二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【二次創作】泡沫【短編集】 ( No.90 )
日時: 2012/01/11 21:23
名前: 雲雀 (ID: 7aD9kMEJ)
参照: ■蒼黒の楔 緋色の欠片3 明日への扉 PSP 発売決定記念

【褪メユク残香/卓の頁】



こっちが気後れしてしまいそうなほど綺麗な字。
どこまでも穏やかな内容の文章。
やっぱり卓さんは大人だ、と珠紀は再確認していた。

「どうやったらこんなに字が上手くなるんだろう……」

文章の言葉遣いもとても丁寧で、
桜色の頁に良く合う彼らしい日記。
【言葉は形になって残らないが、紙に書く言葉は残る】
とても素敵なことだと思う。
もし将来、この日記を読み返した時。
とても温かい気持ちになるだろう。
その時この日記に触れた全員が、いったいどのような道を歩んでいるのかは分からない。
でも、ここで同じ時間を共有したという事実は、変わらないはずだから。
たとえ何年経っても、思い出だけは、きっと鮮やかに残っている。
彼の日記を見て、深くそう思った。

「ふふ……小さい子は氷とかで遊ぶの好きだもんなぁ……」

そういえば自分も小さい頃にやったな、と昔を振り返り懐かしく思った。
細やかな気配りをする彼は、私のことも心配してくれていて、思わず笑みがこぼれた。

「あとで心配ないって、連絡しないと」

優しい人だから、なるべく早く連絡して、安心させてあげたい。
彼の笑顔が目に浮かぶようで、我知らず頬が緩む。

「次は慎司くんか……癒やし系の人が続くとなごむなー」

手にもった日記に、ほんの少しの温かみを感じながら。
ゆっくりと、瞳を閉じた。



大学に行ったら、しばらく会えなくなるけれど。
長い休みに入ったらすぐに帰ってきて、また皆で過ごそうと、強く思った。









■後書き

遅れましたが、卓の小説です。
次回は慎司なので、ほのぼのキャラが続きます。