二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 〜続・イナイレ*最強姉弟参上?!*〜イナGO人気投票実施中! ( No.127 )
日時: 2011/09/13 02:36
名前: 伊莉寿 (ID: r4kEfg7B)

第13話 学校で、友達と


神「おはよう。」

月「おはようございます、兄様。」

ゆっくりな朝。朝練が無い日に起きる時間帯に、神童は起きた。

トーストに苺ジャムを塗っている月乃が顔を上げた。軽く焦げていて、未だにトースターを使いこなせていないらしい。

月「…今日は…っ…」

神「!」

月「…何でも、ありません。」



神童の机の上にある、1枚の紙。練習計画表、と書かれたそれがひらひらと落ちる。

今日の日付——朝練の有無に丸が書かれていた。




音「今日も、1年生…松風君と西園君だけでしたね。」

音無が、自分の右斜め前に立つ監督に言う。円堂は微笑した表情を変えずにフィールドで練習する2人を見ていた。


橘「ふうん、あれがウワサの円堂守…面白い人、作るんだね神様って…」

制服を着た橘が、上から眺めていた。

橘「天界でも結構有名な方だったりする…ん、通信?」

桃色の携帯を取り出して、顔をしかめた彼女。天界とは、紛れもなく…天上界の中の世界である。

橘「!?ソッ、ソフィ…」

ソフィア『何で昨日は報告しなかったのかしら。五月蝿い人達がカンカンよ…私にとっては如何でも良いけれど、余計な仕事は増やさないでくれる?』

橘「ごめんなさい…;」

橘(あわわ、日記に夢中ですっかり…)

携帯の画面に映るソフィアが小さく息を吐いた。じっと橘の目を見て、重々しく言う。

ソフィア『これからはちゃんとしてくれないと困るわ…アルモニ。』

橘が口角を上げてニコ、と微笑んだ。

橘「やっぱり本名の方がテンション上がるな☆了解、ソフィア!」


——橘美咲、本名はアルモニ…天界で暮らす、とある○○。





歌「おはよう杏樹。」

歌音の挨拶に、振り返った月乃は「おはよう歌音。」と返した。この事には少し歌音も驚いていた。

昨日不機嫌そうだった月乃が、ちゃんと呼び捨てで呼んだこと、それに雰囲気が、少し柔らかくなった様な気がする。

天「おはよ〜月乃さん!」

月「…」(無視?)

歌(6月は本当に嫌いなのね…^^;)

天「…。」

こうして、賑やかな1日が、また始まった。



天「月乃さん、たったの6回…」

5時間目が終わった直後、天馬が自分の席で呟いていた。

天「しかも奏宮さん限定…。」

視線は月乃に向いている。1人で窓の外を眺める彼女が目に入った。彼は、信じられない様な気持で、その様子を見ていた。


今日は5時間授業で放課後練習は無し。何でも教育委員会から偉い人が来てるらしく、今日部活は無い。

帰りの挨拶が済むと、天馬は真っ直ぐに校門へ向かった。

——神童が向かって居るのを、教室から見ていたから。

月「!天馬さん…。」

歌「杏樹?」

月乃は何となく分かったが、様子を見る事に決めたらしい。

月「何でも無いです、行きましょう。」

ゆっくりでも、別に良いから…。


橘「そっか、本人確認にはサッカーをやらせるのが1番…でもそうすると悪魔にばれちゃうかも…バカな頭で御免ソフィア…」

1人嘆く橘であった。



校門へ続く道、両側に緑色の葉を付けた木々が植えてある。それは桜の木で、花が散った今はその鮮やかな葉で目を楽しませてくれる。

天馬が走って神童に追いついたのは、彼が校門に辿りつきそうな時だった。

天「キャプテンっ…」

神「!天馬…」

立ち止まった神童は、直後に立ち止まった自分を少しばかり恨む。話すことなど無く、それなのにチャンスを与えてしまった。

天「キャプテン、練習に来て下さい!」

神「断る。」

天「ーっ!」

天馬も、神童の気持ちが全く分からない訳ではない。それ故、何も言えなくなってしまった。

必死で言葉を探す天馬に、神童はふと思いつきで尋ねてみた。

神「月乃は、クラスでどうやってる?」

天「え…月乃、さん…ですか。」

顔を上げて、考え込んでから天馬が答える。ありのままの事を話すことにしたらしい。

天「本当に喋らないです。今日は6回しか口をきいて無くて、それも奏宮さん相手だけでした。」

神「奏宮…?ああ、クラリス家の…」

少し考えるような素振を見せたが、すぐに天馬に「それじゃあな」と言って背を向けた。

引き留められなかった、と悔やむ天馬。そんな彼に、「諦めないで。」と誰かが声をかけた。

驚いて辺りを見渡しても、周囲は生徒でごった返していて、誰が声をかけたのか分からない。

天「…今のは?」

*つづく*