二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【二次創作】泡沫【短編集】 ( No.79 )
日時: 2012/01/03 13:23
名前: 雲雀 (ID: 7aD9kMEJ)
参照: ■蒼黒の楔 緋色の欠片3 明日への扉 PSP 発売決定記念

【羽休メノ刻/真弘の頁】



「ふふっ……真弘先輩も相変わらず、勢いがある字だなぁ……」

本人に言えば顔を真っ赤にして怒るだろうが、小学生のような見た目に同調して、字にも勢いがあり、とても彼らしい。
珠紀が一度両親の元へ帰った時に送られてきた手紙にも、これくらいの勢いがあったことを思い出す。

「でも、デートってなんだろう……?」

真弘の言い分によれば、祐一はこの交換日記で誰かをデートに誘ったらしい。
きっと真弘先輩の勘違いだよね……?と自己解決し、彼の日記に目を通す。

「あー、やっぱり突っ込んだかー」

祐一の日記に書かれていた【過度な期待はするな】という言葉について、予想通り彼はツッコミをいれた。
凄まじい弁解のしようなので、日記の内容も期待できそうだ。

「天下無敵だって……真弘先輩らしいなー」

常に口元に手をやっていないと、笑い声が漏れてきてしまう。
いちいち子供らしい彼の日記は、確かに【天下無敵】かもしれない。
ただ次の文章に書かれていたことに、珠紀はだいぶほうけてしまった。

「え……嘘……」

真公先輩が……勉強をしている……っ!?
これも本人を前にして行ったら相当怒られるだろう。
食事以外ほとんど勉強をしている真弘先輩……駄目だ。全然思い描けない……っ!
だが彼も受験生。浪人した身でもあるので、今度こそは頑張らないと両親に顔向けができないのだろう。
というか勉強しかしない人=寂しい人だったとは、珠紀にとっては初耳だった。
私も頑張らないと、と珠紀は気合を入れ直し、次の文章へと視線を移す。

意地っ張りな弁解も彼らしくて、実に微笑ましい。
必死になってこの日記を書いている彼の姿が目に浮かぶ。

「でも日記見直すところとか、結構慎重派なのかな?」

なんにしても、受験勉強が行き詰まりそうなこの時期に、彼の日記にはだいぶ力をもらえる。
あとで境内に行ってお参りしてこようかな、と思いつつ、珠紀は花の咲くような笑顔で微笑んだ。









■後書き

あの日記はものすごく真弘でした。
今年から受験生なので、受験に対しての言葉は身に染みます。