二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- 第2章 新たな仲間、そしてカードゲーム ( No.407 )
- 日時: 2011/10/30 14:39
- 名前: おかゆ (ID: GlcCI1C/)
〜黄金の使いデオドシア視点〜
赤頭巾真希は足の痛みを無視し、黄金の槍を手に取りゆっくり自分へと近づいて行く。
黄金の使いデオドシアから、冷や汗が出た。
かつての武術(ちから)を無くした今、黄金の槍を取られた以上、何も出来ない。
槍にしか、頼れなかったから。
黄金の使いデオドシアは、その場で立ちすくむ事しか出来なかった。
それでも、目の前の育ての親を殺した怪物は近づいて来る。
自分の身を守る為なのか。
または見捨てられた子羊(しょうねん)達を守る為なのか。
それでも、自分を倒すのには変わりなかった。
目の前の怪物は、1度止った。
そして。
〜赤頭巾真希視点〜
彼女は1度止った。
溶けた黄金で多少火傷した手で槍の鎖でない部分を持つ。
それは、短剣の様に見えた。
赤頭巾真希は1息付いた。
瞬間、
赤頭巾真希は足の激痛を無視し、恐ろしい速度で走り抜ける。
気付いた時には、敵の目の前まで来ていた。
赤頭巾真希は、
己の敵の腹に、持っていた槍を突いた。
腹に刺された黄金の使いデオドシアは何かを言おうとしたが、倒れ込んだ。
それでも、敵は生きていた。
溶けた黄金になど、なって居なかった。
デ「き、さま・・・一体何を・・・?」
真「馬鹿じゃねェのか?腹に突き刺さった時の感触思い出してみろよ」
言いながら、赤頭巾真希が手に持ったまま黄金の槍を見せる。
手からはみ出ていたのは鋭く光る先端では無く、
鎖が付いていて尖っていない方だった。
黄金の使いデオドシアは、僅かに苦い顔をしていた。
その中に、安堵の表情も隠されている気がした。
デ「貴様にも、脳があったみたいだな」
真「森1番の猟師を舐めるンじゃねェ」
デ「・・・貴様になら、『アレ』を任せられそうだ」
真「?」
黄金の使いデオドシアは苦しい表情で1息付き、告げた。
デ「我も含めて、5人の人間で構成されている組織、『闇月光の陽射し(やみげっこうのひざし)』を全員排除して、最大魔術師を倒してほしい。・・・残りは『魔獣の使い』、『悪霊の使い』そして『生死の使い』だ」
真「その『闇月光の陽射し』と俺達に何が関係ある?」
デ「白雪姫だ」
赤頭巾真希達は、僅かに驚いた表情をした。
黄金の使いデオドシアは、倒れ込んだまま表情を変えず言った。
デ「監禁されている白雪姫を探しているんだろう?白雪姫を監禁しているのは最大魔術師。そいつは『闇月光の陽射し』とコンタクトを取っている。・・・それだけだ。槍を返せ」
赤頭巾真希は、槍を倒れ込んでいる人間に渡した。
デ「我は此処で倒されたら用済みだ。健闘を祈る」
言って。微かに笑って。
黄金の使いデオドシアは、勢い良く己の腹に鋭く尖った槍を刺した。
赤頭巾真希は、目を見開いている事しか出来なかった。
しかし、時間という物は絶対に止る事が無いという事を教えられているかの様に、倒れた人間は溶けた黄金にとなって行く。
人肉が完全に黄金になった時は、すでに服も黄金と化されていた。
赤頭巾真希はその溶けた黄金の水たまりから、黄金の槍を取り出す。
彼女は、黄金の槍を握りしめ、振り返らずに背後にいる天才カードゲーマー魁渡達に言った。
真「ーーーーー行くぞ」
いつもと同じ声色で、告げた。
真「戦う理由が、増えたみてェだな」
*
デオドシア・・・御愁傷様です←
さて、第3話のタイトルどうしよ←切り替え早ッ!