二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 青の祓魔師〜赤き炎の少女〜 ( No.54 )
日時: 2011/09/21 18:30
名前: ★HITOMI★ (ID: H6c/o5GF)

第十四話

私はトイレの鏡の前にいた。紫の目、ポニーテイルに結った黒髪。ここまでならいつもと同じ私だ。だが今日は—いやあああぁぁぁ!なんで私が!ただ、今日はいつもと少し・・・・いやいや、かなり違うのは、頭の上に付けた黒い猫耳のカチューシャに、腰につけた細長い黒猫のしっぽ。そして、フリフリのメイド服に、猫の手の形をした手袋だ。もうっ。なんだよこれ!っていうか、スカートの丈が短すぎだろ!なんだよこの無駄に多いひらひらは!もうやだ・・・・。私は鏡の前でうつむいていると、
「あっ、武藤さんこんなとこにいたの!」
クラスメイトの奴が来た。
「ほらっ、もうすぐ始まるよっ。」
と、ずるずると私を引きずっていった。ぎゃああああああ、いやだあああああああ!

ねこみみ喫茶—開店—
なんてことだ。最悪としか言いようがない。
「い、い、い、いらっしゃいませ・・・・。」
『いらっしゃいませ(ハートマーク)』なんて言えるかあああああ!私にはこれが精一杯だ。客が何人か入ってくる。私はテーブルに行き、
「ご、ご注文を・・・・。」
「・・・・。」
なんだ、こいつ。私を見ながら魂が抜けたようになってやがる。少しイラッとして
「ご注文は?って聞いてんですけど。」
「・・・・え?あ、は、はいっ。」
そいつはコーヒーを注文した。店長こと委員長に「二番テーブルコーヒ一杯。」と、言っておいた。それからは、客が押し寄せるように入ってきて、休むひまなんてなかった。なんでこんなに入ってくるんだよ。こんなでかい学校なんだから他あたれよ・・・・。でも私はまさかその理由が自分のせいだなんて思いもしなかった。そのあと、なんと、理事長のメフィストも来たのだ。ちゃんと仕事しろよ・・・・。それから時間はどんどん過ぎて—午前中も終わりに近づいた。私は午前中担当で、午後には終わる予定だ。ああ、やっと終わる—
!!!
なんと、そこには・・・・祓魔塾一同がいた。
「な、な、なんで・・・・。」
奥村 燐などの男どもは私を見るなり鼻血をたらしている。どっかにぶつけたのだろうか。
「・・・・む、武藤、お前・・・・。」
「なんで来たんだよ!!バカっっ。」
もうっ。なんで来たんだよ・・・・。ちくしょうっ、もうちょっと遅く来ればよかったのにっ。はあ・・・・。みんなはテーブルに座った。見るからにしずんでいる私をフォローしてくれたのか、
「あ、あのねっ。」
杜山 しえみだ。
「みんなは午後で私は午前中で終わりだから、いっしょにみんなのところにまわりたいなって、思ってきたんだ。」
そのとき、委員長が来て、
「武藤さん、午後の子たち来たから、もうまわってきていいよー。」
と、言ってきた。やった。終わった!これでこの悪夢のフリフリの服ともおわかれだ。私は着替えを終えて、教室の前まで行くと、みんなはもういなくて、杜山 しえみが待っていた。
「じゃ、行こう。」
と、私たちは高等部へ歩きだした。まず、最初は勝呂、志摩、三輪の雑貨屋へ行った。
「お、来たな。」
と、勝呂 竜士が言った。どんなものかと思っていたけど、けっこう可愛いものもいっぱいあって、思わず、
「可愛い・・・・。」
と、言ってしまった。勝呂 竜士がこっちを見て笑っている。私はボッと赤くなると、他のものに目を通した。そして、私は髪どめを一個買った。次は、奥村 燐のいる、お化け屋敷に行くことにした。途中にあった店で私たちはソフトクリームを買った。意外と私は甘いものが好きだから、なんとなく嬉しくなった。そして、お化け屋敷に着いたが
「うわあ・・・・。」
見た目がものすごくどろどろしていて、なんだか見てるだけで背筋が寒くなってくるようだった。中に入って見ると、とても暗くて前がほとんど見えない。
「けっこうこわいね・・・・。」
と、杜山 しえみが言った。確かに。それからのお化け屋敷の中での出来事は言わないようにする。かなり危険だった。私たちはお化け屋敷をでると、
「・・・・。」
あまりの恐ろしさに無言になってしまった。だが、すぐに、
「アハハハハ!」
と、笑い出してしまった。なんかおかしくて。なんでかはわからないけど、とても温かい気持ちだった。みんなが私を誘ってくれてとても良かった。私は杜山 しえみに、
「誘ってくれてありがとな。」
と、お礼を言った。私にとってこの日は、今までで一番幸せな日となった。