二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【二次創作】泡沫【短編集】 ( No.61 )
日時: 2011/12/05 19:37
名前: 雲雀 (ID: 7aD9kMEJ)
参照: ■2011年 10月31日 ハロウィン企画

【17回目のハロウィン/悠太&祐希&要&春】



「ハロウィンってさ、はっきり言って脅迫だよね」
「ね、お菓子くれなきゃ悪戯するなんてね」
「おい、そこの夢のない双子」



(子供の人数が大人の人数を大幅に上回ったりしたら、)
(子供内での抗争とか、取引とか、普通に起きる世の中になっちゃうのかな)



いつもと特に変わらない屋上での昼食中、不意に悠太と祐希が切りだした話題。
実際は彼らが言うほど夢のないイベントではないが、ハロウィンのせいで起きてしまった事件もあるので、完全に否定は出来ない。

「ハロウィンですか……僕、小さい頃は毎年お父さんとお母さんにお菓子もらってましたよ」

ほんわかとした空気を纏いながら、春がにこにこと笑う。
この場にあのフワフワした羊のような女の子がいたならば、完璧に顔を真っ赤にしていただろう。
しかしそんな空気にも容赦なく釘が突き刺さる。

「ああ、さっきの脅迫使って?」
「春みたいな子が言っても脅迫にはならないんだよ。要とかが言うと別だけど」
「なんで俺だけ駄目なんだよ!」
「え……やるつもりだったの?」
「十七にもなって?うわ、理解に苦しむわー」
「こんの双子……!」






子供の時はきっとすぐ過ぎてしまうから、
今くらい、我儘な子供でいさせてください。






「あ、そうだ。悠太、Trick or Treat」

ハロウィンの話などとうに忘れた家の自室で、唐突に祐希が口を開いた。
その言葉に脳の動きを一瞬停止させた悠太は、軽くため息をついた。

「どうして意表をつきたがるのかな、祐希くんは」
「脅迫なんだから、意表をついてこそでしょ」
「お兄ちゃん相手に脅迫してないでください。要にでも言えばよかったのに、意外とちゃんとお菓子の用意してたかもよ?来るはずもない訪問を待って」
「ちょっと待って、想像したら笑えてきたんだけど……」

と言いつつ全然笑っていない弟の顔を見つめながら、悠太はこのまま別の方向に話流れてくれないかなー。とこっそり願っていた。
しかし、そんな期待も虚しく。

「悠太、お菓子頂戴」
「今持ってないけど」
「じゃあ悪戯してもいいの?」
「じゃあ祐希にもTrick or Treat」
「クッキーでいい?」
「どうしてそんなに準備いいのかな、祐希くんは」



そう問えば、双子の弟は軽く笑う。



(悠太に悪戯をする為です、)
(何気酷いね、その理由)









■後書き

祐希がいったい悠太にどんな悪戯をしたのか、それは皆様のご想像にお任せ致します。
あのメンバーなら、ハロウィンじゃなくてもお祭り騒ぎですけどね。