二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 〜続・イナイレ*最強姉弟参上?!*参照1000突破!!! ( No.329 )
- 日時: 2011/10/16 05:55
- 名前: 伊莉寿 (ID: r4kEfg7B)
第35話 −闇色のフィールド−
——絶望。
———彼女は知っている、本物の絶望を。
————だから、まだ浅い絶望に弱気になる彼等を変えたい。
月「……!!!」
——その想いは本当だった。
フィールドの景色、それは彼女にどこか懐かしさを感じさせてしまった。吹飛ばされている選手達、爆風でぼろぼろのフィールド。
そして…中心で1人堂々と立っている男子。赤い瞳…。
胸が締め付けられる想いだった。すぐに雷門中のベンチへ駆けだす。彼に対して良い印象は無い、だからあの状況を変えたい。
絶望している空気を。
月「監督っ…」
霧「!」
円「月乃、遅かっ……大丈夫か、顔色悪いぞ?」
首を横に振って、それから辺りを見渡した。着ていたジャージを脱ぐ。
歌「えっ…?!」
マネ全「!!!」
霧「月乃…???!」
ジャージの下から現れたのは、黄色い雷門のユニホームだった。
ポカンとしている霧野に近寄り、しゃがむ。借ります、と言うと彼の髪に手を伸ばした。
霧「え、」
月「髪の毛がプレイに影響するといけないので。…良いです…か?」
彼のゴムを借りて上の方で2つに縛る。
霧(…何か可愛かった…//)※フィールドは大変な状況です
円「審判!」
円堂が月乃の顔を覗き込み、それから審判を呼ぶ。試合に出しても大丈夫だと判断したようだ。
雷門イレブン11人目として月乃が入る。
歌「…何時の間に選手登録して、」
円「昨日月乃のキック力を見た直後。あのキック力があって、サッカー出来ない方が可笑しいと思ったからさ。」
しかし残念ながらベンチの人は全員月乃のキック力が分からなかった。霧野は剣城のデスソードを思い出す。
あれを止められたから…大丈夫。
磯崎が月乃を見ていた。2人の視線がぶつかって、月乃はまっすぐに彼を見つめる。
神「…月乃?」
磯?「女子は……引っ込んでな!!!!」
天「!!!月乃さん逃げてッ!」
突然の激励だった。フィールドに入った直後の彼女に向かってボールが飛ぶ。
蹴られたボールが爆風を纏いながら月乃に向かう。彼女は相変わらずの無表情で、指先をトントンと動かす。
月「…必要なのはタイミング。」
磯?「!?」
次の瞬間、彼女はボールをトラップしていた。驚いていた磯崎はニタリと気味の悪い笑みを浮かべ、雷門イレブンは驚いて目を見開く。
月乃はボールの上に右足を乗せ、顔を上げた。瑠璃色の瞳に強い光を宿しながら。
月「倉間さん、速水さん、浜野さん、車田さん、天城さん、西園さん、三国さん、天馬さん、剣城さん…キャプテン、私はここに宣言します。——この試合、絶対に勝ちます、と。」
全「!」
車田達がようやく体を起こす。視線は月乃へ注がれていた。
1人の頼りない少女、しかし凄まじいボールを軽々とトラップして見せた。出来るのか、と問うとゆっくり頷く。
神「…天馬、剣城、立てるか。」
天「はいっ!!」
剣「ああ…」
ふらつきながら、神童が立つ。何時までもこうしてはいられない、試合が終わる前に…3点も入れなければ勝てないのだ。
剣城は飛ばされた時に上手く姿勢をとったのか大して辛そうでは無かった。一方の天馬は壁に打ちつけられて痛そうにしている。
神童が何か言いかけた時だった。何か嫌な気配を感じてフィールドの中心を見ると磯崎から紫の大きな気が溢れていたのは。
化身だ、と直感で理解する。
神(まさか磯崎も化身を使えたのか?!)
磯?「悪魔デスライン!!!」
まるで、地獄の番人だった。黒い気が収束して1つの輪郭を作りあげる。
月「…」
悪魔が出た直後、彼女がゴールに向かってドリブルを始めた。磯崎が無視するわけがない。
ドリブルする彼女の正面に立ちはだかりボールを奪おうとする。
そこからは激しいボールの奪い合いだった。剣城は磯崎のテクニックに驚いていた。さっきまでとはまるで動きが違ったからだ。
月乃は相手のレベルに合わせている、という感じで必要最小限の動きに抑えている。
磯?「やはりお前がそうか…!!」
月「……悪魔って、嫌です。」
磯?「あ?」
月「独りだから。」
と、月乃が突然ボールを操るスピードを上げた。磯崎が追い付けずにいる間に突破する。
月「何時も不幸ばかり生んでいるのに、最後だけ幸せを作ろうとしても上手くいく訳無いのに。」
磯?「…ざけるなっ!!!!」
すぐにドリブルする彼女に追いついてまたボールを奪おうとする。
月「…何が、ほしいの?」
そこまでして、と言うと闇色の気に押しつぶされそうになった。磯崎が生み出す、闇色の気。
磯?「貴様が大人しく捕まれば、俺はそれで良いんだ。」
月「!」
気が炎に変わった。
磯?「・・・デスファイア。」
*
悪魔が化身となって登場、月乃の運命は?!
次回、更に悪魔は…!!