二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【青の祓魔師】 〜漆黒の記憶〜 更新再開!!!!!! ( No.521 )
日時: 2012/10/06 13:47
名前: 月那 ◆7/bnMvF7u2 (ID: IsQerC0t)
参照: http://www.kakiko.info/upload_bbs/index.php?mode

  プロローグ「白雨リインカーネーション」


 炎が、ゆらゆらと揺れながら燃えている。
 炎は、あるひとつの部屋を灯していた。

 その部屋は、壁は一面真っ白で、天井には金色に輝くシャンデリアが一つ吊されている。床は黒と白の市松模様。まるでチェスボード上にでもいるかのような感覚に侵されてしまう。そんな部屋には、駒の代わりに、あるもので床は一面、埋め尽くされていた。それは、———髑髏。白骨化したヒトの頭部の頭蓋骨だ。
 その部屋の中央に置かれた、この部屋ただ一つの家具。やはりこれも、黒と白を基調としたテーブルと二人分のクラシックチェアだった。そこでは女性が一人、優雅に紅茶を飲んでいた。

 流れるような金の長髪を頭上に高くまとめ、金の刺繍を施した黒のドレスを身に纏った女性は紅茶を一口すすり、カップを置く。

 「役者は揃ったか?」
 「はい、何の問題もありません。<鍵>も手に入りました」

 女性の声に応えたのは、闇から何の気配もなく現れた、黒のフードを被った人物だった。

 「そうか」

 女性はフッと笑うと、イスから立ち上がり指示を出す。

 「時は来た。『漆黒の不夜』に向けて準備を進めよ!」
 「承知しました」

 そう言うと、フードを被った人物はまた闇へと姿を消した。

 「クククッ」

 ひとり、静かになった部屋の中で女性は笑う。
 女性は座り直すと、また紅茶をすすり飲み干す。

 「<鍵>は手に入った・・・。これで妾の願いがようやく叶う・・・!」

 女性はそばにあった髑髏を一つ、自分のもとへとたぐり寄せると、

 「もうすぐ・・・、もうすぐだ・・・・・・!」

 髑髏を胸に抱えると、まるで愛おしそうに青く輝くサファイヤのような瞳で見つめ、唇を当てた。

 「待っていておくれ。妾の愛しい、愛しい———」

 髑髏に囲まれた部屋は、ゆらゆらと揺れ燃える青い炎に、淡く照らされてた。  


  〆 10月6日