二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 世界への羽ばたき!『イナズマイレブン』〜オリキャラ募集中〜 ( No.34 )
日時: 2011/09/21 17:21
名前: しずく ◆snOmi.Vpfo (ID: g/rqr0JS)
参照: 駄文、堕文、蛇文

第二話「集結!日本代表!」

 そして放課後。掃除が終わり、いつもなら生徒たちは帰宅したり、クラブ活動に向かったりと人が減る時間である。が、今日の教室は多くの人間が集まり、何やら大盛況だ。
 いつもならとっくに帰る生徒、それに他のクラスの生徒や何故か一年生、三年生と言った下級生や上級生の姿まで見える。彼らはドアから覗き込んだり、教室に入って眺めてみたりと好奇心に満ちた視線を送り、可愛い子とか大人っぽい等と談笑している。
 彼らの視線の先には、他のクラスの生徒と話し合うリサと通訳の秋。蓮のクラスに来た留学生、リサルダ・オールコットの噂はあっと言う間に広がり、昼頃から好奇心から覗きに来たり、話に来た生徒で教室はいつも以上に人の出入りが激しくなっていた。元々留学生があまり来ない雷門中では、リサのような生徒は珍しい。だからか、転校生以上の騒ぎになっているようだった。


「魔術師?」

 一方、喧騒の輪から外れた窓側の席。そう言って首をかしげたのは、鬼道。一つ結びのドレッドヘアーに、青いベルトがついたゴーグルを着用した人間だ。見た目こそ変わっているものの、ゴーグル越しに見える赤い切れ長の瞳は鋭く光っている。
 
「そう。リサさんがね、日本代表は魔術師がキーワードだって言うんだけれど……ねえ、魔術師がキーワードってどういうことかな?」

 鬼道の真正面に座る蓮はやや早口で鬼道に聞いた。
 先程、リサに「こんなこともわからないの? お子ちゃまね」と馬鹿にされたのを根に持っていて、一刻も早くリサを見返したいと思っているのだ。「ね、ね。鬼道くんならわかるよね?」と机から身を乗り出しながら鬼道を急かし、逆に「落ち着け」と宥められていた。その一言で蓮は申し訳なさそうな顔で大人しく席に座る。その様子を見て、鬼道が切り出した。

「オールコットを見返してやりたいのはわかるが、怒っては敵の思う壺だぞ。それに、魔術師は何を表すんだ? 魔法を使う人間か? 悪魔と契りを交わした人間か。それとも奇術師か。どう考えても、FFIの日本代表とは繋がらないな」 

 それはそうだ。鬼道の言ったパターンは考えたが、日本代表と関連性はない。それに、リサは魔術師”の”と言っていた。恐らく魔術師は何かの暗喩または比喩。花に花言葉があるように、何かの意味が魔術師なのかもしれない。

「多分そのままの意味じゃないと思うんだよね。何かの比喩とか、暗喩とか——」

 他にも花言葉みたいに何か別の象徴が魔術師なのかも、と言葉を続けようとしたが、蓮はその言葉を切った。鬼道に指でつつかれたからだ。何かと蓮が問いかけるように瞬きをすると、鬼道は指で前を示した。
 その先には、数人の女子と共に机を囲むリサ、秋の姿。真剣な面持ちで机を睨みつけている。机には何やらトランプらしきものが裏返ったまま、等間隔で四枚並べられていた。その一枚をリサがめくると、女子生徒たちが喜ぶような叫び声を上げた。何かいい結果がでたらしい。そしてリサが英語で話す占い結果を秋が通訳し、女子生徒たちはまたきゃあきゃあと喚きだす。

「タロットカードか」
「ふ〜ん」

 あまり占いを信じない鬼道と蓮は無関心だった。が、直後、鬼道の赤い瞳に鋭い光が宿った。鬼道の変化に気づいた蓮が「わかった?」と嬉しそうに聞くと、鬼道は頷いた。

「タロットカードには『魔術師』のカードがあったはずだ」
「携帯で調べてみるね」

 蓮は机の脇にかけていた鞄から携帯電話を取り出すと、慣れた手つきでボタンを押していった。興味があるのか鬼道も軽く身を乗り出して、画面を覗き込んでくる。ややあって、二人が同時に声を出した。
 
「『始まり(スタート)』」

 携帯画面に映し出されていたのは、白いローブに身を包み赤いローブを羽織った男性のカードのイラスト。下には「THE MAGICIAN」の文字があった。

〜つづく〜
タロット楽しいなう。ちなみにマジシャンのイラストはカードによってかなり異なるので書いた描写が正しいとは限らないようです←