二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 青の祓魔師〜赤き炎の少女〜 オリキャラ募集中! ( No.80 )
- 日時: 2011/09/24 12:36
- 名前: ★HITOMI★ (ID: H6c/o5GF)
第十六話
見た目はまだ九歳くらいだと思う。肩くらいの赤い髪を右側でくくっている。左目が包帯で巻かれていて。でも、右目を見ると、くりくりっと大きくてかわいらしい。ただ、感情というものがなにもなくて。
「お初にお目にかかります。カオル様。」
少女は感情のない目でにこっと笑いながら言った。私は少女をにらみつけながら、
「お前は何者だ!」
すると、少女は、
「わたくしはジユンリ・ナドゥ。どうぞジユと呼んでください。」
ジユ・・・・。こいつはいったい・・・・。
「なにをしに来た!あいつの手先か!」
「いいえ、わたくしは・・・・。」
すると、ジユは、不敵な表情をうかべながら、
「わたくしはあなたの首をもらいに来ましたの。」
私はハッとして、荷物を投げ出し、力を一瞬で解放した。大きな力を使うとなると、悪魔の姿に変身するのだ。私は剣を呼び出し、かまえた。
「そう、その姿!見てみたかったんです!でも、残念です。もう、その姿が今日以降見られないなんて。」
「ふざけるな!」
と、私はジユに飛びかかった。だが、ジユは表情一つくずさずに笑ったままだ。なにがそんなにおかしい?すると、私の剣は簡単によけられてしまった。速い!また、私はジユめがけて攻撃をしたが、またよけられてしまう。
「だめですよ、そんな甘い攻撃じゃ。」
ジユがそう言って立ち止まった瞬間、
「はあああああ!!」
と、私はジユに切りかかった。よしっ、しとめた!と、思った。だが、なんと剣はジユの体をすりぬけてしまったのだ。私がおどろいていると、ジユの体はゆらゆらと、ゆれながら、
「それはわたくしではなくてよ??」
と、言いながら、消えた!?どういうことだ!すると、周りにひびく声で、
「さぁ、どこでしょう??」
私はすばやくあたりを見まわしたが、彼女はいなかった。くそっ、どこだ!すると、背後で、ヒュッと、風を切る音がしたかと思うと、首筋にかまのようなものがあてられた。ジユは私の銀色の髪を優しくなでながら、耳元に唇をよせて、声を低くしながら、
「言ったでしょう?そんな甘い攻撃じゃだめだって。」
次の瞬間、私は森の奥へふっとばされた。勢いよく木にうちつけられて、木がくずれた。その木は私の上に重くのしかかる。くっ、動けない・・・・!決して重いからではない。こんな木は炎ですぐ燃やせる。苦しい。体の中と、外から体中をあちこち深く刺されているようだ。あまりの苦しみに悲鳴もあげられない。うすれゆく意識の中で必死で目を開けると、ジユが目の前に立っていて、
「・・・・気が変わりました。」
・・・・?
「あなたを生かしておくことにします。だって、あなたってとってもおもしろいんですもの!」
「私はお前のおもちゃではない!」と、言いたかったが声を発することができなかった。ジユは楽しそうにほほえむと、
「では、またお会いしましょう?カオル様。」
そう言ってジユは姿を消した。そして、取り残された私は苦しみにもだえながらも意識を失ってしまった・・・・。