二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【デュラララ!!】反転者達は愛を知らない ( No.14 )
日時: 2011/12/24 16:07
名前: Sky  ◆M7x9jXIufw (ID: qTh1yy9a)

臨也は要を抱きしめ続けたまま、ニヤリと口元に笑みを浮かべると「ねぇ…」と囁く、すると

「離せっ!」
「おおっ……と……要?」
「はな…せ……ッ!?」

勢い良く要は臨也を振り払ったが、直後によろけて何か禍々しい物を見た様な瞳になった。
それを見た臨也はいつもの要じゃないオーラを感じ取る。何か彼女では無い物が其所に居る様だった。
彼女は幽霊や妖怪が見える訳でもないが、臨也が記録している行動からすると明らかに普通の人間では行わない事であった。
要は視界が歪むのを感じ取る、それと同時に頭に男の声が鳴り響いた。
自分とも良く似たその声は、要は良く知っていたーー。
            、、、
(ーー…!!何で…此処にアイツの残した後がある…?)
(頼むから、消えてくれ…!この事を臨也に悟られたくは無いーー!)

自分が頭の中で懇願するも、脳の鳴り響きは一層深い物となり頭に直接響く…脳に音楽を生で打ち付けている様な感覚に近い物だった。
臨也は要に近づきたいが、金縛りにでもあっているように体全体が動く事は無く、指一本動かせない。
そして、脳の鳴り響きは要に完全に届いた。

(ーー『俺の足跡を消しているようだね、要…でも…無駄だよ』)
(…ーー『俺の“反転”は千年に一度の天災だ、この能力を使わずしてどうする…!?』)
(ダメ…反転は…時空を歪ます事になる…このままじゃ“池袋の時空”が破壊される…)
(…ーー『大丈夫、今の所皆元気にしてると思うよ?“イザナ”も“シズカ”も“マサミ”も“ミカ”も…皆…ね』)
(『次の反転は再来月辺りにしようかな…と思ってるんだよね』)

脳の鳴り響きが止み、今までの脳内整理が出来ない要はフラッシュバックを起こし、その場に倒れ伏した。

「要ッ!!」

縛りから解放された臨也は、倒れ伏す要を抱きかかえると息はしている様だったが、頭を触ってみようとすると何かを感じて触れなかった。

「……何…?今の……??」

臨也は驚いてたのだが、いつもの様にまた怪しい笑みに戻り

「まぁ…これはこれで面白そうだよねぇ…」

と呟いて、要を背負い歩きだしたーー。
臨也の目の前には満月が見下ろしていた。


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