二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 世界への羽ばたき!『イナズ ( No.9 )
- 日時: 2011/09/10 20:51
- 名前: 携帯しずく ◆UaO7kZlnMA (ID: mW7zBAGR)
- 参照: リハビリ開始。短いです←い、池上さん見てます。すいません。
chapter1
集え!日本の選手たち!
第1話「里沙、来日」
エイリア学園の事件が終わり、数ヶ月が過ぎたある日の朝の教室。教室に生徒がそろそろ集まる時間で、生徒たちは雑談をしたり、本を読んだりと思い思いの過ごし方をしていた。
そんな中、蓮は、座ったままの秋の座席の近くにたち、何やら話をしていた。
蓮は13歳になる雷門中学校、二年生の少年。同時に雷門中学校のサッカー部の部員でもあった。
髪はやや長めで、色は濃い目の黒。瞳の色は、髪よりかは薄く、黒曜石に似た透明感のある黒だった。目鼻立ちは中々整っており、美形とまではいかないが爽やかな印象を与える。背丈は高くもなく、低くもなく、体格はやや細身。上下共に青い学生服に身を包んでいた。
一方、蓮と話す少女は秋。髪はやや長めの深緑で、右耳に近い位置にピンクのヘアピンをしていた。毛の先端は可愛らしく外に跳ねていた。大きくぱっちりとした目は長い睫毛で覆われていて可愛らしい。学校の制服——白いシャツに緑のリボン、茶色のスカート姿だった。
「今日から留学生が来るって、白鳥くん知ってる?」「え、秋さん、それって本当?」
秋が聞くと、蓮は意外そうに聞き返した。生徒たちも初耳なのか、秋と蓮の周りだけがざわついた。だが、そのざわつきはすぐに収まる。皆、口を閉ざし、秋と蓮の会話に聞き耳をたてているようだ。
「本当よ。実はね、その子私の留学時代からの友達なの。リサルダ・オールコットって言う女の子よ」
秋の言葉におお、と野太い声をあげる野郎共。急に鼻息が荒くなったり、気合いを入れるように頬を叩いたりと謎の行動に出る彼ら。秋はそんな彼らを気にする様子も見せず、話を続ける。日本語ではなく、英語に切り替えていた。
「でね、白鳥くんは英語出来るよね?」
蓮はその言葉から何か感じ取ったのか、やや困った顔付きになった。蓮もまた、英語に切り替えて話す。
「わかってるよ。僕もリサルダさんの通訳になるってことだよね?」
「ごめんね、白鳥くん。リサの相手は私がするから、たまに手伝ってくれるくらいでいいの」
秋に遠慮がちに頼まれ、蓮は僕なら大丈夫だよ、と優しく答えた。それに秋は英語で何やら返答する。
英語で交わされている会話に、周りの生徒たちは呆然としていた。あの二人は何話しているんだ、と疑問符が顕著に浮かんでいる。
と、その時チャイムが鳴った。廊下側の前の扉が開き、四十代過ぎの男性教諭がゆっくりと教室に入ってきた。「座れ、座れ」と生徒に指示を出しながら教壇に立った。
生徒たちは、担任を見たとたん、大急ぎで自分の席に戻り始める。蓮も彼らに続き、秋に別れを告げて自分の席がある窓側へと急いだ。
やがて、全員が着席したことを確認した男性教諭は、こほんと咳払いをする。
「はい、みなさん。おはようございます」
いつもと変わらないホームルームの挨拶に、生徒たちは機械的に挨拶。だるそうな生徒たちの中、蓮は、珍しく元気な声で挨拶していた。蓮にとって、ホームルームは発声練習であるから、手は抜かないのであった。
いつもならここで終わる言葉であるが、
「え〜今日は皆さんに紹介する人がいます」
秋の言葉通り留学生が来るらしい。生徒たちは、ざわざわと騒ぎ始める。
蓮も後ろの男子にどんな子だろうな、と話しかけられ、う〜んとかなり曖昧に答えていた。かなり騒ぎが大きくなり、男性教諭が、注意する。
「こら、みなさん。そんなにうるさいと、留学生を紹介しませんよ」
その言葉にしんと静まり返る教室。男性教諭は満足そうに頷き、扉の外に声をかけた。
「オールコットさん!」
〜つづく〜