二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 青の祓魔師 〜漆黒の記憶 Dark memory〜 ( No.65 )
日時: 2011/11/03 19:14
名前: 月那 ◆7/bnMvF7u2 (ID: IsQerC0t)

第6話 「悪夢」

少女は真っ黒な空間で、水の上に立っていた。
上を見上げると、どこまでも続いている漆黒の———————闇。
左右を見ると果てしなく続く、真っ黒な水の水平線。
そこには光など無かった。
(———————ここ、・・・どこ?)
足元を見下ろすと、真っ黒な水が辺り一面に広がり、それはまるで、
海のようになっていた。
その海のような水面から、あるものが浮かび上がっていた。それは、
——————人だった。
人が六人、浮かび上がっていた。
その人達のもとへ行こうとするが、足が動かない。まるで、石のように固まって動かなくなってしまっていた。
ふと、その人達を見ると、体から血があふれ出していた。
血———————銃で撃たれたような傷口から、皆、鮮血があふれ出していた。
ふと、手に ずっしりと、重いものを持っている感覚があった。
見ると、銃口に べっとりと血の付いた銃を握りしめていた。
そして、銃を持っていない左手にも、血は付いていた。

「———————あああぁああぁぁあぁああぁ———————」

その光景を見て、少女は叫び声にもならない声をあげた。

気づいてしまったのだ。

少女が握りしめている拳銃で、六人もの人たちを
———————殺してしまったのだと。

少女はその場に崩れ落ちた。
薄れゆく意識の中、真っ黒な海のような水面———————血の海に、 ポタッ、ポタッ と血が滴り落ちる音を聞いた———————


少女は目を覚ました。
ドォン、ドォン と銃声が部屋に鳴り響いている中、ぼやけた視界の中に、ある二人の少年が見えた。
一人は、二丁拳銃で悪魔を倒している少年。
もう一人は、青い炎を身に纏い、剣で悪魔を倒している少年。

少女は二人の少年に見覚えがあった。
そう、遠い—————遠い過去の記憶の中で。
少女は見覚えのある少年の名を思い出し、口にした。
「———————りん?ゆきお?」

その言葉を聞いた燐と雪男は、最後の一匹のゴブリンを倒し、剣と銃を仕舞って少女のもとへ駆け寄った。
「———————愛妙・・・・なのかい?」
雪男は目覚めたばかりでまだ意識がはっきりしていない少女に声をかけた。
「・・・うん。・・・・・・ここ、どこ?」
少女—————愛妙は辺りを見回していた。
「ここは——————————————
雪男は答えようとしたが、ある人物の声に阻まれた。
「ここは、正十字学園高等部男子寮の旧館の奥村くんたちの部屋ですよ☆」
「「うわぁ!!」」
燐と雪男は悲鳴をあげた。
「なにを驚かれているんですか?」
「お前のことだよ!!!しかも、ドラマを見に行ったんじゃなかったのかよ!!」
燐はメフィストに向かって叫んだ。
「録画をしたんですよ。そんなことより、
メフィストは続けた。
あなたのお名前、年齢、住んでいらっしゃるところを教えていただけますかな?」
メフィストは愛妙に質問した。
「・・・・名前は愛妙、———————蔀 愛妙です。歳は・・・・・?住んでいるところは・・・・・・?・・・・・・」
愛妙は突然黙り込んでしまった。
「? どうした?」
燐は愛妙に聞いた。

愛妙は答えた。

「・・・・・・・・分からないの。」

 〆 11月3日