二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 青の祓魔師 〜漆黒の記憶〜 ( No.17 )
- 日時: 2012/01/14 10:22
- 名前: 月那 ◆7/bnMvF7u2 (ID: IsQerC0t)
第1話 「桜の精」
雨が上がり、朝日に照らされた雫がキラキラと光り輝くジョギングロードを、
勝呂はテンポよく走る。
(やっぱり、毎朝走って汗を流すと気持ちがええなぁ)
そう思いながら走り終えた帰り道。
ふと、薄暗い路地に変な影が一つ、動いて見えた。
(なんや?)
目をこらし、よく見ると、闇に似た真っ黒なマントをはおり、フードをかぶった影が倒れている少女を見下ろしている。
すると、その影は少女に手を伸ばし、襲いかかろうとしていた。
「あかん!!」
勝呂は倒れている少女のすぐそばまでいき、
「オン バサラ キニ ハラ ネンハタナ ソワカ!」
と印呪を唱え、被申護身の印を結ぶ。
影は
「チッ!」
軽く舌打ちし、ビルをつたいながら屋上へと逃げていった・・・・・・
「またんかい!」
急いで影を追おうとしたが、勝呂は倒れていた少女のことを思い出し、側へ駆け寄る。
「おい!しっかりしいや!だいじょう・・・・・・・ぶ・・・・・・・」
勝呂は途中で言葉を失う。
それは ひどく
ひどく 美しい少女だったからだった。
髪や顔、服や手足に血や泥がついているが、その少女の美貌は失われずにいる。
白のワンピースや白のコート という純白の衣装に
膝まで届く長い 桜色の髪。
そう、それは例えるなら
(桜の精や・・・・・・・・・・)
勝呂はいつのまにか、その少女にみとれてしまっていた。
しかし、少女の体が氷のように冷たく、顔が青ざめていることに気がつくと、急いで抱きかかえ、病院はないかと辺りを見回す。
が、そこには見当たらずビルがいくつも建ち並んでいる。
(どないしよう・・・・・・)
焦る勝呂の目に、ある建物が映る。
「そや、あそこなら!」
勝呂は少女を抱きかかえ、急いでその建物へと向かい走る。
その建物、それは 正十字学園高等部男子寮の旧館——————————燐と雪男が住んでいる寮だった・・・・・・
〆 10月24日