PR
二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【二次創作】泡沫【短編集】 ( No.71 )
- 日時: 2011/12/19 19:19
- 名前: 雲雀 (ID: 7aD9kMEJ)
- 参照: ■蒼黒の楔 緋色の欠片3 明日への扉 PSP 発売決定記念
【刹那ノ蒼/祐一の頁】
美鶴に淹れてもらったお茶を飲みならが、交換日記の次の頁を開く。
悴んでいた手は湯のみのおかげで、今はとても温まっていた。
「さ、さすが祐一先輩……」
何事もそつなくこなしてしまう彼は、やはり字も綺麗だった。
こんな風に綺麗に書けたらなぁ、と羨ましく思いつつ、内容にも目を通す。
最初の数行は拓磨の日記への評価だった。
「厳しい……」
彼はきっとこれをいつもの無表情で書いていたのだろう。
が、個人的にこれを無表情で読むことは難しい。
真弘先輩とは思いっきり笑ってそう……あ、遼もかな。
慎司くんとかは苦笑いしてそう……卓さんは……やっぱりいつもみたいに笑ってるのかな?
というか、ラブレターだったら100%玉砕って、拓磨が見たら泣くんじゃ……。
そういった思考を巡らせてみて、少しだけ笑った。
想像してみた皆の反応が、出会った頃と全然変わっていなかったから。
そんな些細なことが本当に嬉しくて、深く息を吐いた。
その後は大学の近況報告や、大学のことならいつでも相談を受けるといったようなことが書かれていた。
素っ気なさそうに見えて、でも本当はとても優しい彼の日記に、思わず頬が緩む。
また少しの間離れてしまうのは寂しいけれど、大学に行けばまた会える。
その時を心待ちにしながら、珠紀はまだほのかに温かいお茶に口をつけた。
遠いようで近い、旅立ちの日。
会えない日々の分まで、彼とまた優しい思い出をつくれますように。
■後書き
公式サイトが更新されてました。
ギャラリーにはとても素敵なイラストが載せられていて、思わず頬が緩みます。
今からやるのがとても楽しみです。
PR