をバッチリ目撃してしまった二人は、頬を朱に染めた。


「せ、先輩!何笑ってるんですか!笑うくらいならこの馬鹿を止めてください!というか、こんな馬鹿のいうこと聞かないでください!」
「え?へ、変かな?少し派手だけど、個人的には可愛くて気に入ってるんだけど……」
「女性なら慎みをもってください!」
「その姿で微笑むとまさに魔性の如き美しさ……!やはり女神はこの世に実在したんだ……!」
「黙れバカハル」

素直な褒め言葉と、可愛い照れ隠し。
ある意味お菓子と悪戯みたいだと葵は思う。

「あ、そうだ。今日はね、皆にお菓子つくってきたんだ。二人にもあげるね。Happy Halloween!」






今日も土岐島高校科学部にとって、素敵な一日でありますように。



(篠原は猫耳なー、)
(……カガハル、吸血鬼なのに首ににんにくかけて、死にたいの?)









■後書き

涼太は猫耳つけて、陽は吸血鬼なのに首ににんにくつけてるのかな、とか勝手に想像してました。
他の部員も出したかったんですけど、時間がなくて出来ませんでした。